英語の慣用表現とは?意味・使い方・覚え方まで例文つきで解説!
英語学習をしていると、「単語の意味はわかるのに、文章全体の意味がつかめない…」と感じることはありませんか?
たとえば、「It’s raining cats and dogs.」。この表現を見て「猫と犬が降ってくるの?」と戸惑った方も多いでしょう。
実はこれは「土砂降りの雨が降っている」という意味の「慣用表現(idiom)」です。
慣用表現とは、単語を直訳しても意味が伝わらない、英語独特の言い回しのことを指します。
ネイティブの日常会話や映画、ビジネスメール、さらには英語試験にも頻出する重要表現です。
本記事では「英語の慣用表現」について、以下のポイントに沿って、例文とともにわかりやすく解説します。
- 慣用表現の意味と特徴
- 日常・ビジネス・恋愛・ユニークな表現など、シーン別の使い方
- 中学〜大学受験で押さえたい定番表現
- SNS映えするおしゃれな表現
「覚えにくい」と感じやすい慣用表現ですが、コツをつかめば自然に口をついて出るようになります。
英語の表現力を高めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
英語の慣用表現とは?
英語学習を進めていると、直訳では意味がつかめない表現にしばしば出会います。
たとえば、以下の表現のようなものがあります。
- spill the beans(秘密を漏らす)
→「豆をこぼす」ではなく、「うっかり情報を漏らす」という意味 - hit the books(猛勉強する)
→「本を叩く」ではなく、「本格的に勉強する」 - under the weather(体調が悪い)
→「天気の下にいる」ではなく、「風邪気味・具合が悪い」
こうした表現は、文化や歴史、習慣に根ざしており、背景を知ることで理解が深まります。
熟語との違いは?
混同しがちな「熟語(phrasal verb)」や「コロケーション(collocation)」と慣用表現の違いも押さえておきましょう。
熟語(phrasal verb):動詞+前置詞などのセットで意味が決まる表現
look after(世話をする)
get over(克服する)
コロケーション(collocation):よく一緒に使われる語の自然な組み合わせ
make a decision(決断を下す)
これらは、比較的単語の意味から推測しやすく、文法とセットで理解しやすいのが特徴です。
英語の基本慣用表現|シーン別
ここでは、日常会話からユニークな表現まで、用途別に使える様々な慣用表現をご紹介します。
日常会話でよく使う表現
a piece of cake:とても簡単なこと
The test was a piece of cake.
(テストはとても簡単でした。)
burn the midnight oil:夜遅くまで勉強・仕事をする
I have to burn the midnight oil tonight.
(今夜は遅くまで勉強しなくてはいけません。)
feel off:なんだか調子が悪い
I’m feeling a bit off today.
(今日はなんだか調子が悪いです。)
cost an arm and a leg:法外に高い
That bag costs an arm and a leg.
(あのバッグはとても高いです。)
ビジネスで役立つ表現
get the ball rolling:物事を始める
Let’s get the ball rolling on this project.
(このプロジェクトを始めましょう。)
in the loop:情報共有されている状態
Keep me in the loop about the meeting.
(会議の情報を共有してください。)
back to square one:振り出しに戻る
The proposal was rejected, so we’re back to square one.
(提案が却下されたので振り出しに戻りました。)
touch base:軽く連絡を取る
Let’s touch base next week to review the progress.
(来週進捗を確認しましょう。)
恋愛などで使える「おしゃれ」な表現
love at first sight:一目惚れ
It was love at first sight.
(一目で恋に落ちました。)
break the ice:緊張をほぐす
I told a joke to break the ice.
(冗談を言って場を和ませました。)
be on cloud nine:とても幸せ
She was on cloud nine after the proposal.
(プロポーズされてとても幸せでした。)
have butterflies in one’s stomach:緊張している
I had butterflies in my stomach on our first date.
