高校生の短期留学ガイド|費用・時期・行き先・成功のコツを解説

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「高校生のうちに海外生活を経験したいけれど、受験に向けて学習の遅れを取りたくない」
そう感じているなら、短期留学がおすすめです。
文部科学省が推進する「トビタテ!留学JAPAN」の「データでみる日本の留学」によれば、2023年度には3.5万人の高校生が留学を経験しており、そのうちの9割は短期留学だといいます。
短期留学であれば、留学のハードルを下げて、海外生活経験を得られる挑戦が可能です。
本記事では、高校生の短期留学のメリットや費用、留学に最適な時期やおすすめの留学先を紹介します。
短期留学の効果を最大限に高めるコツも紹介するので、ぜひ合わせてご確認ください。
本記事を読み、高校生の留学の選択肢を知って、将来に活かせる留学準備の第一歩を進めましょう。
高校生が短期留学するメリット
高校生の留学で短期留学を選ぶと、下記のようなメリットがあります。
- 長期より気軽に挑戦できる
- 学校を休まずに海外経験できる
- 費用を抑えられる
- 学校で学んだことのアウトプットができる
- 気候のよいところで学べる
以下でそれぞれ詳しく解説します。
長期より気軽に挑戦できる
短期留学は長期留学に比べてハードルが低く、留学が初めての方でも挑戦しやすい留学方法です。
高校生の留学というと、交換留学や正規留学など、現地校への学期単位や学年単位の留学を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、語学留学であれば時期や期間をフレキシブルに調整でき、英語要件も柔軟に設定されています。
短期留学は、大学留学を検討するための「お試し留学」とすることもでき、高校生にとっては将来の目標を考えるうえで大きな助けとなることもあります。
学校を休まずに海外経験できる
短期留学であれば、高校の夏休みや春休みを利用した留学が可能です。
学校を休むことなく留学できるので、日本の学校の授業に遅れを取る心配がなく、海外での貴重な経験を積むことができます。
学校によっては1週間から受け入れ可能なところもあり、留学時期や期間を調整することで、大学受験への影響を最小限に抑えて留学できます。
費用を抑えられる
留学期間が短ければその分留学にかかる費用を抑えられます。
コース費用や現地での滞在費用はもちろん、長期留学のように生活のための日用品を現地で買い揃える必要がないため、全体的にかかる費用を減らしやすくなります。
特に夏のコースについては、キャンペーンやパッケージプランを案内する学校も多いので、高校の夏休みを利用した留学を検討するなら、お得な情報がないか積極的に情報収集できるとよいでしょう。
学校で学んだことのアウトプットができる
短期留学であっても、留学は英語を「話す力」を磨ける絶好の機会です。
高校生の場合、すでに単語や文法など英語の基礎力を磨いてきているため、英語を話す準備ができているはずです。
インプットが中心の日本の英語学習スタイルを抜け出し、留学で英語を積極的に話す経験を積むことで、自信を持てたり、その後の英語学習へのモチベーションを高めたりできます。
長期留学はハードルが高いと感じるなら、まずは短期留学で英語にたっぷり触れる体験から始めましょう。
ホームステイ先や学校で英語漬けの日々を過ごせば、効率的に英語力を上げられます。
気候のよいところで学べる
留学する時期や行き先をうまく選べば、気候のよい環境で英語学習に集中できます。
たとえば、留学で人気のイギリスやカナダでは、日本に比べて夏の時期の温度や湿度が低い場所が多く、日本の厳しい暑さを忘れて勉強に集中できます。
南半球の国の場合は季節が日本と逆転するため注意が必要ですが、冬休みを利用した留学であれば、現地で夏の陽気を楽しみながら海外生活を体験することが可能です。
高校生の短期留学の費用相場
高校生が1〜4週間の語学留学をする場合、学費と滞在費を合わせた留学費用の目安は約15〜50万円です。
これに航空券や海外旅行保険、現地での交通費などがかかるので、最低でも30万円ほどは見積もっておいたほうがよいでしょう。
留学先選びの際は、いくつかの学校の費用を比較・検討することが重要です。
留学費用をできるだけ抑えたい場合は、受講コースの選び方を工夫したり、学生寮に比べて費用を抑えやすいホームステイを選んだりするのが有効です。
また、夏休みを利用しての留学の場合は、航空券の料金変動が激しいことがあるため、早くから準備を進めて、できるだけお得な航空券を購入できると費用を抑えやすくなります。
高校生の短期留学におすすめの時期
短期留学のメリットでも解説した通り、高校生の留学なら長期休暇を利用した留学がおすすめです。
時期により下記のような違いがあります。
- 夏休み(7月中旬〜8月末頃)
- サマースクールの開講やグループツアーの開催などもあり、留学プランの選択肢が多い
- もっとも留学者が多い時期で、さまざまな国からの学生と一緒に学べる可能性が高い
- 学校によってはハイシーズン料金が適用されて費用が通常より高い
