イディオムを忘れない覚え方とは?例文で身につく学習法

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英語学習で「イディオムがなかなか覚えられない」「覚えてもすぐ忘れてしまう」と悩んだことはありませんか?
イディオムは単語の意味をそのままつなげても理解できないものが多いため、暗記が難しいと感じる人も多いはずです。
しかし、覚え方にちょっとした工夫を加えるだけで、イディオムはぐっと身近なものになります。
特に「例文と一緒に学ぶ」方法は、記憶に残りやすく、実際の会話やテストでもすぐに使えるようになります。
この記事では、イディオムを忘れにくくする学習法をわかりやすく紹介し、例文を使いながら効率的に身につけるコツを解説します。
今日からの学習に取り入れて、イディオムを得意分野に変えていきましょう。
イディオムとは何か?

英語学習でよく出てくる「イディオム」。
単語帳や試験勉強で耳にしたことがあっても、正確に説明するのは意外と難しいですよね。
ここではイディオムの意味や特徴を、シンプルに整理してみましょう。
イディオムの基本的な意味
イディオムとは、複数の単語が組み合わさって、一つの決まった意味を持つ表現のことです。
直訳では意味がわかりにくいのが特徴です。
例えば・・・
kick the bucket → 直訳:バケツを蹴る → 意味:亡くなる
break the ice → 直訳:氷を壊す → 意味:緊張をほぐす
ポイント
イディオムは「単語そのままの意味」ではなく「慣用的な意味」で理解する必要があります。
単語との違いを理解する
「イディオム」と「単語」はどう違うのでしょうか?下の表にまとめてみました。
単語 | イディオム | |
成り立ち | ひとつの単語 | 2語以上の組み合わせ |
意味 | 基本的にそのまま | 直訳とは異なることが多い |
例 | run(走る) | run out of(〜を使い果たす) |
単語は「意味がそのまま」ですが、イディオムは「組み合わせで別の意味」になるのがポイントです。
日常会話やテストでよく使われる理由
イディオムは、ネイティブスピーカーの日常会話でとてもよく使われます。
そのため、実際の会話力を上げるうえでも欠かせません。
さらにTOEICや英検®などのテストでも頻出なので、学習者にとって重要な学習項目です。
よく使われる理由
- 会話で自然に出てくる言い回しだから
- ニュースやドラマ、映画でも頻繁に登場するから
- 英語の試験(TOEIC、英検®など)で得点源になるから
イディオムを覚えることは、「実際に使える英語」と「試験に強い英語」の両方に直結します。
イディオムを覚える必要性

英語の学習では、単語や文法を覚えることに力を入れがちですが、「イディオム」を理解しているかどうかで表現力は大きく変わります。
ここでは、イディオムを学ぶ必要がある理由を3つの視点から見ていきましょう。
会話をより自然にするため
ネイティブスピーカーの日常会話には、多くのイディオムが使われています。
直訳せずにイディオムを使うことができると、会話がぐっと自然になります。
例文
単語だけ:I’m very tired.
(とても疲れています。)
イディオムを使う:I’m worn out.
(くたくたです。)
同じ意味でも、イディオムを使うことで「自然な英語」に近づけます。
リーディング・リスニングで役立つ場面
イディオムを知っているかどうかで、文章や会話の理解度が大きく変わります。
特にニュース記事や映画のセリフでは、直訳では意味が通じない表現がよく出てきます。
よくある例
- break the ice → 緊張をほぐす
- hit the books → 勉強する
- under the weather → 体調が悪い
これらを知らないと、リーディングやリスニングでつまずく原因になります。
試験や資格学習における重要性
TOEICや英検®などの試験では、イディオムの知識が得点に直結します。
選択問題やリスニング問題で頻繁に出題されるため、試験対策には欠かせません。
試験で問われやすいポイント
- 熟語の意味を選ぶ問題(例:run out of = 〜を使い果たす)
- 会話文中にイディオムが出てくるリスニング問題
- パラフレーズ表現としてイディオムが使われるリーディング
単語力に加えてイディオム力をつけると、試験スコアの伸びが早くなります。
イディオムを忘れない覚え方の基本

「単語は覚えられるのに、イディオムはすぐ忘れてしまう…」
そんな経験、きっと誰にでもあるはずです。
でも覚え方を少し工夫するだけで、ぐんと記憶に残りやすくなります。
ここでは特に効果的な2つの方法を紹介します。
例文と一緒に覚える
イディオムを「単語帳で意味だけ」覚えても、テストが終わったら忘れてしまいませんか?
実際の文に入れてみると、不思議と頭に残りやすいんです。
hit the books → 「勉強する」
I need to hit the books tonight.
(今夜は勉強しなきゃ。)
break the ice → 「場を和ませる」
Her smile helped break the ice.
(彼女の笑顔で場が和んだ。)
イディオムは「意味の暗記」じゃなく、「シーンごとにセットで覚える」、これがポイントです。
関連する単語や表現と結びつける
人は「バラバラの知識」より「つながった知識」の方が覚えやすいものです。
イディオムも同じで、知っている単語やテーマと結びつけると忘れにくくなります。
「体調」に関する表現
- tired(疲れた)
- worn out(くたくた)
- under the weather(体調が悪い)
「勉強」に関する表現
- study hard(一生懸命勉強する)
- hit the books(勉強する)
- learn the ropes(コツを覚える)
こうしてグループで覚えると、「あ、この表現もあったな」と芋づる式に思い出せるようになります。
イディオムは特別な暗記法が必要なわけではなく、「文の中でイメージする」「知っていることと結びつける」だけで、驚くほど忘れにくくなります。
効率的にイディオムを覚える学習法

