英語の主語とは?日本語との違いやit・無生物主語の使い方を解説

英語を勉強していると、「日本語では主語を言わなくても通じるのに、なぜ英語ではIやYouを毎回使うの?」と疑問に感じることがあります。
英語では、命令文など一部の例外を除き、基本的に主語が必要です。また、主語になるのは人だけではありません。物・出来事・動作なども主語になるため、日本語とは発想が大きく異なることがあります。
さらに、「雨が降っています」のItや、There is …のthere、長い主語の代わりに使う形式主語itなど、英語ならではの主語の使い方もあります。
この記事では、英語の主語とは何か、日本語との違い、it・there・無生物主語の使い方まで例文付きでわかりやすく解説します。英文を作るときに「何を主語にすればいいのか分からない」という方も、ぜひ参考にしてください。
英語の主語とは?
英語の主語とは、文の中で「誰が」「何が」にあたる部分です。
例えば、
Tom plays soccer.
(トムはサッカーをします。)
という英文では、Tomが主語、playsが動詞です。
基本的な英文は、
主語+動詞
を中心に作られます。
例えば、
I work.
(私は働きます。)
She studies English.
(彼女は英語を勉強します。)
Dogs bark.
(犬は吠えます。)
などです。
英語の文を理解するときは、まず「主語は何か」「動詞は何か」を確認すると文の構造をつかみやすくなります。
主語は人だけではない
主語というと、人をイメージする方も多いかもしれません。
しかし、英語では物や出来事も普通に主語になります。
The book is interesting.
(その本は面白いです。)
This computer works well.
(このパソコンは正常に動きます。)
The news surprised me.
(そのニュースを聞いて私は驚きました。)
book・computer・newsはいずれも人ではありませんが、文の主語です。
「主語=人」と考えず、「その文の中心になっているもの」と考えると理解しやすいでしょう。
英語と日本語では主語の使い方が違う
英語の主語を理解するうえで重要なのが、日本語との違いです。
日本語では、誰について話しているのか文脈から分かれば、主語を省略することがよくあります。
例えば、
「昨日映画を見た。」
という日本語だけでも、話している人が自分のことを説明していると分かれば、
「私は昨日映画を見た。」
という意味だと理解できます。
一方、英語では、
Went to the movies yesterday.
だけでは、通常の英文として主語が足りません。
I went to the movies yesterday.
(私は昨日映画を見に行きました。)
のように、Iを入れる必要があります。
日本語では「誰が」が文脈から判断できる場合でも、英語では文法上の主語を明確にすることが基本です。
日本語をそのまま英語へ置き換えない
例えば、日本語では単に、
「暑い。」
と言えます。
しかし英語では、
Is hot.
とは通常言いません。
It’s hot.
(暑いです。)
のようにitを主語として置きます。
英作文では、日本語に書かれていない主語を自分で補わなければならないことがあります。
そのため、日本語の単語を順番に英語へ置き換えるのではなく、「英語では何を主語にするか」を考えることが重要です。
英語では主語を省略できないの?
英語では基本的に主語を省略しません。
ただし、例外もあります。
命令文では主語を省略する
命令文では、意味上の主語であるyouを通常省略します。
Open the door.
(ドアを開けてください。)
Sit down.
(座ってください。)
Be careful.
(気をつけてください。)
いずれも意味上は、
You open the door.
のように相手に対して行動を求めていますが、命令文ではyouを書きません。
会話では一部省略されることもある
カジュアルな会話では、
Looks good.
(いい感じですね。)
Sounds great.
(よさそうですね。)
のように主語が省略されることがあります。
ただし、これは会話特有の省略です。
英語初心者のうちは、「英語では基本的に主語が必要」と覚えておく方が安全です。
英語の主語になるもの
英語では、さまざまなものを主語として使えます。
代表的なものを確認してみましょう。
| 主語になるもの | 例文 |
|---|---|
| 名詞 | Tom works here. |
| 代名詞 | She works here. |
| 動名詞 | Reading is fun. |
| to不定詞 | To learn English takes time. |
| that節 | That he came surprised me. |
| it | It is raining. |
| 存在を導くthere | There is a problem. |
特に初心者のうちは、人や物を表す名詞・代名詞が主語になる文から慣れていくとよいでしょう。
主語として使う代名詞を覚えよう
一度登場した人や物を何度も名前で呼ぶ代わりに、代名詞を使えます。
代表的な主語の代名詞は次のとおりです。
- I:私は
- you:あなたは
- he:彼は
- she:彼女は
- it:それは
- we:私たちは
- they:彼ら・彼女ら・それらは
例えば、
Tom is my friend. He lives in Tokyo.
