「verification」と「validation」の違いを解説!もう悩まない「検証」の英語表現

ソフトウェア開発を行う場面で、たびたび出てくる英単語が「verification」です。
IT業界や外資系企業など、多くのビジネスシーンでは「ベリフィケーション」と表記され、カタカナ語として浸透しつつあります。
「検証、認証」などの意味を持つ単語ですが、同じような意味を持つ「validation(バリデーション)」との違いがわからず、使い分けに悩む方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、「verification」や動詞「verify」の使い方、「validation」の使い方や違いについて、具体例を交えながら解説します。
「verification」は一見すると特定の業界向けの用語に思われがちですが、じつは「認証コード」や「本人確認」といった身近な言葉を英語にする際にも「verification」が使われています。
ビジネスで使われるベリフィケーションの意味を知りたい方はもちろん、「verification」の使い方を知りたい英語学習者の方にも役立つ内容です。
この記事を読んで、ぜひ使いこなせるようになりましょう。
「verification」の意味と使い方
「verification」の意味には「検証、照合、確認、証明」などがあります。
複数の意味がありますが、情報が正しいかどうかを確認するというコアの意味は共通しています。
まずは「verification」がよく使われる言葉の組み合わせ(コロケーション)と例文をとおして、ニュアンスを把握しましょう。
特定の業界で使われる専門用語ではなく、日常的に目にする身近な表現を4つご紹介します。
1. verification code(認証コード)
セキュリティ強化の観点から、ウェブサイトログイン時やパスワード再設定時に認証コードがユーザーに送られてくることが当たり前になってきました。
「認証コード」は英語で「verification code」と表現します。
例文:
Please enter the verification code within 15 minutes.
(15分以内に認証コードを入力してください。)
A verification code has been sent to your registered email address.
(認証コードがご登録のメールアドレスに送信されました。)
2. two-step verification(2段階認証)
「two-step verification(2SV)」は「2段階認証」を指す英語表現です。
似た表現に「2要素認証」がありますが、これは2つの異なる要素を組み合わせて本人確認を行う認証方法です。
パスワードなどの知識情報と指紋などの生体情報を組み合わせて認証を行うのがいい例です。
英語では「two-factor authentication(2FA)」と言います。
「verification」と「authentication」は似ていますが、ニュアンスが微妙に異なります。
「verification」は情報の整合性を確認するのに対して、「authentication」は対象の真正性を確認します。
We should consider implementing two-factor authentication instead of two-step verification.
(2段階認証ではなく2要素認証の導入を検討すべきです。)
3. identity verification(本人確認)
ウェブサイトで新規登録をする際に、必要となってくるのが本人確認ではないでしょうか。
「本人確認」もverificationを使って「identity verification」と表現します。
例文:
Your identity verification failed. Please try again.
(本人確認に失敗しました。もう一度お試しください。)
Identity verification is required to create a new account.
(新規アカウントの作成には本人確認が必要です。)
本人確認の取り方はいくつか種類があるので、代表的な方法の英語表現をおさえておきましょう。
パスポートや運転免許証など「書類による認証」は、英語で「document verification」です。
指紋や声などを使って行う「生体認証」は英語で「biometric verification」または「biometric authentication」と言います。
例文:
Document verification is required to open a new bank account.
(新規銀行口座を開設するには書類による本人確認が必要となります。)
You can use biometric verification to access the system.
(生体認証を使用してシステムにアクセスできます。)
4. account verification(アカウント認証)
SNSなどのウェブ上のアカウントが特定の個人や組織によって運用されていることを証明する「アカウント認証」は英語で「account verification」と言います。
Account verification helps protect against unauthorized access by third parties.
(アカウント認証は第三者による不正アクセスを防ぎます。)
動詞「verify」の意味と使い方
「verification」と関連の深い英単語として、動詞「verify」の使い方を確認しておきましょう。
「verify」には「検証する、確かめる、証明する、認証する」といった意味があります。
語源はラテン語の「真実を立証する」という言葉に由来します。
We need to verify your identity before opening your account.
(アカウント開設前に本人確認が必要となります。)
「validation」の意味と使い方
「verification」と混同しやすい英単語に「validation」があります。
「validation」にも「検証、証明、妥当性確認」といった似た意味があるため、どう使い分けたらいいか迷う方も少なくありません。
そこでまずは「validation」を使った2つの英語表現をとおして、そのニュアンスの違いを見ていきましょう。
1. validation error(バリデーションエラー、検証エラー)
「validation error」とは、入力された値が要件を満たしていないことで起きるエラーのことです。
日本語では、「検証エラー」と呼ばれることもあります。
web制作やIT分野で使われることの多い表現ですが、パソコンやスマートフォンを活用する現代人にとっても身近な表現です。
例えば、個人情報を入力する画面で必須項目を未入力にしてしまったり、パスワードを設定する際に提示された要件(8文字以上・英数字含む)を満たしていなかったりする場合に起きるエラーです。
Validation error: Your password must be at least eight characters long with at least one special character.
(検証エラー:パスワードは8文字以上で、少なくとも特殊文字を1文字以上含める必要があります。)
2. parking validation(パーキングバリデーション)
「parking validation」とは、店舗や施設を利用した時に一定の要件を満たした人を対象として駐車料金が無料または割引になるサービスのことです。
例えば、大型ショッピングモールで映画を鑑賞すると駐車料金の割引が受けられることがありますが、それがパーキングバリデーションに当てはまります。
Parking validation is available when you dine at one of our restaurants.
(当施設内のレストランでお食事されたお客様には、駐車場の割引サービスをご利用いただけます。)
「verification」と「validation」の違いと使い分け
「verification」と「validation」の違いを簡単にまとめると、「verification」は「正確性の検証」、「validation」は「妥当性の検証」を行う点で違いがあります。
例として、英検対策用の英語学習アプリを開発するケースを想定してみましょう。
「verification」の段階では、アプリが設計どおり正常に動作するかどうかを検証します。
具体的な例をひとつ挙げると、4択の問題で選択肢を選んだ時に、答えや解説が正しく表示されるか確認する作業が該当します。
一方で「validation」の段階では、ユーザーの目的やニーズを満たしているかを検証します。
例えば、英検の合格率向上に貢献しているかといった妥当性を確認します。
ソフトウェア開発では「verification」と「validation」をセットで行うことが多いため、略して「V&V」と呼ばれることもあります。
まとめ
「verification」には、情報やデータなどが正しいかを確認するニュアンスがあります。
「validation」には、必要な要件を満たしているかといった妥当性を確認するニュアンスがあります。
どちらも「検証」を表す英単語ですが、両者にははっきりとした違いがあります。
「verification」も「validation」も、ビジネスシーンはもちろん、パソコンやスマートフォンを使う現代人に身近な英語表現です。
それぞれの意味を正しく理解して、ビジネスでもプライベートでも積極的に使ってみましょう。
















