高校・大学留学先にアイルランドはどう?実体験に基づくリアルな現地の様子を紹介

将来お子さんを留学させたいとなれば、どの国を留学先として選ぶかはとても重要です。
留学先ではアメリカやカナダ、オーストラリアが人気ですが、最近は円安の影響で留学費用が上がり、治安の悪化も懸念されるため、お子さんの留学先選びに困っている方もいるのではないでしょうか?
そこで、本記事では、近年留学先として注目を集めるアイルランドについて徹底解説します。
筆者は、1年の滞在中に就学・就労・旅行ができるワーキングホリデー制度を利用しアイルランドで暮らした経験があるため、ここでは現地での実体験も元に主に治安面と生活コスト面に焦点を当てて解説します。
お子さんの留学先選びに迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもアイルランドってどんな国?
まずは、そもそもアイルランドがどんな国なのか、簡単に見ていきましょう。
下記はアイルランドの基本情報です。
面積 | 7,0399㎢(北海道の8割強ほどの大きさ) |
人口 | 約515万人(北海道と同じぐらい) |
首都 | ダブリン |
言語 | 英語・アイルランド語 |
通貨 | ユーロ(€) |
日本との時差 | -9時間(10月末〜3月末のサマータイム時は-8時間) |
参考:「アイルランド基礎データ|外務省」
アイルランドもイギリス同様に雨が多いイメージを持たれがちですが、夕立のような一時的な雨が多いだけで、日本の梅雨のようにずっと雨が降り続けるものとは異なります。
雨が降ってもすぐに止むため、虹が多く見られるのもアイルランドの特徴です。
冬は気温が4〜8℃と寒くなりますが、積雪はほとんどありません。
夏は湿気が少なく、過ごしやすい日が続きます。
文化面でも興味深いものが多く、特に下記で注目が集まることが多いです。
- アイルランド音楽
- アイリッシュダンス(リバーダンスもアイルランド発)
- ラグビー
- 文学
- ケルト神話
また、日本でも恒例のイベントになったハロウィンは、アイルランド地域の古いお祭りが起源だといわれています。
アイルランドが留学先としておすすめな理由
アイルランドは教育水準が高く、人もフレンドリーなことから、留学先としてもおすすめです。
アイルランド政府は教育への投資に積極的で、国民の大学進学率も高く、アイルランドの教育の質は国際的に高く評価されています。
また、フレンドリーで面倒見のいい人が多いので、留学生にも優しく、初めての留学でも安心して滞在できる国だといえます。
筆者もアイルランド滞在中、街を歩いていたときに靴紐がほどけているのを通りすがりの人に教えてもらったり、親切な人に道案内してもらったりと、多くの人の親切に触れました。
各国から留学生も集まっており、ヨーロッパからの学生はもちろん、南米圏の学生も多く、さまざまな価値観に触れられるのもアイルランド留学の魅力です。
アイルランドの治安は?留学にも安全?
留学を検討する際に気になるアイルランドの治安や、留学時に気をつけるべき点を解説します。
アイルランドの治安
結論からお伝えすると、アイルランドは比較的治安がよく、留学生も安心して過ごせる国だといえます。
経済平和研究所(IEP)の世界平和度指数(Global Peace Index 2024)によれば、アイルランドの平和度はアイスランドに次いで2位でした(※日本は17位)。
凶悪犯罪率の低さや政治的安定、外交的中立性が順位を上げる主な要因となっているようです。
ただし、いくら治安がよいといっても、日本と比べれば警戒が必要です。
アイルランド統計局の2024年犯罪件数データによると、凶悪犯罪の発生件数は減ってはいるものの、強盗や詐欺の件数は増加傾向にあります。
また、日本に比べれば年間の犯罪件数は多く、1歩日本の外に出たら、防犯意識を高くもつ必要があります。
アイルランドは比較的安全な国ではありますが、夜の1人歩きを避けたり、財布の複数持ちをしたりするなど、対策を十分にしておくことが重要です。
アイルランド留学中は詐欺や差別に注意
旅行とは異なり、留学の場合はその地に暮らすことになるため、詐欺や差別についても警戒しておく必要があるでしょう。
現地で家探しをするなら、詐欺に遭わないよう、相場感や契約の流れなどを事前に調べておくことが重要です。
また、アイルランドでは稀にティーンエイジャーによるアジア人差別の問題が報告されることがあります。
人通りの少ない道を避けたり、公共交通機関で乗り合わせた人に少しでも違和感を感じたら離れるようにしたりするなど、トラブルを避ける行動をとることも大切です。
状況把握や万一の場合に適切な対応ができるよう、留学前から英語力をしっかりつけておきましょう。
こうして気をつけるべき点を挙げると、治安面の心配が増えてしまうかもしれませんが、筆者自身は1年間のワーホリ滞在中、特にトラブルなく過ごせました。
夜は1人歩きをしないようにしたり、雰囲気のよくない場所には近づかないようにしたりと、リスクを避けるように過ごしていたのも安全に過ごせたポイントだと思っています。
アイルランドでの生活コストは?
