「着陸する」は英語で何と言う?飛行機が着陸する時の機内アナウンスも解説
飛行機が着陸する時、英語ではどう表現するのかご存じですか?
空港や機内アナウンスで使われているはずの表現ですが、英単語や表現を知らないと聞き取れない要因のひとつになります。
そこでこの記事では、「着陸する」の英語表現と着陸時に流れる英語の機内アナウンスを取り上げ、フレーズや文法を解説します。
飛行機を利用する際に役立つだけでなく、英語の試験にプラスになる表現を扱います。
この記事を読んで身近な表現から英語力を高めましょう。
「着陸する」の英語表現
「着陸する」の英語表現には、2つの言い回しがあります。
「land」と「touch down」です。
また「land」に似た表現には「arrive」があります。
これら3つの表現を取り上げながら、それぞれのニュアンスの違いを見ていきましょう。
land(自動詞・他動詞)の意味
飛行機が着陸する時に使う代表的な表現が「land」です。
機体が降下を始め、地面に着くまでの動作を表しています。
「land」には「土地」を意味する名詞としての働きと、「着陸する、着陸させる」を意味する動詞としての働きがあります。
動詞として使う場合は、さらに目的語を必要としない自動詞と目的語が必要な他動詞の両方の使い方があります。
例文:
The plane will land at 8:00 a.m. local time.
(飛行機は現地時間の午前8時に到着予定です。)
The pilot landed the plane at Narita Airport.
(パイロットは飛行機を成田空港に着陸させました。)
前述したとおり「land」の名詞の意味は「土地」なので、「着陸」を表現したい場合は「landing」を使います。
「不時着陸、胴体着陸」は英語で「crash landing」、「緊急着陸」は英語で「emergency landing」と言います。
例文:
Authorities are investigating the cause of the crash landing.
(当局は不時着陸の原因を調査しています。)
A private jet made an emergency landing because of an engine failure.
(プライベートジェットがエンジンの故障のため緊急着陸しました。)
なお「着陸する」の対義語である「離陸する」は英語で「take off」と言います。
The plane took off on time despite bad weather.
(悪天候にもかかわらず飛行機は定刻通りに離陸しました。)
touch down(自動詞)意味
「タッチダウン」と聞くとラグビーやアメフトの用語をイメージする方がいるかもしれませんが、「touch down」も「着陸する」を指す英語表現です。
この表現は、飛行機が滑走路に接地する瞬間に焦点を当てています。
そのため、使われる場面は日常会話ではなく航空業界やニュース記事の中がほとんどです。
The airplane touched down safely despite the heavy rain and strong winds.
(飛行機は激しい雨風にもかかわらず無事に着陸しました。)
「着陸」の意味で名詞として使う場合は、1語につなげて「touchdown」と表現します。
The plane caught fire during touchdown for unknown reasons.
(飛行機は着陸時に何らかの理由で火災が発生しました。)
arrive(自動詞)の意味
番外編として「arrive」をご紹介します。
名詞形の「arrival(s)」は、空港の到着エリアにある標識で見たことのある方も多いのではないでしょうか。
「着陸する」よりも「到着する」を言い表した表現が「arrive」です。
「land」は飛行機が空中にある状態から地面に着く動作を捉えているのに対し、「arrive」は目的地に着くことや到着が完了している状態に焦点を当てていて、微妙にニュアンスが異なります。
飛行機の文脈で使う場合、空中から地面に着く動作が「land」で、滑走路を移動して空港に着くまでが「arrive」とイメージすると分かりやすいでしょう。
例文:
The airplane arrived earlier than planned.
(飛行機は予定よりも早く到着しました。)
The arrival gate is on the second floor of Terminal 2.