(初デートの時は緊張していました。)
直訳できないユニークな表現
when pigs fly:あり得ないこと
He’ll clean his room when pigs fly.
(彼が部屋を片付けるなんてあり得ません。)
cry over spilt milk:過去を悔やむ
Don’t cry over spilt milk.
(過ぎたことを悔やんでも仕方ありません。)
break the bank:予算を超える
Buying a new car would break the bank right now.
(今、新車を買うのは予算を超えてしまいます。)
英語試験で覚えるべき慣用表現|中学・高校・大学受験対策
英語の試験では、文法・語彙力だけでなく、慣用表現の理解や正確な使い方も問われます。
特に長文読解や英作文では、こうした表現が登場することで文全体のニュアンスが変わることもあります。
ここでは、中学・高校・大学受験それぞれのレベルで押さえておきたい慣用表現を、例文とともに解説します。
中学英語で覚えておきたい慣用表現
中学校で習う英語表現には、日常生活に根ざした基本的な慣用表現が多く含まれます。
表現 |
意味 |
例文 |
take care of ~ |
〜の世話をする |
I take care of my little brother. |
look forward to ~ |
〜を楽しみにする |
I’m looking forward to the trip. |
be good at ~ |
〜が得意 |
She is good at math. |
get up |
起きる |
I get up at 6:30 every morning. |
高校英語で頻出の慣用表現
高校レベルになると、比較表現・仮定法・助動詞などを含む表現が増え、やや文法的に複雑になります。
表現 |
意味 |
例文 |
as ~ as A can |
Aができる限り〜 |
I ran as fast as I could. |
If I were you, ~ |
もし私があなただったら(仮定法) |
If I were you, I would talk to her. |
be supposed to ~ |
〜することになっている |
You are supposed to be here by 9. |
would rather ~ than ~ |
〜よりむしろ〜したい |
I’d rather stay home than go out tonight. |
大学受験・共通テストで狙われる慣用表現
大学入試では、複数語からなる表現が長文や会話文にさりげなく登場します。
表現 |
意味 |
例文 |
make the most of ~ |
〜を最大限に活用する |
Make the most of your free time. |
a number of ~ |
たくさんの〜 |
A number of students passed the exam. |
have something to do with ~ |
〜と関係がある |
This has something to do with the problem. |
no longer ~ |
もはや〜でない |
He no longer lives here. |
英語の応用慣用表現|SNSで映えるフレーズ
慣用表現を使えるようになると「英語ができる人」という印象を与えます。
ここでは、SNSや恋愛表現で使える「映える」フレーズをカテゴリ別に紹介します。
恋愛で使いたい英語の慣用表現
head over heels(夢中になる)
He’s head over heels in love with her.
(彼は彼女に夢中です。)
tie the knot(結婚する)
They’re planning to tie the knot this fall.
(今秋に結婚する予定です。)
SNSで映えるスラング風な表現
you rock!(君、最高!)
Thanks for your help—you rock!
(助けてくれてありがとう、君最高!)
on fire(絶好調)
She’s on fire today!
(今日は彼女、絶好調だね!)
映画・ドラマに出てくる人気のフレーズ
break a leg(幸運を祈る=舞台などで)
Break a leg tonight!
(今夜、がんばってね!)
the ball is in your court(次はあなたの番)
I’ve made my offer, now the ball is in your court.
(提案はしたから、あとは君次第。)
まとめ|慣用表現を知れば、英語がもっと自然に・魅力的に
英語の慣用表現は、直訳では意味がつかめないものが多いからこそ、覚えることで「英語らしい表現力」が一気に身につきます。
ジャンルや場面ごとに少しずつ使いこなしていけば、教科書的な英語から一歩進んだ“生きた英語”が身につきます。
まずは、この記事で紹介した表現をひとつでも実際の会話や英作文で使ってみましょう。
「知っている」から「使いこなせる」へ。
慣用表現は、あなたの英語を自然で魅力的に変えてくれる力強いツールになることでしょう。