電車の英語アナウンスは何と言っている?例文付きで文法やフレーズを解説!
訪日客の増加に伴い、今では多くの鉄道会社が英語アナウンスを取り入れています。
駅構内や電車内で耳にした時、どんな表現を使い、何と言っているのか気に留めたことはありますか?
電車の英語アナウンスから学べる英語表現はたくさんあります。
この記事では、実際に電車で使われている英語アナウンスを取り上げ、重要なポイントを文法的に解説します。
この機会に電車のアナウンスで使われている文法や英語表現を知り、聴き取れるようになりましょう。
列車・鉄道の種類別英語表現
英語アナウンスのセリフを紹介する前に、よく使われる列車の種類や鉄道の種類は英語で何と言うのか確認しておきましょう。
【英語表現】列車の種類別
- local train(普通列車・各駅停車)
- rapid train(快速列車)
- semi-express train(準急列車)
- express train(急行列車)
- limited express train(特急列車)
【英語表現】鉄道の種類別
- subway(地下鉄)
- monorail(モノレール)
- bullet train / shinkansen(新幹線)
電車に乗る際や乗り換えのある駅に止まる際に聞こえてくる表現です。
ぜひ覚えておきましょう。
駅構内での英語アナウンス
まずは駅構内で聞こえてくる英語アナウンスを見ていきましょう。
電車の接近放送
駅のホームに電車が接近すると、次の定型表現がアナウンスで流れてきます。
例文:Your attention, please. The ◇◇ train bound for △△ will soon arrive on track number 〇.
(ご案内いたします。まもなく〇番線に△△行きの◇◇列車が到着します。)
「〜行き」を表す定型フレーズが「bound for」です。
「bound」は形容詞で、例文では後ろから「train」を修飾しています。
電車だけでなく、飛行機で「〜行き」を表す時にも使われる言い回しです。
駅の乗り場を示す「〇番線」は、英語で「track number 〇」や「platform 〇」と言います。
注意喚起
電車が駅のホームに入ってくる際は、次のような注意を促すアナウンスを聞いたことのある人も多いでしょう。
For your safety, please stand behind the yellow line.
(安全のため黄色い線の内側でお待ちください。)
「内側で待つ」の英語には、「stand behind」が使われています。
「behind」のコアイメージは「後ろ、後方」なので、「線の後方に立つ→線の内側で待つ」を言い表しています。
鉄道会社によっては、次のようなアナウンスが使われています。
Please wait behind the yellow warning blocks.
(黄色い点字ブロックの内側でお待ちください。)
注目したいポイントは「点字ブロック」の英語表現です。
英語で「点字ブロック」は「tactile paving」や「braille block」と言いますが、駅のアナウンスでは「yellow warning block」が使われています。
そもそも点字ブロックは日本発祥のもので海外での普及率は日本ほどではないため、誰が聞いてもわかるような表現が採用されているのではないかと思います。
注意喚起のアナウンスで最後に紹介するのが、ドアに関する次のアナウンスです。
Please stand clear of the closing doors.
(閉まるドアにご注意ください。)
「stand clear」は「安全を確保するために何かから少し離れる」という意味のフレーズです。
「clear」は、「はっきりした」という意味で覚えている人も多いでしょう。
しかし、「stand clear」の「clear」は「〜から離れて」という意味の副詞です。
「away」と同じような働きをしています。
電車内での英語アナウンス
次は電車内で聞こえてくる英語アナウンスを見ていきましょう。
行き先案内
行き先案内のアナウンスでは、路線・列車の種類・終点駅といった情報が簡潔に含まれています。
Thank you for using the 〇〇 Line. This is a local train bound for △△.
(〇〇線をご利用いただきありがとうございます。この電車は△△行きの普通列車です。)
この電車アナウンスで注目したい点は、「a」と「the」の使い分けです。
山手線や総武線といった「〇〇線」は、1つに特定される鉄道路線なので定冠詞「the」が使われています。
一方で、普通列車や快速列車といった「〇〇列車」は、たくさん列車があるうちの1つの列車を指しているので不定冠詞「a」が使われています。
次の駅名案内
次に到着する駅名を知らせるアナウンスでは、ドアが開く方向を次の英語で案内してくれます。
The next station is 〇〇. The doors on the right [left] side will open.
