英語の代名詞とは?5つの格と人称別の使い方を徹底解説
「英語の代名詞がよく分からない」「he、him、hisの使い分けが難しい」と感じる方は少なくありません。
英語の代名詞は名詞の代わりに使われる重要な品詞で、適切に使えば自然な会話や文章が可能になります。
この記事では代名詞の基本から人称代名詞の5つの格、一人称・二人称・三人称の違いまで例文付きで解説します。
ぜひ最後までお読みください。
【英語】代名詞とは?基本の定義と役割
英語の代名詞とは、名詞の代わりに使われる言葉で、あらゆる英文に頻出します。
代名詞を正しく使えば文章が自然になり、スムーズなコミュニケーションが可能です。
このセクションでは、代名詞の基本的な定義と種類、日本語との違いについて見ていきます。
英語の代名詞とは?
代名詞とは、名詞の代わりに使われる単語のことです。
文章の中で同じ名詞を何度も繰り返すと、くどい表現になり読みづらくなります。
代名詞を使うことで文章が簡潔になり、自然な表現ができます。
例えば、次の2つの英文を比べてみましょう。
×:Tom is my friend. Tom plays soccer every weekend.
○:Tom is my friend. He plays soccer every weekend.
後者の文では、「Tom」の代わりに「He(彼)」という代名詞を使うことで、文章がスムーズになっています。
英語の代名詞の種類
英語の代名詞には主に5つの種類があります。
- 人称代名詞:I, you, he, she, it, we, they など(人や物を指す)
- 指示代名詞:this, that, these, those など(特定のものを指し示す)
- 不定代名詞:someone, anybody, nothing など(不特定の人や物を指す)
- 疑問代名詞:who, what, which など(質問をするときに使う)
- 関係代名詞:who, which, that など(文と文をつなげる役割)
この中でも特に 人称代名詞は日常会話で頻繁に使われるため、しっかり理解しておくことが重要です。
日本語と英語の代名詞の違い
日本語と英語の代名詞には2つの大きな違いがあります。
1つ目は、使用頻度です。
日本語では「今日は忙しい」のように主語をよく省略しますが、英語では 「I am busy today.」 と代名詞を含む主語を必ず使います。
英語では主語がないと文として成立しません。
2つ目は、形の変化です。
日本語では「私は、私の、私を」と助詞で役割を表しますが、英語では 「I, my, me」 と代名詞自体が形を変えます。
この変化は「格変化」と呼ばれ、英語学習者がつまずきやすいポイントです。
I read a book. My book. He saw me.
(私は本を読む。私の本。彼が私を見た。)
代名詞を覚えるうえで、これらの違いを理解しておくことが重要です。
英語の人称代名詞を詳しく解説!5つの格の使い方と例文
英語の代名詞は、文中での役割(格)によって形が変わります。
- 主格:文の主語として使われる
- 所有格:「~の」という意味を持ち、名詞を修飾する
- 目的格:動詞や前置詞の目的語として使われる
- 所有代名詞:「〜のもの」を表す名詞的な役割をする
- 再帰代名詞:「〜自身」を表す
以下の表は英語の代名詞の格による変化をまとめたものです。
次の見出しで詳しく説明する「人称」も含めて整理しています。
区分 |
主格 |
所有格 |
目的格 |
所有代名詞 |
再帰代名詞 |
一人称単数 |
I |
my |
me |
mine |
myself |
一人称複数 |
we |
our |
us |
ours |
ourselves |
二人称 |
you |
your |
you |
yours |
yourself |
三人称単数(男性) |
he |
his |
him |
his |
himself |
三人称単数(女性) |
she |
her |
her |
hers |
herself |
三人称単数(中性) |
it |
its |
it |
– |
itself |
三人称複数 |
they |
their |
them |
theirs |
themselves |
それでは、それぞれの格について詳しく見ていきましょう。
主格(I, he, she など)
主格の代名詞は、文の主語として使われる人称代名詞です。
例文:
I study English every day.
(私は毎日英語を勉強します。)
He lives in Tokyo.
(彼は東京に住んでいます。)
所有格(my, his, her など)
所有格の代名詞は、「〜の」という意味を持ち、名詞の前に置いて所有関係を示します。
例文:
I like her music.
(私は彼女の音楽が好きです。)
Their house is very big.
(彼らの家はとても大きいです。)
目的格(me, him, her など)
目的格の代名詞は、動詞や前置詞の目的語として使われる形です。
動詞や前置詞の後に置かれます。
例文:
She called me yesterday.
(彼女は昨日私に電話しました。)
Please give it to him.
(それを彼に渡してください。)
所有代名詞(mine, his, hers など)
所有代名詞は、「〜のもの」という意味を持ち、名詞的な役割をします。
所有格と異なり、単独で使用します。
例文:
That car is hers.
