「世界遺産」は英語で何と言う?説明するための完全攻略ガイド
日本のオススメスポットを外国人に伝えるとき、「世界遺産」を思い浮かべる方は意外と多いかもしれません。
日本各地には魅力的な世界遺産があり、それらを目当てに来日される観光客も多いです。
最近はインバウンドが活発なので、外国の方に道端でふと尋ねられることも…。
そのときにパッと世界遺産の魅力を英語で説明できれば、コミュニケーションがもっと楽しくなること間違いありません!
しかし、英語で話そうとすると「あれ?世界遺産って英語で何て言うんだっけ?」「英語は喋れるけど世界遺産の知識がない…」と動揺してしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では「世界遺産」に関する英語表現を幅広くご紹介していきます。
基本的な英単語から、シチュエーションに応じた魅力的なフレーズまでお伝えするので、ぜひ最後まで一読していただけると嬉しいです。
「世界遺産」の基本的な英語表現
1.World Heritage Site(世界遺産登録地)
「world(世界)」と「heritage(遺産)」と「site(場所)」を組み合わせた熟語です。
「world heritage」だけだと、何か特定の建造物や場所を示すのではなく「過去から譲り受けた貴重な世界の遺産」という概念を表すことになります。
そのため具体的な場所をイメージさせるには「World Heritage Site」まで言い切りましょう!
もちろんどんな特徴の遺産なのかを伝えるために、京都でいえば「清水寺」や「平等院」など遺産の名称を知っておくことも大切です。
2.世界遺産は3種類ある
実は世界遺産には3種類あります。
以下のように区別されているので覚えておきましょう!
世界文化遺産(World Cultural Heritage)
人類の手によって創造された建物や遺跡
世界自然遺産(World Natural Heritage)
地球本来の自然で価値を持つもの
複合遺産(Mixed Cultural and Natural Heritage)
文化遺産と自然遺産の両方の価値を持つもの
3.世界遺産を決定するUNESCO(ユネスコ)について
UNESCOとは国際連合教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)の略称で、世界遺産の候補を審査する機関です。
世界遺産条約を締結した国が自国の自然や文化財を推薦したあと、UNESCOが入念に審議し登録するか否かを決定します。
公式サイト:https://whc.unesco.org/
また、審査する専門機関は以下の通り2つに分かれています。
ICOMOS(International Council on Monuments and Sites)
イコモス(国際記念物遺跡会議)と呼ばれる、「文化遺産」の候補を調査して審査を行う非政府組織です。
公式サイト:https://icomosjapan.org/
IUCN(International Union for Conservation of Nature)
アイユーシーエヌ(国際自然保護連合)と呼び、「自然遺産」に関わる場所の調査・審査を行う非政府組織です。
公式サイト:https://iucn.org/
いずれも正式名称の頭文字をとっており、全て大文字で表記されます。
日本の世界遺産はどう表現する?
文部科学省の文化庁によると、日本の世界遺産は現在、文化遺産が21件、自然遺産が5件です。
合計26件あります。下記に英語表記をまとめたので、それぞれ確認して英語で伝えられるようになりましょう!
(参考:https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/sekai_isan/index.html)
1.日本の世界文化遺産(Japan World Cultural Heritage List)
1.Buddhist Monuments in the Horyu-ji Area
(法隆寺地域の仏教建造物)※「Buddhist(仏教)」
2.Himeji-jo
(姫路城)
3.Historic Monuments of Ancient Kyoto
(古都京都の文化財)
4.Historic Villages of Shirakawa-go and Gokayama
(白川郷・五箇山の合掌造り集落)
※合掌造りは「Gassho-style architecture」と言うことができ、雪国特有の伝統的な建築方法であることを伝えてあげると親切です。
5.Hiroshima Peace Memorial, Genbaku Dome
(原爆ドーム)
6.Itsukushima Shinto Shrine
(厳島神社)
7.Historic Monuments of Ancient Nara
(古都奈良の文化財)
※東大寺や薬師寺など様々な建造物と自然が一体になっています。
8.Shrines and Temples of Nikko
(日光の社寺)
9.Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu
(琉球王国のグスク及び関連遺産群)
※「property(財産)」
10.Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range
(紀伊山地の霊場と参詣道)
※「sacred(神聖な)」
11.Iwami Ginzan Silver Mine and its Cultural Landscape
(石見銀山遺跡とその文化的景観)
※「mine(鉱山)」「landscape(景観)」
12.Hiraizumi- Temples, Gardens and Archaeological Sites Representing the Buddhist Pure land
(平泉 仏国土を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群)
13.Fujisan, sacred place and source of artistic inspiration
(富士山 信仰の対象と芸術の源泉)
※富士山は日本で最も高い山という特徴だけでなく、歴史的に信仰の対象となり、また海外を含め多くの人々にとっての芸術の源になっている点が評価されています。
14.Tomioka Silk Mill and Related Sites
(富岡製糸場と絹産業遺産群)
※「silk(絹」「mill(工場)」
15.Sites of Japan’s Meiji Industrial Revolution: Iron and Steel, Shipbuilding and Coal Mining
(明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業)
※「iron(鉄」「steel(鋼)」「coral(石炭)」
