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更新日:2025年12月12日 英文法

カナダで使われている言語は?人気留学先の言語事情について解説します!

カナダといえば留学先として常に人気上位に入る国ですが、言語事情については意外と知られていないのではないでしょうか。

カナダは移民国家でもあるため、様々な言語が使われていそうですし、アメリカ英語やイギリス英語に代表されるように、カナダで話される英語の特徴も気になるところです。

今回は、カナダで使われている言語の事情や英語の種類について解説します。

留学先や進学先として検討している方にとっては必須の内容となるため、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

カナダの言語事情について

カナダは移民国家としての側面を持っており、2023年の国勢調査によると474の言語が使われていると言われています。

その中で、法律上公用語とされているのは英語とフランス語で、主にこの2つが使われていると考えていいでしょう。

2つの公用語がある背景は、イギリスおよびフランスからの入植者がカナダにおいて重要な立ち位置を占めていたから、となります。

英語の話者がもっとも多く、2021年の調査では8割に迫っています。

一方、フランス語話者の割合は全体の2割程度と言われています。

また、州によっても違いがあり、有名なのがケベック州で、カナダのフランス語話者全体の相当数がここに集中していると言われています。

カナダ統計局によると、2021年時点ではカナダの全人口の18%に当たる方が、英仏両方の言語を使いこなしているとのことで、公用語を2つとしていても、そこには課題があることが伺えます。

参考 :https://www.statcan.gc.ca/en/subjects-start/languages

カナダの英語事情

それでは、カナダで最も使われている言語である英語について解説していきます。

カナダの英語は、歴史を考えるとイギリス英語が主流になってそうと思いがちですが、実際にはアメリカ英語とイギリス英語のハイブリッドに近いものが使われています。

これは、地理的にアメリカの隣であることが影響しているのでは無いかと思われます。

具体的には、発音やリンキング、話すスピードはアメリカ英語にかなり近いと考えて良いです。

そのため、アメリカ英語を習得した方がカナダの方と会話をしても、カナダの英語に対してはほとんど違いは感じないのではないかと考えられます。

違う点は以下の部分となります。

発音

一部の発音がアメリカ英語と異なります。

以下、その一例です。

単語

アメリカ発音

カナダ発音

説明

about

[əˈbaʊt]

[əˈbəʊt]または[əˈbʌʊt]

「アバウト」よりも「アブート」や「アボウト」のような音になる

house

[haʊs]

[hʌʊs]

「aʊ」の音が上がる(raising)

write / ride

[raɪt]/[raɪd]

writeは少し高め([rəɪt])、rideは低め([raɪd])

こうしてみると、若干イギリス英語寄りの雰囲気を感じられるかもしれませんね。

カナダの英語はニュートラルで聞き取りやすいと言われており、若干アメリカ英語寄りですがスピードも初見で聞き取れないほどでは無いと思われるので、安心して取り組んでみれるのではないでしょうか。

スペル

カナダの英語はイギリス式のスペルが採用されていることが多いです。

以下のような例が、現地に行くとあちこちで確認できますよ。

アメリカ英語

カナダ英語(多くはイギリス式)

日本語訳

color

colour

center

centre

中心

analyze

analyse

分析する

traveled

travelled

旅行した

defense

defence

防衛

check

cheque

小切手

 

カナダ英語独自の表現

カナダ英語にも独自表現があります。

あらかじめ押さえておくと会話はスムーズになりますし、逆にわからない語彙が会話中に出てきたら、そこを起点に会話を広げるのも面白いかもしれません。

カナダ英語

意味

備考

toque / tuque

ニット帽

フランス語由来。

「トゥーク」と発音。

washroom

トイレ

アメリカでは「restroom」や「bathroom」。

loonie / toonie

1ドル硬貨 / 2ドル硬貨

カナダ独自のスラング。

double-double

コーヒーに砂糖2・ミルク2

Tim Hortons(カナダの国民的カフェ)用語。

hydro

電気

水力発電が多いのでこう呼ぶ。

eh?

〜でしょ?、〜だよね?

カナダ人の口癖。

英語の「huh?」に相当。

「Nice day, eh?」など。

 

カナダのフランス語事情

それでは、カナダのフランス語事情はどうでしょうか。

英語と比べるとフランス語はマイノリティに属し、ケベック州など一部を除くとあまり使われていないのが実情です。

なぜこのような状況下、カナダはフランス語も公用語としているのでしょうか。

先ほど軽く触れた歴史についてより詳しく説明すると、元々はフランスが入植し、その後イギリスに譲渡されたという流れがあります。

言語に関係する部分では、1774年に制定されたケベック法により、フランス語の使用が正式に保障され、1867年にカナダ連邦が成立した際に英語とフランス語が国政で認められ、1969年の公式言語法 (Official Languages Act)が制定された事により、フランス語が公式に認められた、という経緯があります。

カナダは国家として「二言語、多文化主義」を掲げていて、少数派であるかどうかは重視しないという姿勢を取っています。

政府としては、人数よりも文化的な平等に重きを置くとしているため、フランス語を話す方の数が少なくても2つの言語は平等であるとされています。

州ごとの違いも鮮明で、ケベック州については公用語はフランス語のみとされています。

ケベック州は人口においてカナダで2番目に多く、フランス語を公用語として認めないということは、カナダからケベックを切り捨てることと同意義になるため、現実的では無いという事情もあります。

カナダのその他の言語について

先ほどカナダは移民国家と書きましたが、カナダには英語とフランス語以外の言葉を第一言語にする方も多数います。

毎年数十万人規模で移民を受け入れており、そこがまたカナダの独自性にも繋がっていると思われます。

代表的な移民言語を以下に書いておきます。

街中でも案外聞こえてくるレベルであると言われていますよ。

この他先住民族系の言葉もあるので、気になった方は調べてみてくださいね。

言語

特徴・背景

主な地域

マンダリン(Mandarin)・広東語(Cantonese)

中国系移民が多い。

1980年代以降、香港・中国本土からの移住増加。

バンクーバー、トロント

パンジャブ語(Punjabi)

インド・パキスタン系移民。

シク教徒コミュニティが大きい。

ブリティッシュコロンビア州、アルバータ州

スペイン語(Spanish)

南米・中米からの移民が急増。

ラテン文化も浸透。

トロント、モントリオール

イタリア語(Italian)

戦後移民の代表格。

今も高齢層中心に使用。

トロント、モントリオール

タガログ語(Tagalog / Filipino)

フィリピン移民が急増中。

医療・介護・IT業界で存在感。

トロント、カルガリー

ベトナム語(Vietnamese)

1970年代の難民受け入れで定着。

モントリオール、トロント

ペルシア語(Farsi)

イラン移民が多い。

教育・IT分野で活躍。

バンクーバー

ポルトガル語(Portuguese)

移民第2世代も多く、学校でも継承教育あり。

トロント、モントリオール

韓国語(Korean)

新しい移民層。

留学生・企業派遣者が中心。

トロント、バンクーバー

 

まとめ

今回はカナダの、英語をはじめとした言語事情について解説しました。

多民族国家カナダにおいても、英語の使用率が高く、移民要件にも英語力が挙げられているので、まずは英語が使えるようになっていれば、観光やビジネスの時も安心ですね。

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