※サマースクールとは、語学研修や異文化理解などを目的としたプログラムです。グループツアーは主に留学エージェントや旅行会社が主催するもので、ツアー参加者と一緒に英語を学ぶプログラムのことをいいます。
- 春休み(3月下旬〜4月頭頃)
- 英語+アクティビティのパッケージコースやグループツアーが比較的豊富
- 夏休み時期や年末年始の時期に比べると航空券代を抑えやすい
- 冬休み(12月下旬〜1月上旬)
- クラス人数が比較的少なくなるため、個別指導を受けやすく、より学習に集中しやすい
- クリスマスや年末年始で休みの学校もあるため学校スケジュールの確認が必要
ハイシーズン料金が適用となる場合もありますが、高校生の短期留学では特に夏休みを利用した留学がおすすめです。
また、高校生は3年生の夏以降は本格的に受験に向けた準備が必要になるため、高校1〜2年生の夏までが留学に適した時期となるでしょう。
高校生の短期留学におすすめの留学先
高校生の短期留学を検討する際に、おすすめの留学先を4つ紹介します。
フィリピン|マンツーマン中心で安くしっかり学べる
フィリピンは費用を抑えてしっかり英語を学べるとあり、短期留学の渡航先としても人気を集めています。
特に、多くの語学学校が集まるセブ島への留学がおすすめです。
グループレッスンをメインとする欧米の語学学校とは異なり、フィリピンではマンツーマンレッスンが主流になっています。
個別指導で細かなところまで英語の理解を深められるので、短期留学でも成果を出しやすいのが魅力です。
ニュージーランド|治安がよく初めての留学でも安心して学べる
比較的治安がよく、自然も豊かで、人もフレンドリーなニュージーランドは、初めての留学先としてもおすすめな国です。
ニュージーランドの語学学校は、NZQAという政府機関により審査されており、教育の質の面でも安心して選べる渡航先です。
イギリス|整った学習環境でイギリス英語を学べる
比較的治安がよく、学習施設が充実しているイギリスは、本場のイギリス英語を学べる点でもおすすめです。
音楽、アート、歴史、建築、スポーツなど、文化面も充実していて、語学研修だけでなく、文化体験の幅が広いことも留学先として人気が高い理由でしょう。
夏は特にヨーロッパからの学生が多く、国際色豊かな環境で英語学習に集中できます。
カナダ|多文化な環境で標準的な英語を学ベる
カナダは比較的クセのない英語が学べる場所として留学先に人気です。
移民の受け入れに積極的なカナダは多様性に富み、留学生も馴染みやすい環境です。
留学に人気のバンクーバーやトロントは公共交通機関も便利に発達しており、現地を見て回るのにも困りません。
カナダは比較的留学費用を抑えやすく、お試し留学にも最適な留学地です。
高校生の短期留学を成功させるコツ
最後に、短期留学を成功させるために押さえておきたいポイントを解説します。
短期留学に向けては、次の3つのポイントを意識して準備しましょう。
- 日本にいるうちからしっかり英語を学んでおく
- 留学先の国について調べておく
- 日本のことについて調べておく
それぞれ詳しく解説します。
日本にいるうちからしっかり英語を学んでおく
留学先で英語学習に集中するのはもちろんですが、渡航前に日本で英語の基礎力をしっかり磨いておくこともとても重要です。
現地でほかの留学生に声を掛けたり、レッスンで多く発言したりして英語のアウトプットの機会を増やすには、もともとの英語力も必要だからです。
現地で出会う人と早く打ち解けられるよう、自己紹介やよく使いそうな英語フレーズをあらかじめ練習しておくとよいでしょう。
留学前の英語学習では、オンライン英会話のように話す機会を多く持てる学習を取り入れるのがおすすめです。
留学先の国について調べておく
渡航前から留学先の国に興味を持ち、あらかじめ現地のことについて知っておくことも重要です。
留学先について知っていることが多ければ、日本の文化との違いを受け入れやすく、現地でその違いをより楽しめるようになります。
現地で出会った人への理解をより深めることにもつながるので、留学前に現地の文化や生活習慣、食文化などさまざまな面からその国のことを調べておきましょう。
日本のことについて調べておく
留学中はホストファミリーやほかの留学生から日本について聞かれたり、レッスン中に日本の文化を踏まえて意見を求められたりすることもあります。
あらかじめ日本の文化や社会について知識を深めておけば、話せる内容が増え、英語で話す機会を多くできます。
日本の季節のイベントや自分が住んでいる地域のこと、食文化や日本の歴史など、さまざまなテーマを英語で説明できるように準備しておきましょう。
まとめ
学校の英語の授業で基礎力をつけられている高校生にこそ、短期留学がおすすめです。
英語のインプットとアウトプットをバランスよく行える環境に身を置くことで、英語力を効率よく伸ばすことができます。
長期休暇を利用した留学なら、学習の遅れを気にすることなく、海外で生活する経験を得られます。
留学したい思いはあっても長期留学ではハードルが高いと感じているなら、まずは短期留学から挑戦してみましょう。
実りある留学経験を得られるよう、この記事の内容も参考にして、まずは留学の時期や期間、留学先選びから準備を進めていきましょう。