16.The Architectural Work of Le Corbusier, an Outstanding Contribution to the Modern Movement
(ル・コルビュジエの建築作品 近代建築運動への謙虚な貢献(国立西洋美術館))
※「outstanding(傑出した)」「contribution(貢献)」
17.The Sacred Island of Okinoshima and Associated Sites in the Munakata Region
(「神宿る島」宗教・沖ノ島と関連遺産群)
18.Hidden Christian Sites in the Nagasaki Region
(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産)
19.Mozu-Furuichi Kofun Group: Mounded Tombs of Ancient Japan
(百舌鳥・古市古墳群 古代日本の墳墓群)
20.Jomon Prehistoric Sites in Northern Japan
(北海道・北東北の縄文遺跡群)
21.Sado Island Gold Mines
(佐渡島の金山)
2. 日本の世界自然遺産(Japan World Natural Heritage List)
22.Yakushima
(屋久島)
23.Shirakami-Sanchi
(白神山地)
24.Shiretoko
(知床)
25.Ogasawara Islands
(小笠原諸島)
26.Amami-Oshima Island, Tokunoshima Island, Northern part of Okinawa Island, and Iriomote Island
(奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島)
シーン別に使える便利な英語表現
1. ~is a World Heritage Site 「〜は世界遺産です」
例文:
Kinkaku-ji Temple is a World Heritage Site in Japan.
(金閣寺は日本の世界遺産です。)
The Historic Monuments of Ancient Kyoto is a Cultural Heritage Site.
(古都京都の文化財は世界文化遺産です。)
2. Have you ever~?「~したことはありますか」
例文:
Have you ever visited a World Heritage Site?
(世界遺産を訪れたことはありますか?)
Have you ever heard of Yakushima?
(屋久島という名前を聞いたことがありますか?)
3.register, design, recognize「登録する、指定する、認定する」
is registered as(〜として登録されています)
例文:
Shiretoko is registered as a Natural Heritage Site.
(知床は世界自然遺産として登録されています。)
Itsukushima Shrine was officially registered as a World Heritage Site by UNESCO.
(厳島神社はユネスコによって正式に世界遺産として登録されました。)
is designated as(〜として指定されています)
Hiroshima Peace Memorial was designated as a World Heritage Site in 1996.
(広島平和記念碑は1996年に世界遺産に指定されました。)
is recognized as(〜として認定されています)
This area was recognized as a World Heritage Site due to its outstanding universal value.
(この地域は顕著な普遍的価値により世界遺産として認定されました。)
実際に世界遺産を英語で紹介してみよう
外国人観光客に人気の高い世界遺産について、実際に英語で説明してみましょう!
1. 京都の清水寺
Kiyomizu-dera Temple is a World Heritage Site and one of the most famous temples in Kyoto. It is well-known for its wooden stage that juts out from the main hall. The structure was built without using a single nail.
(清水寺は世界遺産で、京都で最も有名な寺院の一つです。本堂から張り出された木造の舞台が有名で、釘を一本も使わずに建てられました。)
2. 富士山
Mt.Fuji was registered as a World Heritage Site in 2013 for its cultural significance. It is the highest mountain and an active volcano in Japan. It has been worshipped as a sacred mountain for centuries.
(富士山は2013年に文化的意義により世界遺産に登録されました。日本最高峰の山であり、活火山です。また何世紀にもわたって神聖な山として崇拝されてきた過去があります。)
3. 厳島神社
Have you ever been to Hiroshima? There is a World Heritage Site called Itsukusihima Shrine. It is famous for its floating torii gate. During high tide, you can see the torii as if it floated on water. Also, it’s considered one of the three most beautiful views in Japan.
(広島を訪れたことはありますか?そこには「厳島神社」と呼ばれる世界遺産があります。海に浮かぶ鳥居で有名で、満潮時には鳥居がまるで水の上に浮いているように見えるのです。また日本三景の一つとされています。)
おわりに
日本の世界遺産に関する英語表現をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
もしかしたら初めて耳にした世界遺産もあったかもしれません。
それぞれの場所を知り、ぜひ会話のきっかけにしていただけると幸いです。
また英語で紹介する際は、例えば動詞(designate, register, recognizeなど)を上手く使いこなして、日本の素晴らしさを発信してみましょう!
会話のレパートリーを増やし、楽しいコミュニケーションに繋がれば幸いです!