【英熟語:句動詞】特徴と覚え方のコツを徹底的に解説します!
「英単語はある程度覚えたけれど、熟語がなかなか覚えられない」
「効率よくイディオムを覚える方法が知りたい」
このような悩みを抱えている英語学習者は多いのではないでしょうか?
この世にある英単語の数は100万語以上だと言われています。この膨大な量を目の前にすると、どうしても熟語を覚える気がなくなってしまいますよね…。
しかし、英熟語は日常会話だけでなくビジネスシーンや英語論文など、あらゆるところで登場します。
そのため熟語を知っておくことは、滞りのないコミュニケーションをするうえで非常に重要なのです。
そこでこの記事では、英熟語のなかでも、とりわけ「句動詞(群動詞)」に焦点を当て、その特徴と効果的な覚え方を解説していきます。
効率的な方法で暗記することで苦手意識がなくなり、あなたの英語スキルに磨きがかかることでしょう。
英熟語と句動詞の違いについて
1. 英熟語とは
2つ以上の英単語を組み合わせて、1つの慣用的な意味をなしている表現です。
例えば「a lot of(たくさんの〜)」や「take part in(参加する)」「a win-win situation(お互いにとって利益がある状況)」などが挙げられます。
明確な定義はなく、2語以上の単語を使った慣用的な言い回しであれば英熟語ということができます。
また英熟語は「イディオム(idioms)」と言われることもあります。
2.句動詞(群動詞)とは
句動詞とは、2語以上の英単語を使って1つの意味をなす動詞です。
英熟語は幅広い概念ですが、句動詞はあくまで動詞。
具体的には、動詞に「副詞・前置詞・名詞」などが付いて1つのまとまりとなっているものです。
例えば「look after(世話をする)」や「look for(~を探す)」などが挙げられます。
今回は英熟語のなかでも「句動詞」について、暗記をすることのメリットや覚え方をご紹介していきたいと思います。
句動詞を暗記しておくメリットとは?
1.意味が伝わりやすい
句動詞の特徴は、難解な英単語ではなく中学校で習うような簡単な英単語で構成されているものがほとんど。
そのため聞き取りやすいことに加え、話すときも発音方法を気にせずに、パッと相手に発信することができるのです!
2.意味を推測しやすい
句動詞はそれぞれ独自の意味を持っていますが、その意味は構成している「動詞・副詞・前置詞・名詞」が持つ本来の意味がベースになっています。
そのため初見だとしても意味を推測できるものが多いです。
3. 社会のトレンドを知ることができる
日本語に限らず、英語も日々変化しています。そして社会の変化や流行に合わせて新しい表現も生まれてきます。
例えば「log in(ログインする)」や「log out(ログアウトする)」は近年使われるようになったもの。
どのような句動詞が流行っているか知ることは、社会の動きを知ることでもあるのです!
3. 句動詞を覚える前に大切なこと
句動詞は前置詞や副詞と結びついて一つのまとまりになることが多いです。
そのため、前置詞と副詞のイメージをしっかりと理解しておくことが重要。
それぞれがどのような働きをするのかを知ると、初めて見る句動詞でも意味を推測することができます。
以下に核心的イメージを表にまとめたので、まずはここから覚えましょう!
out |
外へ |
off |
離れて・外れて |
up |
上へ |
for |
〜に向かって |
into |
〜の中へ |
after |
〜の後ろに |
to |
〜へ |
down |
下へ |
on |
〜の上に・接触 |
forward |
前方に向かって |
in |
〜の中に |
by |
〜のそばに |
句動詞のパターンを解説【厳選フレーズ一覧】
句動詞は基本となる動詞に「副詞・前置詞・名詞」が組み合わさってできあがっています。
それぞれ組み合わせの傾向があるため、以下にまとめました。
合わせてネイティブがよく使うフレーズを厳選したので、ぜひ覚えてみてください。
1. 「動詞+副詞」で自動詞の働きをするもの
break down |
故障する |
come about |
起こる |
come out |
現れる |
go out |
出かける |
pass away |
亡くなる |
set out |
出発する |
例文:
My new novel is going to come out next month. The title is Oxymoron.