(トムは私の友達です。彼は東京に住んでいます。)
となります。
Tomを2回繰り返さず、2文目ではheに置き換えています。
同様に、
I bought a new bag. It was expensive.
(新しいバッグを買いました。それは高かったです。)
のように、物ならitを使えます。
itが主語になる3つの代表的な使い方
itは英語で非常によく使う主語です。
代表的な使い方は、大きく3つあります。
1.前に出てきた物を指すit
最も分かりやすいのは、すでに登場した物を指すitです。
(新しいパソコンを買いました。それは高かったです。)
このitは、前の文にあるa new computerを指しています。
日本語の「それ」に近い使い方です。
2.天気・時間・距離を表すit
英語では、天気・時間・距離などを表す場合にもitを主語として使います。
It’s raining.
(雨が降っています。)
It’s sunny today.
(今日は晴れています。)
It’s seven o’clock.
(7時です。)
It’s five kilometers from here.
(ここから5キロです。)
このitは、computerを指すitのように具体的な物を意味しているわけではありません。
英語では基本的に文に主語が必要なため、天気や時間などを表す文で形式的にitを置きます。
天気のitは「それ」と訳さない
It’s raining.
を、
「それは雨が降っています。」
とは訳しません。
自然な日本語では、
「雨が降っています。」
となります。
英語のitを見たときに、必ず「それ」と訳そうとしないことがポイントです。
3.形式主語のit
長い内容を主語にすると、英文が読みにくくなることがあります。
そこで使われるのが形式主語itです。
例えば、
It is important to study English every day.
(毎日英語を勉強することは重要です。)
という文では、内容として重要なのは、
to study English every day
(毎日英語を勉強すること)
です。
しかし、この長い部分を文頭に置かず、先に短いitを置いています。
文法上の主語
↓
It
内容上の主語
↓
to study English every day
という構造です。
It is+形容詞+to …
形式主語では、次の形がよく使われます。
It is difficult to learn a language.
(言語を学ぶことは難しいです。)
It is important to get enough sleep.
(十分に睡眠を取ることは重要です。)
It is fun to travel abroad.
(海外旅行をするのは楽しいです。)
英作文でも非常に使いやすい形なので覚えておきましょう。
It is+形容詞+that …
that節を後ろに置く場合もあります。
It is important that we arrive on time.
(私たちが時間通りに到着することが重要です。)
It is surprising that he knows so much about Japan.
(彼が日本についてそれほど詳しいのは驚きです。)
「長い主語は後ろへ置き、先にitを置く」という考え方を理解すると、英文を読みやすくなります。
there is・there areはどう使う?
英語では、物や人の存在を表すときにthere is / there areを使います。
There is a book on the table.
(テーブルの上に本があります。)
There are two books on the table.
(テーブルの上に本が2冊あります。)
このthereは、「そこ」という場所を意味しているわけではありません。
例えば、
There is a problem.
(問題があります。)
という文を、
「そこに問題があります。」
と訳す必要はありません。
「〜があります」「〜がいます」という存在を表すために使われる構文です。
isとareの使い分け
基本的には、後ろに続く名詞が単数ならis、複数ならareを使います。
There is a problem.
(問題が1つあります。)
There are two problems.
(問題が2つあります。)
英作文で「〜があります」と言いたいときに、何でもhaveを使わないよう注意しましょう。
無生物主語とは?
英語では、人ではない物や出来事を主語にすることがよくあります。
これを無生物主語と呼ぶことがあります。
例えば、
This bus takes you to the airport.
(このバスに乗れば空港へ行けます。)
という文です。
直訳すると、
「このバスがあなたを空港へ連れていきます。」
となります。
日本語では、
「このバスに乗れば空港へ行けます。」
と人を中心に表現する方が自然でしょう。
一方、英語ではThis busを主語にすることで簡潔に表現できます。
The news surprised me.
The news surprised me.
(そのニュースを聞いて私は驚きました。)
英語ではthe newsが主語です。
日本語では、
「私はそのニュースを聞いて驚きました。」
のように人を主語にして考えやすいため、発想に違いがあります。
This medicine will make you sleepy.
This medicine will make you sleepy.
