「覆水盆に返らず」は英語で何という?英語のことわざやイディオムを解説

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更新日:2026年6月19日 英文法

「覆水盆に返らず」は英語で何という?英語のことわざやイディオムを解説

「覆水盆に返らず」は英語でどのように表現すればよいのでしょうか。

直訳できるのか、それとも似た意味を持つ英語のことわざが存在するのか、気になるところではないでしょうか。

結論からお伝えすると、このことわざは直訳するのではなく、意味が近い英語のことわざを使うのが自然です。

この記事では、「覆水盆に返らず」を英語でどう表現するのかをテーマに、ことわざの意味や、似た意味を持つ英語のことわざ、その他の類義表現をわかりやすく解説します。

この記事を読んで、英語でもスマートに表現できるようになりましょう。

ことわざ「覆水盆に返らず」の意味

まずは、「覆水盆に返らず」の意味を確認しておきましょう。

「覆水盆に返らず」とは、一度起きてしまったことは元に戻らないことを意味することわざです。

いくら後悔しても状況は変えられないことから、取り返しのつかない状況や手遅れであることを表す際に使われます。

例えば、大きなミスをしてしまった時や、タイミングを逃してしまった時など、後悔してもどうにもならない場面で用いられます。

このことわざの由来は、中国の故事にあります。

復縁を求めてきた元妻に対して、盆(水などを入れる容器)に入っていた水をひっくり返し、「こぼれた水を元に戻せたら復縁に応じよう」と言った話が元になっています。

そのため「覆水盆に返らず」には、一度別れた夫婦の仲は元通りにならないという意味もあります。

類語としては、「後悔先に立たず」「後の祭り」「時すでに遅し」などが挙げられ、いずれも過去に対する後悔や不可逆性を示すことわざです。

「覆水盆に返らず」を表す英語のことわざ

日本語の「覆水盆に返らず」に近い意味を持つ英語のことわざが、「It’s no use crying over spilt milk.」です。

「It’s ~」ではなく「There’s ~」始まりの表現も見かけますが、意味は同じです。

この表現を文字通りに直訳すると「こぼれたミルクを嘆いても無駄である」で、「覆水盆に返らず」と近いニュアンスを表します。

このことわざが、どんな文法構造になっているのか、気になる方もいるのではないでしょうか。

大枠として、「It is no use -ing(〜しても無駄である)」という慣用表現があります。

ここでの「use」は動詞ではなく名詞で、「役に立つこと」を指します。

発音も、動詞であれば「ユーズ(júːz)」ですが、名詞は「ユース(júːs)」と濁りのない発音になるのがポイントです。

「use」の前に「no」という打ち消しがあるため、ここでは「役に立たない→無駄である」という意味になります。

具体的に何が役に立たないのかは、動名詞「crying」以下で説明されています。

「cry over」は「〜のことで嘆く」という意味の表現で、何について嘆いているのかをはっきりと示します。

前置詞「over」には、何かが上から覆うイメージがあります。

そのため「cry over」は、その出来事(spilt milk)に心が覆われてしまい、それをひきずって嘆くニュアンスです。

「spilt(こぼれた)」は、動詞「spill(こぼす)」の過去分詞形で、形容詞的に「milk(ミルク)」を修飾しています。

なお「spilt」はイギリス英語で、アメリカ英語では「spilled」が使われます。

例文:
I forgot to apply for the job, but it’s no use crying over spilt milk.
(その仕事に応募するのを忘れてしまったけど、覆水盆に返らずだ。)

I’ve lost our business partner’s trust, but there’s no use crying over spilled milk.
(取引先の信頼を失ってしまったが、覆水盆に返らずだ。)

「覆水盆に返らず」に似た意味を持つ英語表現5選

「It’s no use crying over spilt milk.」以外にも、一度起きてしまったことは元に戻らないという意味を表す英語表現はいくつかあります。

