ディレクションは英語で?意味・使い方・業界別の違いを例文付きで解説

ビジネスやクリエイティブの現場でよく聞く「ディレクション」という言葉。
「プロジェクト全体の進行をディレクションできる人材を募集しています」などの表現を目にすることも多いですが、実際どのような意味を持つのでしょうか。
もともと「ディレクション」は英語の「direction(方向・指示・監督)」から生まれた言葉で、「物事を正しい方向へ導く」「チームをまとめて成果を出す」というニュアンスがあります。
この記事では、英語の「direction」の本来の意味と使い方を整理しながら、カタカナ語「ディレクション」との違いをわかりやすく解説します。
さらに、「プロデュース」「マネジメント」との違いや、実際の英語例文も紹介します。
これを読めば、「ディレクション」という言葉を英語でも日本語でも自信をもって使い分けられるようになるでしょう。
ディレクションとは?英語「direction」から生まれたカタカナ語
「ディレクション(direction)」は、もともと英語で「方向」「指示」「監督」などを意味する言葉です。
日本では特にビジネスやクリエイティブの現場で、「進行管理」「指示出し」「演出」といった意味で使われています。
たとえば「Webディレクション」ならサイト制作全体の進行をまとめる役割、「アートディレクション」ならデザインやビジュアルの方向性を決める役割を指します。
つまり「ディレクション」とは、プロジェクトを成功へ導くための総合的な指揮・管理を指すカタカナ語です。
それぞれの業界によって「ディレクション」の意味は少しずつ違ってきます。
代表的な「ディレクション業務」としての例は以下のようなものです。
代表的な「ディレクション業務」の例
- Webディレクション:制作全体のスケジュール管理、チーム間の調整、品質チェックなどを行い、Webサイトを円滑に完成へ導く業務。
- デザインディレクション:デザイナーと連携しながら、色・レイアウト・フォントなどのビジュアル面を統一し、ブランドイメージを整える業務。
- クリエイティブディレクション:広告や映像、キャンペーン全体の企画立案からコンセプト設計、世界観づくりまでを統括する役割。
英語「direction」の意味と使い方
英語の「direction」にはいくつかの意味があります。
代表的な3つを押さえておきましょう。
「方向」=どちらに進むか
最も基本的な意味は「方向」や「方角」です。
物理的に「どちらの向きに進むか」「どちらを向いているか」を表すときに使います。
ここでは、単数形と複数形で意味が変わる点に注意しましょう。
- direction(単数形) は「方角・向き」を指します。北・南・右・左など、ひとつの方向をイメージします。
- directions(複数形) は「道順・手順・行き方」など、複数のステップや指示を含む場合に使われます。
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形 |
意味 |
イメージ |
例文 |
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direction(単数) |
方向・方角 |
どちらを向くか |
The car is heading in the wrong direction. |
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directions(複数) |
道順・行き方 |
どう行けばよいか |
Can you give me directions to the station? |
どちらへ?=「direction(単数)」
どう行く?=「directions(複数)」
という感覚で覚えるとわかりやすいです。
「指示」=行動のガイドライン
ビジネスシーンでよく使われる、上司やクライアントからの「指示」「命令」「方針」を表すときにも用いられます。
この場合、基本的に「directions(複数形)」を使います。
具体的な「手順」や「やるべき行動」が複数含まれるからです。
手順書・指示書・マニュアルのように「どうすればいいか」を具体的に伝えるときに使われます。
例文:
She gave clear directions to the team.
(彼女はチームに明確な指示を出しました。)
We followed the directions given by the manager.
(私たちはマネージャーの指示に従いました。)
一方で、「direction(単数形)」を使うと、抽象的な意味になります。
個別の指示ではなく、チーム全体を導く「方針」や「リーダーシップ」を表すときに使います。
上司やリーダーが示す「方針」「ビジョン」など、より大きな枠組みの導きを表します。
The project succeeded under her direction.
(そのプロジェクトは彼女の指導のもとで成功しました。)
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形 |
意味 |
ニュアンス |
例文 |
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directions(複数) |
指示・手順 |
具体的な行動や作業手順を伝えるときに使う |
The supervisor gave detailed directions on how to complete the task. |
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direction(単数) |
方針・指導 |
抽象的な方針やリーダーシップを示すときに使う |
Our team made steady progress under his direction. |
「監督・演出」=映画や舞台などの指揮
芸術やエンタメ分野では、「direction」は「演出」「監督」という意味で使われます。
この場合は抽象的な概念なので、基本的に「単数形 direction」を用います。
例文:
The film was produced under the direction of a famous director.
(その映画は有名な監督の指揮のもとで制作されました。)
She is in charge of the art direction for the new campaign.
(彼女は新しいキャンペーンのアートディレクションを担当しています。)
このように「direction」は、映画・舞台・デザインなどでの「作品全体の世界観や演出を統括する行為」を指します。
「ディレクション」「プロデュース」「マネジメント」の違い
「ディレクション」「プロデュース」「マネジメント」は、いずれもプロジェクトや組織を動かすうえで欠かせない力ですが、その範囲と視点には明確な違いがあります。
ディレクションは現場を動かす力、プロデュースは全体を構想する力、マネジメントは組織を運営する力、とそれぞれ異なる役割を持っています。
ディレクション(Direction / Management)
「ディレクション」は、現場を直接動かし、実務的な指示を出す役割を指します。
Web制作やデザインの現場では、スケジュール管理やメンバーへの指示など、実際の作業をコントロールする立場です。
英語では「direction」や「management」が対応し、「手を動かすリーダー」「現場の舵取り役」というニュアンスを持ちます。
She handled the web direction, giving clear instructions to designers and developers.
(彼女はデザイナーや開発者に明確な指示を出し、Web制作のディレクションを担当しました。)
プロデュース(Produce / Production)
「プロデュース」は、プロジェクト全体を企画・構想する立場です。
何を作るのか、誰に届けるのか、どんな形で実現するのか。
その全体像を設計し、方向性を決めるのがプロデュースの役割です。
英語では「produce」や「production」が対応し、アイデアを形にするための企画立案・予算管理・リソース調整などを担います。
He produced the entire campaign, from concept planning to final delivery.
(彼はコンセプト設計から最終納品まで、キャンペーン全体をプロデュースした。)
マネジメント(Management)
「マネジメント」は、人や組織全体を統括・運営する役割を指します。
チームメンバーの育成や業務効率化、スケジュール調整、リスク管理など、より広い視点からプロジェクトを支える立場です。
英語の「management」は、単なる管理ではなく、チームを導き目標達成へと導くリーダーシップの意味も含みます。
She manages a team of ten people, coordinating tasks and maintaining communication.
(彼女は10人のチームをまとめ、タスク調整とコミュニケーション管理を行っている。)
まとめ|「ディレクション」は「方向づける力」
「ディレクション(direction)」は、英語本来の意味では「方向」「指示」「監督」などを表しますが、日本語のカタカナ語としては「チームを導き、成果へとつなげる実践的なリーダーシップ」を指します。
英語で使うときは、文脈に応じて
- direction(方針・指導)
- directions(具体的な指示・手順)
を使い分けるのがポイントです。
また、「プロデュース」や「マネジメント」との違いを理解しておくと、ビジネスの場面でもより正確に役割やスキルを説明できます。
「ディレクション」は単なる「指示出し」ではなく、人とプロジェクトを同じ方向へ導く力です。
ぜひ英語でも「direction」の本来の意味を意識しながら、自信をもって使ってみましょう。
