(あの車は彼女のものです。)
The responsibility is yours.
(その責任はあなたのものです。)
再帰代名詞(myself, himself, herself など)
再帰代名詞は、「~自身」という意味を持ち、主語と目的語が同じときに使われます。
また、強調のためにも使われます。
例文:
I hurt myself.
(私は自分を傷つけました。)
I myself don’t believe it.
(私自身はそれを信じません。)
英語の代名詞における人称の違い
英語の代名詞は「人称」によって使い分けられます。
- 一人称:話し手自身(I, we)
- 二人称:聞き手(you)
- 三人称:話し手と聞き手以外(he, she, it, they)
状況に応じて適切な人称代名詞を選ぶことが、自然な英語表現の基本です。
一人称(I, we など)
一人称は、話し手自身を表します。
単数形と複数形があり、文中での役割によって形が変わります。
【単数形】
話し手1人を指す場合には「I(私)」を使います。
主格「I」
I am studying English.
(私は英語を勉強しています。)
所有格「my」
My car is in the garage.
(私の車はガレージにあります。)
目的格「me」
She gave me a present.
(彼女は私にプレゼントをくれました。)
所有代名詞「mine」
That book is mine.
(あの本は私のものです。)
再帰代名詞「myself」
I made this cake myself.
(私は自分でこのケーキを作りました。)
【複数形】
話し手を含む複数の人を指す場合には「we(私たち)」を使います。
主格「we」
We are going to the beach tomorrow.
(私たちは明日浜辺に行きます。)
所有格「our」
Our team won the game.
(私たちのチームは試合に勝ちました。)
目的格「us」
The teacher told us a story.
(先生は私たちに物語を話してくれました。)
所有代名詞「ours」
This house is ours.
(この家は私たちのものです。)
再帰代名詞「ourselves」
We enjoyed ourselves at the party.
(私たちはパーティーで楽しみました。)
二人称(you)
二人称は、聞き手を指します。
英語では単数と複数の区別がなく、どちらも「You」を使います。
主格「you」
You look tired.
(あなたは疲れているように見えます。)
所有格「your」
Where is your passport?
(あなたのパスポートはどこですか)
目的格「you」
I saw you at the store.
(店であなたを見かけました。)
所有代名詞「yours」
Is this pen yours?
(このペンはあなたのものですか?)
再帰代名詞は単数と複数で形が異なります。
単数「yourself」
You should take care of yourself.
(あなたは自分自身を大切にすべきです。)
複数「yourselves」
Make yourselves at home.
(どうぞくつろいでください。)
日本語では「あなた」「君」「お前」など関係性によって言葉が変わりますが、英語では全て「you」で表します。
複数を明確にしたい場合は「you all」「you guys」などの表現を加えることがあります。
三人称(he, she, it, they など)
三人称は、話し手と聞き手以外の人やものを指します。
【人間(男性・女性)】
男性には「he」、女性には「she」を使い、どちらも文中での役割によって形が変化します。
主格「he/she」
He works hard.
(彼は一生懸命働きます。)
所有格「his/her」
Her dress is beautiful.
(彼女のドレスは美しいです。)
目的格「him/her」
I met him yesterday.
(私は昨日彼に会いました。)
所有代名詞「his/hers」
The red umbrella is hers.
(赤い傘は彼女のものです。)
再帰代名詞「himself/herself」
She made the costume herself.
(彼女は自分でその衣装を作りました。)
【物・動物】
物や動物には「it」を使います。
主格「it」
It is sunny today.
(今日は晴れています。)
所有格「its」
The dog wagged its tail.
(その犬はしっぽを振りました。)
目的格「it」
I bought it last week.
(私はそれを先週買いました。)
再帰代名詞「itself」
The machine turns itself off automatically.
(その機械は自動的に電源が切れます。)
【複数】
複数の人やものには「they」を使います。
主格「they」
They live in Tokyo.
(彼らは東京に住んでいます。)
所有格「their」
Their garden is beautiful.
(彼らの庭は美しいです。)
目的格「them」
I invited them.
(私は彼らを招待しました。)
所有代名詞「theirs」
The blue car is theirs.
(青い車は彼らのものです。)
再帰代名詞「themselves」
The children enjoyed themselves at the zoo.
(子どもたちは動物園で楽しみました。)
「They」 は、複数の人や物を指すだけでなく、性別を問わない単数代名詞としても使われることがあります。
まとめ
英語の代名詞は文章をスムーズにし、自然な会話を作る重要な要素です。
一人称(I, we)、二人称(you)、三人称(he, she, it, they)の使い分けをマスターし、それぞれの格(主格・所有格・目的格・所有代名詞)の変化パターンを覚えましょう。
これらを正しく使いこなせるようになると、英語での表現がより自然になり、会話力が向上します。
日常会話で積極的に代名詞を使う練習をしてみましょう。