(私の新しい小説は、来月出版されます。タイトルは「オクシモロン」です。)
Ozzy Osbourne passed away on July 22nd, 2025.
(オジー・オズボーンは2025年7月22日に亡くなりました。)
2. 「動詞+副詞」で他動詞の働きをするもの
bring about |
〜を引き起こす |
bring up |
〜を育てる |
carry on |
〜を続ける |
fill in (out) |
〜を記入する |
give up |
〜を諦める |
look up |
〜を選び出す |
put away |
〜を片付ける |
put off |
〜を延期する |
put on |
〜を身につける |
try on |
〜を試着する |
例文:
She looked up the word, brain rot in the dictionary.
(彼女は辞書で「脳の腐敗」という言葉を調べました。)
I put off going to the dentist.
(私は歯医者に行くのを先延ばしにしました。)
3. 「動詞+前置詞」で他動詞の働きをするもの
account for |
〜の説明をする |
ask for |
〜を求める |
call for |
〜を必要とする |
care for |
〜の世話をする |
come by |
〜を手に入れる |
do without |
〜なしで済ます |
look for |
〜を探す |
look into |
〜を調査する |
例文:
Mom is looking for her iPhone.
(ママがアイフォンを探しています。)
He is looking into the murder case.
(彼はその殺人事件を調査している。)
My boss is looking after his son.
(上司が息子の世話をしているところです。)
4. 「動詞+副詞+前置詞」で他動詞の働きをするもの
catch up with |
〜に追いつく |
come up with |
〜を思いつく |
do away with |
〜を廃止する |
get along with |
〜と仲良くやっていく |
look forward to |
〜を楽しみにする |
put up with |
〜を我慢する |
I’m looking forward to seeing you.
(あなたにお会いできることを楽しみにしています。)
5. 「動詞+名詞+前置詞」で他動詞の働きをするもの
make fun of |
〜をからかう |
make sense of |
〜を理解する |
make use of |
〜を利用する |
pay attention to |
〜に注意を払う |
take advantage of |
〜を活用する |
take care of |
〜の世話をする |
take part in |
〜に参加する |
take notice of |
〜に注意を払う |
例文:
He took part in the meeting.
(彼はその会議に参加しました。)
I’ll take care of the dog today.
(今日は私がワンちゃんの世話をします。)
オススメの単語アプリ3選
1.ターゲットの友
旺文社が配信する「英単語ターゲット」シリーズの公式アプリ。
最近は教育現場でも使われており、幅広い英熟語を覚えることができます。
音声も対応しているためオススメ!
>>https://www.obunsha.co.jp/pr/tg30/
2. Duolingo-英語
ゲーム感覚で英単語・英熟語を覚えられるアプリです。
まるでクエストを攻略していくような感覚で学ぶことができます。
3. mikan
こちらもゲーム感覚でイディオムを覚えられるアプリです!
課金をすると自分だけの単語帳を無制限で作っていくことができます。
覚えるときの注意点
1. 意味と発音(読み方)を確認すること
アプリでは綴りを確認するだけでなく、音声を聞くこともできます。
文字と音を合致させることで記憶に定着しやすくなるのです!
2. 声に出すこと(アウトプット)
実際に発声することで、英会話で使える表現として蓄積されていきます。
3. 例文を活用する
なかなか覚えられない熟語に関しては、例文を参照してください。
フレーズが使われている場面を思い浮かべながら発声することで記憶に残りやすくなります。
これをエピソード記憶と言います。
それぞれ、まとまった時間を使う必要はないので、バスの待ち時間や仕事の休憩時間など、日常のスキマ時間を上手く活用して暗記チャレンジをしてください!
7. おわりに
英熟語の習得は簡単な道のりではありません。
日々のちょっとした時間を活かしながら少しずつ覚えていきましょう!
特に句動詞に関しては、前置詞のイメージを掴んだうえで、それぞれ構成のパターンを理解することで覚えやすくなります。