コロナ禍以降、物価の上昇と円安の影響で、アイルランドでの生活コストは安いとはいえませんが、隣国のイギリスに比べれば費用は抑えやすいといえます。
特に、食費の面では自炊を心がけると、費用を抑えやすくなります。
下記は、食品の物価目安です。
アイルランドでの値段の目安 | 日本円換算(※2025年3月時点のレートを適用) | |
パスタ 500g | €0.75 | 約120円 |
食パン 1斤(800g) | €1.30 | 約200円 |
じゃがいも 1kg | €0.80 | 約125円 |
水 500ml | €0.50 | 約80円 |
コーラ 500ml | €1.95 | 約300円 |
牛乳 2L | €2.90 | 約450円 |
鶏むね肉 100g | €0.70 | 約110円 |
レストランでの食事 | €16〜€20 | 約2,500〜3,000円 |
レストランでの食事は1皿の量が多いこともありますが、外食に頼ってしまうと食費がかさみます。
アイルランドの消費税は、ものにより税率が変わる仕組みを採用しており、標準税率は23%(※2025年時点)で、ホテルやレストランのサービスの税率は13.5%、卵やパンといった食品のほとんどは0%です。
日用品類は23%の税率適用が多く、日本に比べて高いと感じるものが多いかもしれません。
ワーホリ滞在中、筆者も物価が日本に比べて高いと感じることはありましたが、最低時給が日本よりも高く設定されていることもあり、フルタイムの販売のお仕事で稼いだお金だけで十分生活ができていました。
筆者が現地にいた当時とは通貨レートも変わり、人それぞれの生活スタイルや、居住場所によってもかかる費用は変わりますが、実際の経験と現在のレートなどを加味すると、ひと月あたり17万〜22万円程度の生活費は見ておいたほうがいいでしょう。
アイルランド留学の場合は、学費を抑えやすいというのがあるので、全体費用としては他国への留学に比べて抑えやすいといえます。
アイルランドの留学プログラム
最後に、アイルランド留学にはどんなプログラムがあるかを紹介します。
高校留学
アイルランドで高校留学をする場合、イギリスと同様、私立高校にのみ留学が可能です。
私立高校といっても、費用は他の国の公立高校ほどかそれより低く、費用を抑えて質の高い教育を受けられるのが魅力です。
他の国に比べてアジア人留学生の割合も少なく、アイルランド人やヨーロッパ系の学生と学ぶ機会を多く持てます。
アイルランドの高校のカリキュラムでは、国語や数学などの主要科目のほか、ビジネスや芸術、ITなど、数多くの科目から選択して学べるため、より興味にあう形で学びを深められます。
大学留学
アイルランドには7つの主要大学があり、それらはすべて国立大学で、質の高い教育を望めます。
ビジネスや経済分野はもちろん、アイルランド音楽を学べるコースや、アイルランドが強いIT分野のコースなど、留学生にもコースの選択肢が多いのが魅力です。
語学留学
アイルランド留学なら語学留学という選択肢もあります。
語学コースの場合、費用はイギリスやアメリカに比べて8割ほどまで抑えることもでき、日本人比率の少ない環境で集中して英語を学ぶことが可能です。
オンライン英会話の活用やセブ島留学で実りある留学を!
ここまでアイルランドへの留学についてまとめてきましたが、留学で確実に成果を出すためには、日本にいるうちから英語力をしっかりつけておくことが重要です。
アイルランドは、日本人留学生が少ないために英語学習に集中しやすい点がメリットになる反面、英語力が低すぎると周りにうまく馴染めず、日本人の少なさがデメリットとなることもあります。
将来的にお子さんの留学を計画するのであれば、今のうちからオンライン英会話でしっかり基礎力を磨き、外国の人たちとのコミュニケーションに慣れられる環境を作ってあげるのも大事なポイントです。
アイルランドへの留学に備えて、しっかり英語を話せる環境を作るなら、費用を抑えやすいセブ島留学から始めるのも方法です。
まとめ
以上、アイルランドの概要と、アイルランドの治安と生活コストに焦点を当てて、アイルランド留学がおすすめな理由を解説しました。
アイルランドで実際に過ごしてみて印象的だったのは、現地の人のあたたかさでした。
高校留学をはじめ、母国から遠く離れた地で勉強するのはときに心細くも感じるものですが、アイルランドのフレンドリーな国民性はそんな留学生にも優しいものだと感じます。
ぜひアイルランド留学も視野に入れつつ、将来の選択肢を広げられるよう、早いうちから英語力アップを図って準備を進めてください。