(次は〇〇に止まります。右側[左側]のドアが開きます。)
次のような英語の車内アナウンスもあります。
We will soon make a brief stop at 〇〇.
(まもなく〇〇に到着いたします。)
「make a brief stop」は「少しだけ停車する」の意味で、快速列車や新幹線など停車時間が短い時のアナウンスに使われます。
After leaving 〇〇, we will be stopping at △△.
(〇〇を出ますと、△△に止まります。)
このアナウンスには未来進行形「will be stopping」が使われています。
この未来進行形の用法は、誰の意思も含めずに、成り行き上、自然に起こりうることを表しています。
未来進行形を使った電車アナウンスは、他にも「arrive」を使った「we will be arriving at ~.」があります。
乗り換え案内
乗り換え路線が複数ある場合は長くなりますが、基本は次の表現を使います。
Please change here for the 〇〇 line.
(〇〇線へはこの駅でお乗換えください。)
「change」は他動詞として使うと「〜を変更する」という意味ですが、例文は違います。
ここでは自動詞として働き、「乗り換える」という意味です。
「change」ではなく「transfer」を採用しているアナウンスもあります。
「地下鉄〇〇線」を英語で表す際は、例えば「地下鉄銀座線」であれば「the Ginza Subway Line」と表現します。
日本語と語順が異なるので注意しましょう。
「東京モノレール羽田空港線」の英語は、日本語と同じ語順で「Tokyo Monorail Haneda Airport Line」です。
下車前の案内
電車とホームの隙間が空いている場合は、次のアナウンスが流れます。
Please watch your step when you leave the train.
(お降りの際は足元にご注意ください。)
テレビなどを見る時に使う「watch」には「気をつける、用心する」の意味もあります。
「watch your step」は「足元にご注意ください」で使われることの多い表現ですが、足元だけに限らず行動に対して広く気をつけるべき時にも使われます。
なお「watch your step」はアメリカ寄りの表現です。
イギリス英語では、「mind」を使って「mind your step」や「mind the gap」と表現します。
電車マナーの英語アナウンス
最後に、電車マナーのアナウンスは英語で何と言っているのか見ていきましょう。
優先席について
優先席の使い方に関する英語アナウンスには、試験にも出てくる重要な表現が含まれています。
There are priority seats in most cars. Please offer your seat to those who may need it.
(この電車には優先席があります。優先席を必要とされるお客様がいらっしゃいましたら、席をお譲りください。)
「優先席」は英語で「priority seats」と言います。
「〜されるお客様」の英語には「those who」が使われています。
この「those」は「people」と同じような意味で、「those who」は「〜する人たち」という意味です。
この表現は、TOEICテストで「these」や「that」などの選択肢の中から正しいものを選ぶ問題で出題されるので、知らなかった方は覚えておきましょう。
携帯電話の使用について
携帯電話の使用に関する英語アナウンスからは、マナーモードの英語表現を学ぶことができます。
Please set your mobile phone to silent mode and refrain from talking on the phone.
(携帯電話はマナーモードに設定の上、通話はお控えください。)
「マナーモード」は和製英語です。
正しい英語表現は「silent mode」と言います。
また「通話する」の英語は、前置詞「on」を使って「talk on the phone」と表現します。
なぜ「on」が使われているのか疑問に思う方がいるかもしれませんが、電話という通信回線の上で会話すると考えると理解しやすいでしょう。
まとめ
電車の英語アナウンスひとつをとっても、重要な文法事項やフレーズが含まれています。
この記事で解説したことを覚えておけば、聞き取りづらい場面でも知識で補完して聴き取れるようになるでしょう。
英語アナウンスのセリフは、鉄道会社や地域によっても微妙に違います。
通勤や旅先で電車を利用する際は、聞き耳を立てて英語アナウンスの聞き取りにぜひ挑戦してみてください。