「know-how(ノウハウ)」とは?意味・使い方・「how-to」との違いを例文で徹底解説

ビジネスや技術の分野でよく使われる「ノウハウ」という言葉。
実はこの表現は英語の「know-how」に由来しており、英語でも同じ意味で使われます。
ただし、「know-how」は単なる「知識」ではなく、実際に使える知識や経験に基づいた技能を指すのが特徴です。
この記事では以下のポイントを、例文つきでわかりやすく解説します。
- 「know-how」の正確な意味と語源
- 文法上の使い方
- 「how-to」との違い
- 「know-how」の類語と似た表現
「ノウハウ」という言葉を英語で自然に使えるようになりたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
「know-how(ノウハウ)」の意味とは?英語での使われ方と語源
「know-how」は、英語で「実践的な知識」「やり方を知っている力」を意味する名詞です。
動詞「know(知っている)」と副詞「how(どのように)」を組み合わせた語で、「どのようにするかを知っている」というニュアンスを持ちます。
つまり、単なる「知識」ではなく、実際に「できる」「使える」といった「応用力」を含む表現です。
日本語の「ノウハウ」は、この英語「know-how」からそのまま取り入れられたもので、和製英語ではありません。
ちなみに、英語では必ずハイフン(–)を入れて「know-how」と書くのが正しい表記です。
「know-how」の正しい使い方|文法と例文
1. 「know-how」は不可算名詞|「a know-how」とは言わない理由
「know-how」は不可算名詞(数えられない名詞)です。
そのため、「a know-how」や 「know-hows」のようには通常使いません。
例文:
He has a lot of technical know-how.
(彼は多くの技術的なノウハウを持っています。)
The company accumulated valuable know-how over many years.
(その会社は長年にわたって貴重なノウハウを蓄積してきました。)
We shared our know-how with our business partners.
(私たちは取引先とノウハウを共有しました。)
2. よく使われるコロケーション(組み合わせ)
「know-how」は、専門分野を限定して使われることが多く、特に技術・経営・教育・研究などの分野でよく目にします。
ここでは頻繁に使われる組み合わせを紹介します。
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英語表現 |
意味 |
用例 |
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technical know-how |
技術的なノウハウ |
The engineer has strong technical know-how. |
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business know-how |
経営や商業のノウハウ |
She learned business know-how from her mentor. |
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marketing know-how |
マーケティングのノウハウ |
We need marketing know-how to enter new markets. |
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practical know-how |
実践的なノウハウ |
The training provides practical know-how. |
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share know-how |
ノウハウを共有する |
Our team regularly shares know-how to improve productivity. |
「know-how」と「how-to」の違い|意味と使い分けを例文で比較
「know-how」と混同されやすい表現に「how-to」があります。
どちらも「方法」や「やり方」に関する言葉ですが、意味・文法・使われ方には明確な違いがあります。
1. 「know-how」は「できる力」
「know-how」は「持っている知識・技術」を指し、経験に基づいたスキルやノウハウの蓄積というニュアンスで使われます。
The company has the know-how to develop new products.
(その会社は新製品を開発するノウハウを持っています。)
2. 「how-to」 は「教える内容」
一方で「how-to」は、具体的な手順ややり方を説明するもの、「教える内容」や「説明書」に焦点を当てた表現です。
I bought a how-to book on video editing.
(動画編集のハウツー本を買いました。)
「know-how」の類語・似た英語表現まとめ|「expertise / skill / knowledge」の違い
「know-how」は「実践的な知識」という意味を持ちますが、英語にはそれと似た語がいくつも存在します。
ここでは、主要な5つの類語を例文とともに詳しく紹介します。
1. expertise(専門的知識・熟練)
「expertise」は、特定の分野における専門的な知識や高度な技能を表します。
「know-how」が「実践的なやり方の知識」であるのに対し、「expertise」は「専門家としての熟練・高度なスキル」を強調します。
She has technical expertise in artificial intelligence.
(彼女は人工知能の分野における専門的な知識を持っています。)
2. skill(技能・能力)
「skill」は、実際に何かをする能力や熟練度を意味します。
「know-how」と重なる部分もありますが、より広い意味で使われ、個人の能力やトレーニングで身につけるスキル全般を指します。
Communication skills are essential in any workplace.
(コミュニケーション能力はどの職場でも不可欠です。)
3. knowledge(知識)
「knowledge」は最も一般的な語で、情報・事実・理論的な知識を表します。
「know-how」はその中でも「実践的に使える部分」に限定されるイメージです。
「knowledge」は「頭の中の理解」、「know-how」は「実際の応用力」と覚えるとわかりやすいです。
Knowledge alone is not enough; you also need know-how.
(知識だけでは十分ではありません。ノウハウも必要です。)
4. technique(技法・手法)
「technique」は、特定の分野で使われる方法・技法を指します。
芸術・スポーツ・科学・教育などの文脈で多く使われます。
「know-how」が「経験に基づく包括的な理解」であるのに対し、「technique」は「特定のスキルを行うための具体的な方法」を指す点が異なります。
The artist uses a unique painting technique.
(その画家は独自の絵画技法を用いています。)
5. wisdom(知恵・洞察)
「wisdom」は、知識や経験を通じて得た洞察・判断力・賢明さを表します。
単に「知っている」ではなく、「どう活かすか」を理解している深みのある語です。
「know-how」が「実践的な方法」、「wisdom」は「状況に応じて最適な判断を下す力」といったニュアンスの違いがあります。
She gave us words of wisdom based on her experience.
(彼女は自身の経験に基づいた賢明な助言をくれました。)
まとめ|「know-how」を正しく理解し、英語で使いこなそう
「know-how(ノウハウ)」は、英語で「実践的な知識」「経験に基づく技能」を意味します。
単なる理論的な知識ではなく、行動に移せる応用力を含む点が特徴です。
また、「how-to」は「その方法を説明するガイド」を指す表現です。
「know-how」が「できる力」、「how-to」が「教える内容」と覚えると区別しやすいでしょう。
さらに、類語の「expertise」「skill」「knowledge」「technique」「wisdom」も理解しておくと、英語表現がより豊かになります。
ビジネス・技術・教育など、どの分野でも「know-how」は欠かせない言葉です。
日常の英会話からビジネス文書まで、正しい使い方を身につけておけば、より自然な英語表現となり、説得力のあるものになるでしょう。