(この薬を飲むと眠くなります。)
英語ではThis medicineが主語です。
「あなたがこの薬を飲むと」と人を主語にしなくても、薬を主語にできます。
無生物主語を使うメリット
無生物主語を使えるようになると、英語らしい簡潔な文を作りやすくなります。
例えば、
大雨のため外出できませんでした。
と言いたい場合、
Because of the heavy rain, we couldn’t go out.
と表現できます。
さらに、
The heavy rain kept us from going out.
(大雨のため私たちは外出できませんでした。)
のように、heavy rainを主語にもできます。
英語では原因となる物・出来事を主語にすることで、
原因
↓
結果
の関係を明確に表現できることがあります。
また、IやYouばかりを主語にするのを避けられるため、英文表現の幅も広がります。
よく使う無生物主語のパターン
無生物主語では、特定の動詞とセットで覚えると使いやすくなります。
make|〜を…にする
The news made me happy.
(その知らせを聞いて嬉しくなりました。)
The movie made me cry.
(その映画を見て泣きました。)
take|〜を連れていく
This bus will take you downtown.
(このバスで中心街へ行けます。)
This road will take you to the station.
(この道を進めば駅へ行けます。)
allow|〜を可能にする
This app allows you to study anywhere.
(このアプリを使えば、どこでも勉強できます。)
Technology allows us to work from home.
(テクノロジーによって在宅勤務ができます。)
prevent|〜するのを妨げる
The rain prevented us from going out.
(雨のため、私たちは外出できませんでした。)
prevent 人 from+動名詞で、
「人が〜するのを妨げる」
という意味になります。
remind|思い出させる
This song reminds me of my childhood.
(この曲を聞くと子どもの頃を思い出します。)
The smell reminds me of my grandmother’s house.
(その匂いを嗅ぐと祖母の家を思い出します。)
日本語では「私は〜を思い出す」と人を主語にしやすいですが、英語では原因となる物を主語にできます。
日本語から英語にするときの主語の決め方
英作文で「何を主語にすればいいか分からない」と感じたら、次の順番で考えてみましょう。
1.誰が・何が動作するのか確認する
例えば、
「私は毎日英語を勉強します。」
なら、動作する人は「私」です。
I study English every day.
となります。
2.日本語で省略された主語を補う
「昨日買い物に行った。」
という日本語なら、
誰が買い物へ行ったのか
を考えます。
自分のことなら、
I went shopping yesterday.
です。
3.人以外を主語にできないか考える
例えば、
「この薬を飲むと眠くなります。」
を人中心で考えるだけでなく、
This medicine will make you sleepy.
と薬を主語にできます。
4.天気・時間ならitを確認する
「今日は寒い。」
なら、
It’s cold today.
です。
5.存在ならthere is / areを検討する
「駅の近くにカフェがあります。」
なら、
There is a café near the station.
と表現できます。
日本語に主語が書かれていないからといって、英語でも主語がないわけではありません。
英語の主語を見つける方法
英文を読むときに主語を見つけられない場合は、まず動詞を探してみましょう。
例えば、
My brother plays tennis every Sunday.
では、playsが動詞です。
「誰がplaysするのか」と考えると、
My brother
が主語だと分かります。
長い主語はかたまりで見る
主語が1語とは限りません。
Reading English books is useful.
(英語の本を読むことは役に立ちます。)
この文では、
Reading English books
全体が主語です。
Learning a new language takes time.
(新しい言語を学ぶには時間がかかります。)
でも、
Learning a new language
が主語です。
単語1つを探すのではなく、「動詞の前にある意味のまとまり」を意識すると主語を見つけやすくなります。
修飾語が付いた長い主語に注意する
英文が長くなると、主語の中に説明が入ることがあります。
The man sitting next to my teacher is my brother.
(先生の隣に座っている男性は私の兄です。)
この文の主語全体は、
The man sitting next to my teacher
ですが、中心となる名詞はThe manです。
動詞はisなので、
The man … is …
という骨格を先に見つけると意味を理解しやすくなります。
英文を読むときは、細かな修飾語を一度外し、
主語
+
動詞
という核を探す習慣をつけましょう。
英作文でよくある主語の間違い
主語を省略する
× Went shopping yesterday.
○ I went shopping yesterday.
日本語では「私は」を省略できますが、英語では基本的にIが必要です。
「雨です」で主語を書かない
× Is raining.
○ It’s raining.
天気を表すitを使います。
「〜があります」でitを使う
× It has a park near my house.
○ There is a park near my house.