ここからは代表的な英語表現5つをご紹介し、その使い方を解説します。

前半3つはネガティブ寄りの表現、後半2つはポジティブ寄りの表現です。

ニュアンスの違いや使用場面の違いをおさえて、使い分けられるようになりましょう。

1. The damage is done.(後の祭りだ。)

「The damage is done.」は「損害はすでに起きてしまった」という意味から、後の祭りや手遅れである状況を表します。

「damage」という言葉が使われているとおり、ややネガティブなニュアンスを持ち、重大なミスや関係悪化、被害が出ている場面で使うのに適した表現です。

例文:
You need to do something before the damage is done.
(手遅れになる前に何か手を打つ必要がある。)

He’s trying to recover the deleted data, but the damage has already been done.
(彼は消されたデータを復元しようとしているが、もう後の祭りだ。)

2. The ship has sailed.(時すでに遅し。)

「The ship has sailed.」は「船はすでに出航してしまった」という直訳から転じて「時すでに遅し」に近い意味合いのイディオムです。

締め切り・期限・チャンスを逃した時など、何らかのタイミングを逃した場面でよく使われます。

例文:
I wanted to apply for the seminar, but the ship has sailed.
(そのセミナーに申し込みたかったのですが、もう手遅れでした。)

I should’ve talked to him earlier. The ship has sailed.
(もっと早く彼に話しておくべきだった。時すでに遅しだ。)

3. You can’t unring a bell.(一度鳴らした鐘は取り消せない。)

「You can’t unring a bell」は「一度鳴らした鐘はなかったことにできない」という意味で、一度起きたことや言ったことは取り消せないことを表す表現です。

「unring」は「ring(〜鳴らす)」に打ち消しの「un」がついているので、「鳴らすという行為をなかったことにする」という意味を指します。

秘密を漏らしてしまったり、失言をしてしまったりと、主に取り消せない発言に対して使われることの多い表現です。

例文:
Be careful what you say. You can’t unring a bell.
(発言には気をつけてね。一度口にした言葉は取り消せないから。)

Once you say something hurtful to her, you can’t unring a bell.
(ひとたび彼女を傷つけるようなことを口にしてしまえば、取り返しがつかないよ。)

4. You can’t undo the past.(過去は元に戻せない。)

「You can’t undo the past.」は、「過去をなかったことにはできない」という意味の表現です。

動詞の「undo」は、ここでは「一度したことを元通りにする」という意味になります。

この表現は、過去の後悔を強調するネガティブな響きよりも、教訓につなげる前向きな語感があります。

そのため、後悔している相手を慰める時や、教訓として捉えて前に進もうとするような場面に適しています。

例文:
You can’t undo the past, but you can start fresh today.
(過去は変えられないけど、今日からやり直せるよ。)

You can’t undo the past, so focus on what you can do now.
(過去はやり直せないんだから、今できることに集中しよう。)

5. What’s done is done.(終わったことは仕方ない。)

「What’s done is done」は、「過ぎたことは仕方ない」という意味の英語表現です。

「You can’t undo the past.」同様に、この表現も「もう済んだことだから、前に進もう」という前向きなニュアンスがあります。

ミスやトラブルが起きた後に切り替えを促す一言としてよく使われます。

例文:
What’s done is done. Let’s focus on preventing this from happening again.
(もう済んだことは仕方ありません。今後の再発防止に集中しよう。)

What’s done is done. What matters now is how we move forward.
(終わったことは仕方ない。大事なのはこれからどう進むかだ。)

まとめ

ことわざ「覆水盆に返らず」に相当する英語のことわざは、「It’s [There’s] no use crying over spilt [spilled] milk.」です。

また、状況や感情の度合いによって使い分けられる類義表現もいくつかあります。

「The damage is done.」や「You can’t unring a bell.」は、取り返しのつかない状況を強調するネガティブなニュアンスを含んだ表現です。

一方で、「You can’t undo the past.」や「What’s done is done.」のように、過去を受け入れ、気持ちを切り替えて前向きに進むことを促すポジティブな表現もあります。

「覆水盆に返らず」を英語で表現する際は、ネガティブに捉えるのか・前向きに切り替えるのか、伝えたいニュアンスに合わせて表現を使い分けることが大切です。

本記事でご紹介した英語表現を、ぜひ実際の日常会話やビジネスシーンで活用してみてください。

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