英語で「ご担当者様」はどう書く?ビジネス・就活・ホテル対応の例文つきガイド
ビジネスメールや履歴書の送付、ホテルへの問い合わせなど、相手の名前がわからないときに日本語でよく使われる「ご担当者様」。
しかし、英語にはこれにぴったり一致する表現がないため、文脈に応じて言い回しを使い分ける必要があります。
たとえば、「To Whom It May Concern」や「Dear Sir or Madam」といったフォーマルな宛名表現がある一方で、「Dear Hiring Manager」や「Dear Customer Support Team」など、より具体的な表現が好まれる場合もあります。
また、相手の名前がわかる場合は「Dear Mr. Tanaka」のように、敬称と姓を組み合わせるのが基本です。
この記事では、ビジネス・就職・ホテル予約・郵送・電話対応など、さまざまな場面に応じた「ご担当者様」の英語表現と例文をわかりやすく紹介します。
英語メールのマナーとして役立つ一文や、外資系企業での注意点も網羅しているので、英語での丁寧なコミュニケーションを身につけたい方は必見です。
基本の宛名表現:担当者の名前がわからない場合
相手の名前がわからないときは、以下のような表現が一般的に使われます。
To Whom It May Concern
「関係各位」に相当する最もフォーマルな表現で、宛先がまったく不明なときに使います。
やや堅い印象を与えますが、公的機関や大企業宛の文書には適しています。
Dear Sir or Madam
相手が男性か女性かわからないときに使用する丁寧な表現。
ビジネス文書でよく使われていますが、やや古めの印象があり、現代では使用頻度が下がっています。
Dear [Department] Team
部署名がわかるときに便利な表現で、「Dear Customer Support Team」 や 「Dear Accounting Team」 のように記述します。
相手に直接的に届きやすい表現です。
Dear Hiring Manager
「採用ご担当者様」にあたる表現で、転職・就職活動の英文メールでは定番です。
担当者の名前がわかるときの英語宛名・敬称の正しい書き方
宛先の名前がわかっている場合は、「Dear + 敬称 + 姓」が基本です。
「Dear」だけでは宛名として不完全なので、必ず名前を添えましょう。
- Dear Mr. Tanaka(田中様)
- Dear Ms. Smith(スミス様)
さらに丁寧な印象を与えたいときは、氏名に加えて役職を記載するのもおすすめです。
- Mr. Taro Yamada, Section Manager(山田太郎様〈課長〉)
- Ms. Emily Johnson, Marketing Director(エミリー・ジョンソン様〈マーケティング部長〉)
「ご担当者様」は英語でどう書く?メールで使える例文を場面別に紹介
相手の名前や役職がわからない場合でも、英語には用途やシーンに応じた丁寧な表現があります。
ここでは、場面別にメールでよく使う具体的な宛名表現とその例文をご紹介します。
1. ビジネスメール
例文:
To Whom It May Concern, I am writing to inquire about your services.
(関係者各位 御社のサービスについてお伺いしたく、ご連絡差し上げております。)
Dear Customer Support Team, Could you please assist me with the issue regarding my last order?
(カスタマーサポートチーム御中 前回の注文に関する問題についてご対応いただけますでしょうか。)
2. ホテル予約・旅行関連
例文:
Dear Reservations Team, I would like to confirm my booking from July 15 to 17 under the name QQ.
(予約担当チーム御中 7月15日から17日まで、QQの名前で予約した内容の確認をお願いしたく存じます。)
To Whom It May Concern, I have a question regarding your airport shuttle service.
(関係者各位 貴社の空港シャトルサービスについて質問があります。)
3. 採用担当者への就職・転職メール
例文:
Dear Hiring Manager, Please find attached my resume and cover letter for your consideration.
(採用ご担当者様 ご査収のほど、履歴書とカバーレターを添付しておりますので、ご確認ください。)
Dear Recruitment Team, I am writing to express my interest in the open position at your company.
(採用チーム御中 貴社の求人に興味があり、応募の意思をお伝えいたします。)
4. 宛先が間違っていたときに使える例文
誤ってメールが届いてしまったとき、以下の文章を添えると丁寧さが増し、予期しない宛先ミスにも柔軟に対応できます。
例文:
If this message has reached you by mistake, please kindly forward it to the appropriate person or department.
(このメールが誤って届いている場合は、適切なご担当者または部署へご転送いただけますと幸いです。)
If you are not the right person, I would appreciate it if you could redirect this email accordingly.
(本メールの本来の宛先でない場合は、然るべき方にご転送いただけますと幸いです。)
電話・郵送で使える「ご担当者様」の英語表現と使い方
メールだけでなく、電話や郵送でのやり取りでも「ご担当者様」という表現はよく使われます。
ここでも状況に応じた言い回しを使う必要があります。
1. 電話での「ご担当者様」
電話対応で「ご担当者様はいらっしゃいますか?」というときの英語表現は、丁寧かつ自然に以下のように言います。
例文:
May I speak with the person in charge?
(担当の方とお話できますか?)
Could you connect me with someone responsible for [topic]?
(〜のご担当の方につないでいただけますか?)
Is there someone I could speak with about [topic]?
(〜についてお話できる方はいらっしゃいますか?)
2. 郵送での「ご担当者様」「御中」
就職活動で履歴書を郵送するなど、企業や部署宛に文書を送る場合、日本語では「御中」という敬称を使います。
しかし、英語には「御中」にあたる直接的な表現は存在しません。
その代わりに、ビジネス文書では「Attn:(Attention)」を使って、相手の注意を引く形で表現します。
以下に、よく使われるシーン別の日本語表現と、それに対応する英語表現をまとめました。
シーン |
日本語 |
英語表現 |
郵送(会社宛) |
○○株式会社 御中 |
Attn: ABC Corporation |
郵送(部署宛) |
○○部 御中 |
Attn: HR Department |
手紙(宛名不明) |
ご担当者様 |
To Whom It May Concern |
手紙(部署宛) |
○○部ご担当者様 |
Dear ○○ Team |
採用宛 |
採用ご担当者様 |
Dear Hiring Manager |
まとめ:「ご担当者様」の英語表現と宛名マナーのポイント
英語には日本語の「ご担当者様」に完全に一致する表現はありませんが、シーンや目的に応じて適切な言い回しを選ぶことで、丁寧で自然な印象を与えることができます。
相手の名前がわからない場合は、「To Whom It May Concern」や「Dear Sir or Madam」といったフォーマルな表現が使われますが、やや古めに感じられる場合もあるため、可能であれば「Dear [部署名] Team」や「Dear Hiring Manager」のような具体的な宛名を使うのが望ましいでしょう。
また、相手の名前がわかる場合は、「Dear Mr. Tanaka」や「Dear Ms. Smith」のように敬称+姓を使い、必要に応じて役職を添えることで、より丁寧な印象を与えることができます。
さらに、誤送信の可能性に備えて、
「If this message has reached you by mistake, please kindly forward it to the appropriate person or department.」
(もしこのメッセージが誤って届いてしまった場合は、恐れ入りますが、適切な担当者または部署へ転送していただけますようお願いいたします。)
といった一文を添えると、配慮ある印象を持たれやすくなります。
電話対応や郵送時にも、英語表現を適切に使い分けることで、国際的なビジネスマナーにかなったやり取りが可能になります。
特に海外就職や外資系企業への応募では、宛名や言い回しへの配慮が第一印象や信頼感の構築にも大きく影響します。
ぜひ本記事を参考に、目的に合った英語表現を選び、洗練されたビジネスコミュニケーションを実践してみてください。