移住検討者必見！？栃木県の英語教育について解説！

更新日：2025年11月13日英語コラム

栃木県といえば、都心への良好なアクセスや子育て支援の充実などから、ふるさと回帰支援センターの2024年調査で移住希望地ランキング3位に輝くなど、地方移住希望者の検討候補地に常に上がってくる場所です。

移住を希望する際に気になるのが教育水準であり、その中で昨今のグローバル化の事を考えると、英語教育の水準も気になるところではないでしょうか。

今回は、現代の英語教育を絡めつつ、栃木県の英語教育について解説していきます。

英語教育については、今後の子育てにおける最重要トピックの一つではないかと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

現代の英語教育について

まず、大前提として、現代の日本における英語教育について簡単に解説します。

昭和の時代は、受験英語や知識としての英語教育が重視されていたため、いわゆる「読み書きはできるけど話せない」方が多数を占めていました。

実際皆さんの周りの昭和世代の方で、英語を流暢に喋れる方はほんの一握りなのではないでしょうか。

平成の時代になると、昭和時代の教育の課題点が認識され、コミュニケーションを中心とした教育への過渡期にあったと言われています。

ただ、日本の教育におけるテスト文化との折り合いがつかないことから、依然として文法中心の教育がなされていた事、英語教師の会話レベルの水準の問題などもあり、完全に転換ができたとは言えない状態でした。

また、「My name is〜」「I don’t know」など、日常会話ではあまり使わない表現を一生懸命に教え込むなどの、「実態との差」も課題でした。

令和に入り、英語はコミュニケーションツールの一つとして考えられるようになり、Can-Do評価が導入される事により「何点取れたか」ではなく、「何ができるようになったか」を中心に評価がされるようになりました。

また、小学校3年から英語は必修化、CLIL（英語で他教科を学ぶ）の拡大などが導入され始めていると言われています。

その点においては、昭和や平成の頃と比較して、現代の英語教育レベルは大きく進化していると言えます。

一方、依然として地域格差があること、AIの台頭により、今まで以上に「何を伝えるか」を意識することが大切になると考えられます。

栃木県では令和6年に「栃木県英語教育改善プラン」が制定されており、上でも解説したCan-Do評価の導入、英語教育支援チームの各市町村への派遣を行っています。

また、「とちぎグローバルゲートウェイ事業」を通じて義務教育レベルの英語力をさらに伸ばし、グローバル社会で通用する人材育成の推進を図るとしています。

これ以外にも、学校でもそれぞれの取り組みがなされていて、レベルアップが図られています。

例えば県立宇都宮北高等学校は、栃木県内でSELHi （Super English Language High School）に2003年に指定されており、一部授業で3年間に渡り英語で実施したと書かれています。

また、栃木県立黒磯高校の英語科ではCan-Doリストを用いた、4技能5領域の力を総合的に伸ばすための教育を実施しています。

作新学院高等学校の英語部では、国際的な英語のディベート大会において優秀な成績を何度も納めており、英語に力を入れていることが読み取れます。

宇都宮文星女子高校には「秀英特進科　英語留学コース」があり、1年間のオーストラリア留学と、帰国後の国際感覚を磨くための枠組みが整備されています。

様々な新しい枠組みに取り組む栃木県ですが、その英語教育には課題もあります。

まず、CEFR （ヨーロッパ言語共通参照枠）という評価軸があるのですが、これにおける1番基礎的なレベルはA1（初心者レベル）とされています（最高レベルはC2）。

文部科学省の示すデータをもとに以下の通りまとめてみましたが、栃木県の英語レベルはまだ目標には達していないことから、取り組みは道半ばということができそうです。