(家の近くに公園があります。)
存在を表す場合はthere is / areが使いやすいでしょう。
形式主語itを「それ」と考える
It is important to study English.
のitは「それ」という具体的なものを指していません。
文全体では、
「英語を勉強することは重要です。」
という意味です。
主語と動詞の単数・複数が合っていない
× The students is busy.
○ The students are busy.
(その学生たちは忙しいです。)
主語が複数なら、be動詞もareなど適切な形にする必要があります。
一般動詞でも、
He plays tennis.
They play tennis.
のように主語によって動詞の形が変わります。
英語らしい主語の使い方を身につける練習法
主語の感覚を身につけるには、1つの日本語を複数の英文で表す練習がおすすめです。
例えば、
「この映画を見て感動しました。」
なら、
I was moved by this movie.
This movie moved me.
の2通りで表せます。
最初の文は人を主語にし、2つ目は映画を主語にしています。
また、英文を読むときに主語へ印を付ける練習も効果的です。
特に、
- it
- there
- 動名詞
- 長い名詞句
- 無生物主語
が出てきたら、「なぜこれが主語になっているのか」を確認しましょう。
オンライン英会話などでは、自分で作った英文を実際に使い、教師からより自然な主語の選び方を教えてもらうのもおすすめです。
英語の主語を学ぶときに大切な3つのポイント
英語の主語については、細かな文法用語をすべて暗記する必要はありません。
まず、次の3点を意識しましょう。
- 英語は基本的に「主語+動詞」で考える
- 主語になるのは人だけではない
- 日本語の主語をそのまま英語へ置き換えない
特に重要なのが、「主語=人」という考えから離れることです。
The news surprised me.
This bus takes you to the airport.
This medicine will make you sleepy.
のような英文に慣れると、英語ならではの発想が少しずつ身についてきます。
英語の主語に関するよくある質問
英語の主語とは何ですか?
英語の主語は、文の中で「誰が」「何が」にあたる部分です。
Tom plays soccer.ならTomが主語です。
英語ではなぜ主語が必要なのですか?
英語は語順によって文の意味や構造を示す言語であり、通常は「主語+動詞」が文の中心になるためです。
日本語のように文脈だけで主語を頻繁に省略することは基本的にしません。
英語の主語は省略できますか?
基本的には省略しません。
ただし、Open the door.のような命令文や、カジュアルな会話のLooks good.などでは省略されることがあります。
天気で使うitは何を意味しますか?
It’s raining.などのitは、具体的な物を指しているわけではありません。
英語では主語が必要なため、天気・時間・距離などを表す文で形式的に使われます。
形式主語itとは何ですか?
本来主語になる長い内容を後ろへ置き、その代わりに文頭へ置くitです。
It is important to study English.なら、内容上の主語はto study Englishです。
there is / there areはどう使いますか?
「〜があります」「〜がいます」と、存在を表すときに使います。
There is a book on the table.なら「テーブルの上に本があります」という意味です。
無生物主語とは何ですか?
人ではない物・出来事などを主語にする表現です。
The news surprised me.のThe newsなどが無生物主語です。
主語は人以外でもいいですか?
問題ありません。
物・出来事・動作・節など、さまざまなものを主語にできます。
英文の主語はどう見つければいいですか?
まず動詞を探し、「誰が・何がその動作や状態なのか」を確認しましょう。
長い英文では、主語が複数の単語からなるかたまりになっている場合もあります。
日本語から英語へ訳すとき、主語はどう決めますか?
まず「誰が・何が動作するのか」を考えます。
さらに、天気ならit、存在ならthere is / are、原因や物を中心に表したい場合は無生物主語なども検討すると自然な英文を作りやすくなります。
まとめ
英語では、命令文などを除いて基本的に主語が必要です。
日本語では文脈から分かる主語を省略することが多いため、この違いが英作文でつまずく原因になることがあります。
主語の基本を整理すると、
人・物
↓
通常の主語
天気・時間・距離
↓
it
長い主語を後ろへ置く
↓
形式主語it
存在を表す
↓
there is / there are
物・出来事を中心に表す
↓
無生物主語
と考えられます。
特に、英語では主語になるものが人だけではないことを覚えておきましょう。
The news surprised me.
(そのニュースを聞いて私は驚きました。)
This bus takes you to the airport.
(このバスに乗れば空港へ行けます。)
のような文に慣れると、日本語をそのまま英訳するのではなく、英語の語順や発想で文を組み立てやすくなります。