(到着ゲートは第2ターミナルの2階にあります。)
着陸時に流れる英語の機内アナウンス
英語学習者であれば、誰しも一度は機内アナウンスで流れる英語セリフの聴き取りに挑戦したことがあるかもしれません。
しかし、周囲の雑音でしっかりと聞き取れなかった人もいるのではないでしょうか。
ここからは実際に使われている着陸時の機内アナウンスを紹介しつつ、覚えておきたい英語表現や文法を取り上げます。
パイロットが客室乗務員に出す指示
Cabin crew, prepare for landing.
(客室乗務員、着陸の準備をしてください。)
機内アナウンスの全てが乗客向けのものとは限りません。
上記例文は、パイロットが客室乗務員に対して着陸準備をするよう指示を出す時に流れる英語アナウンスです。
パイロットからの別の指示には、
Take your seat.
(座ってください。)
もあります。
着陸態勢のアナウンス
We are now making our final approach to Rome.
(ただいまローマへの最終着陸態勢に入っております。)
別の言い回しとして「We are now on our final approach to Rome.」とアナウンスされることもあります。
「final approach」は航空の専門用語で「最終進入」を意味する英語表現です。
着陸の最終段階に入ることを表します。
手荷物収納の指示
Please place your baggage in the overhead compartment or under the seat in front of you.
(手荷物は頭上の荷物棚または前の座席の下に収納してください。)
「頭上の荷物棚」の英語表現は、航空会社によって異なります。
日本の航空会社で使われているのが「overhead compartment」です。
「overhead」は文字どおり「頭上の」を指し、「compartment」は「区切られた部分、物入れ」という意味の単語です。
エアラインによっては「overhead bin」や「overhead locker」と表現されることもあります。
座席を元の位置に戻す指示
Please return your seat and table to their original positions.
(座席とテーブルを元の位置に戻してください。)
座席だけを元に戻す場合は「return your seat to its upright position」と言うこともあります。
化粧室のご利用案内
Please refrain from using the lavatory.
(化粧室のご利用はお控えください。)
トイレの英語表現として、多くの方が知っている英単語が「toilet」や「bathroom」「restroom」ではないでしょうか。
しかし、機内のトイレの標識やアナウンスでは多くの航空会社が「lavatory」を採用しています。
日常会話ではあまり使われることはありませんが、機内アナウンスでは聞く機会の多い表現です。
カタカナ読みをすると「ラバトリー」で、一度知っておくと今後は聞き取れるようになるでしょう。
着陸直後のアナウンス
We have landed at XX Airport.
(〇〇空港に着陸いたしました。)
この例文は現在完了形(have+過去分詞形)を使うことで、着陸が完了した状態にあることを伝えています。
シートベルトの案内
Please remain seated with your seat belt securely fastened until the captain turns off the seat belt sign.
(シートベルト着用サインが消えるまで、シートベルトをお締めになってお待ちください。)
「seat」の原義は「座らせる」なので、座っている状態を表すには受動態にする必要があります。
「remain」は「〜のままでいる」という意味の動詞ですが、be動詞と同じような働きをします。
そのあとの「with」は、英語学習者がつまずきやすい付帯状況の「with」です。
この例文では「with+名詞+過去分詞」の形で「シートベルトが締められた状態で」を表現しています。
到着ゲートの案内
We will arrive at gate XXX shortly.
(まもなく〇〇ゲートに到着する予定です。)
飛行機は着陸後、到着ゲートまで移動します。
「着陸する」の英語表現で解説したとおり、空港という目的地に到着することを伝えるため、ここでは「arrive」が使用されています。
まとめ
飛行機の着陸を英語で表す際、一般的には「land(名詞:landing)」を使います。
航空関連の専門用語を使う文脈やニュース記事では、飛行機が地面に着く瞬間を強調して「touch down(名詞:touchdown)」が使われる場合もあります。
着陸時に流れる英語の機内アナウンスでは、付帯状況の「with」や頭上の荷物棚を表す英語表現など、英語の試験に登場する文法項目や実生活に役立つ表現に溢れています。
この記事で解説した内容を覚えたら、さまざまな航空会社の英語アナウンスのリスニングに挑戦してみましょう。