イディオムは「量が多くて覚えられない」と感じやすいですが、やり方次第でずっと楽に定着させることができます。
ここでは、効率的に覚えるための学習法を紹介します。
テーマごとにまとめて覚える
イディオムをランダムに覚えるのは効率が悪く、頭の中に残りにくいです。
そこでおすすめなのが、テーマごとにまとめる方法。
天気に関するイディオム
- under the weather(体調が悪い)
- a storm in a teacup(小さなことを大げさに騒ぐ)
勉強・仕事に関するイディオム
- hit the books(勉強する)
- learn the ropes(コツを覚える)
感情に関するイディオム
- over the moon(とても嬉しい)
- lose one’s temper(怒る)
こうしてグループ分けすると、関連付けで思い出しやすくなり、学習の効率がぐっと上がります。
短時間でも毎日繰り返す習慣をつける
イディオムは「一気に覚える」より「毎日少しずつ繰り返す」方が圧倒的に効果的です。
例えば・・・
- 朝の通学・通勤時間に3分だけ復習する
- 夜寝る前に例文を音読する
- 1日1つだけ新しいイディオムを覚える
短時間でも繰り返すことで、脳に定着しやすくなります。
コツは「毎日やることを小さく設定する」こと。
「1日10個覚える!」よりも「1日1個でも続ける」方が長期的には確実に効果が出ます。
イディオム学習は、テーマごとに整理し、短時間でいいから毎日触れる、この2つを組み合わせるだけで、気づけば自然に口から出てくるようになります。
イディオムを学習する上で気をつけたいこと

イディオムは便利な一方で、覚え方や使い方を間違えると意味が伝わらなくなることもあります。
ここでは特に初心者がつまずきやすい注意点を紹介します。
直訳しようとしないこと
イディオムは単語の意味をそのまま並べても理解できません。
例えば・・・
kick the bucket → 「バケツを蹴る」ではなく「亡くなる」
spill the beans → 「豆をこぼす」ではなく「秘密をばらす」
ポイント
- イディオムは「一つのかたまりの意味」として覚える
- 直訳にこだわると混乱するので、イメージで捉えるのがおすすめ
似た意味の表現と混同しないこと
イディオムは似たニュアンスを持つものが多く、混同しやすいのも注意点です。
イディオム | 意味 | 間違えやすい表現 |
run out of | 〜を使い果たす | use up(同じ意味だが使い方が異なる) |
look up to | 尊敬する | respect(単語と混同しがち) |
give up | 諦める | stop(単なる「やめる」と混同する人が多い) |
ポイント
- 意味が似ていても「使う場面」や「ニュアンス」が違う
- 例文と一緒に覚えると混同を防げる
文脈に合わない使い方を避ける
イディオムは便利だからといって、どんな文脈でも使えるわけではありません。
場面に合わないと、不自然に聞こえたり誤解を招くことがあります。
NG例
I hit the books at the party.
(パーティーで勉強する?→不自然)
OK例
I hit the books last night for the exam.
(昨夜は試験勉強した。)
ポイント
- 文脈や状況に合うかどうかを意識して使う
- 不安なときは「よりシンプルな表現」で代用してもOK
まとめ|イディオムを忘れない学習を続けよう

イディオムは一度覚えても忘れやすい表現ですが、工夫しながら少しずつ取り組めば確実に身につきます。
最後に、今日からできることを整理しておきましょう。
今日から始められる小さなステップ
大きな目標を立てる必要はありません。
まずは小さな一歩からで十分です。
- 1日1つ、新しいイディオムをノートに書く
- 例文を声に出して読んでみる
- 覚えたイディオムを友達に話してみる
「小さく始めて、続けること」こそが記憶を定着させる近道です。
毎日の生活にイディオム学習を取り入れるコツ
勉強時間を特別に作らなくても、日常の中でイディオムに触れる工夫ができます。
- 通学・通勤中にフラッシュカードを確認
- SNSや英語アプリでイディオムを探してみる
- 映画やドラマを見たときに出てきた表現をメモする
「生活の一部」として取り入れることで、学習が無理なく習慣になります。
イディオム学習は一気にやろうとせず、少しずつ続けることが大切です。