「上司」は英語でどう言う?ビジネスで使える「部下・同僚」の表現も解説
「上司」を英語で表現する場合、どのような単語を使うべきか迷ったことありませんか?
「上司」を指す英語表現の中には、カジュアルな響きがあるものや相手に不快な印象を与えかねない表現もあり、ビジネスシーンで使う際には注意が必要です。
そこでこの記事では「上司の英語表現」をテーマに、注意すべきポイントと「上司・部下・同僚」の英語表現を解説します。
この記事を読んで、グローバルな職場でも使える英語表現を身につけましょう。
注意したい「上司・部下」の英語表現
「上司」と「部下」という日本語は、上下関係がはっきりしています。
この日本語を英語にする際、上司は「superior」、部下は「subordinate」という単語に行き着くかもしれません。
しかし、これらの単語は上下関係や優劣が顕著に表れるため、使い方に気をつけましょう。
「superior」は、誰かと比べて優れている人を表した単語です。
「subordinate」は、誰かに付き従う人を表した単語です。
相手に不快感を与えかねないため、日常会話で使われることはほぼありません。
日本には上下関係を重んじる文化がありますが、英語圏の国は対等な関係づくりが好まれます。
年齢や役職の違いはあっても、フラットなコミュニケーションを取ることが多いため、「上司 / 部下」に対して「superior / subordinate」を使うのは極力避けましょう。
では、失礼にあたらない「上司・部下・同僚」の英語表現にはどのようなものがあるのか詳しく見ていきましょう。
「上司」を意味する英語表現4選
「上司」の英語表現として、多くの方が「boos」を最初に思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、「boss」以外にも「上司」を指す表現はあり、相手の役職やシチュエーションによって使い分ける必要があります。
カジュアルからフォーマルまで、「上司」を指す英語表現をご紹介します。
1. boss (カジュアルに上司)
「上司」の英語表現として、「boss」は日常的に広く使われている英単語です。
「boss(ボス)」と言うと男性の上司をイメージする方がいらっしゃるかもしれませんが、女性の上司に対しても用いることができます。
複数の上司を表す際、「boss」の複数形は「bosses」となる点に注意しましょう。
カジュアルな日常英会話で使われる一方、フォーマルなビジネスシーンでは避けた方が無難な表現です。
例文:
I had lunch with my boss yesterday.
(昨日、上司とランチをしました。)
Our boss is currently attending a meeting with the executive team.
(上司は現在、経営陣との会議に出席しています。)
「直属の上司のさらに上司」のことを英語で言いたい場合は、「big boss」という表現があります。
ただし、こちらもくだけた言い回しなので、友人との会話や本人がいない社内の雑談など、カジュアルな場面で使いましょう。
The man standing in front of the station is my big boss.
(駅の前に立っている男の人は私の上司の上司です。)
2. supervisor (現場の上司)
「supervisor」は「監督・管理する人」を意味する英単語で、「boss」よりもフォーマルな言い回しです。
日本でも「スーパーバイザー」とカタカナのまま使うことが増えてきました。
「supervisor」は、工場や店舗などで進捗状況を管理する「現場の監督者」という意味でよく使われる表現です。
日本での役職で表すと、主任クラスの上司に使われます。
例文:
I discussed my career goals with my supervisor yesterday.
(私は昨日上司と自分のキャリア目標について話し合いました。)
Please allow me to discuss this matter with my supervisor.
(この件については、上司と相談させてください。)
「直属の上司」と言いたい場合は、形容詞「immediate(直接の、じかの)」を使って表現できます。
This is my immediate supervisor, who is always supportive.
(こちらがいつもお世話になっている直属の上司です。)
3. manager (課長・部長クラスの上司)
「manager」も、「supervisor」同様に「管理者」という意味を持ちますが役割が異なります。
スーパーバイザーが現場を監督する人であるのに対し、マネージャーは組織や部門内をより広範囲に管理する立場の人を指します。
そのため役職のランクは、「manager」が「supervisor」よりも上です。
日本での役職で表すと、課長や部長クラスの上司に使われます。
例文:
She requested a meeting with her manager about an urgent problem.
(彼女は緊急の問題について上司との面談を希望しました。)
I need to report the recent progress of the project to my manager.
(プロジェクトの最近の進捗状況を上司に報告しなければなりません。)
4. director (部長・取締役クラスの上司)
「director」は「管理者」という意味のほかに、「部長、取締役、重役」といった意味があります。
役職ランクは、「director」が「manager」よりも上です。
例文:
My director gave me positive feedback.
(上司から前向きなフィードバックをもらいました。)
The director made a critical decision to enhance productivity and efficiency.
(上司は生産性と効率を高めるために重要な決断を下しました。)
「部下」を意味する英語表現2選
ここからは、ビジネスシーンで使える「部下」の英語表現を2つご紹介します。
上から目線に聞こえない言い回しをおさえておきましょう。
1. team member (チームメンバー)
前述したとおり、「部下」の英語表現として「subordinate」を使うと、上下関係が強調されてしまいます。
そのため、言い換え表現として「チームの一員」を意味する「team member」がしばしば 使われます。
Having excellent team members is very important for achieving success.
(成功を収めるためには、優秀な部下を持つことが非常に重要です。)
2. direct report (直属の部下)
部下は上司に対して業務報告をする責務があります。
そのような関係性から、「直属の部下」というニュアンスを持つ英語表現が「direct report」です。
He had a productive one-on-one meeting with his five direct reports.
(彼は5人の直属の部下と1対1の建設的なミーティングを行いました。)
この表現と関係の深い表現が「report to~」です。
「report to〜」は、「報告する」という意味で使われることもありますが、「〜の直属の部下である」という意味で使うこともできます。
「report」と「to」の間に副詞「directly」が入る場合もあります。
Following her promotion, she will report directly to Mr. Smith next month.
(昇進に伴い、彼女は来月からはスミス氏の直属の部下になります。)
「同僚」を意味する英語表現3選
ここからは「同僚」を表現する英語を3つご紹介します。
ニュアンスの違いをおさえて、関係性や場面に応じて使い分けましょう。
1. co-worker (カジュアルに同じ職場の同僚)
「co-worker」は「同じ職場で働く人」を意味する英語表現です 。
カジュアルで親しみを込めた響きがあります。
I still keep in touch with former co-workers.
(かつての同僚とは今でも連絡を取り合っています。)
2. colleague (フォーマルに同じ職業の同僚)
「co-worker」よりもフォーマルでプロフェッショナルな響きがある「同僚」の英語表現が、「colleague」です。
「colleague」が表す「同僚」は、同じ職場の人とは限らない点が「co-worker」とは違います。
職場に関係なく、同じ専門職の人や同業者のことを指すことができます。
I shared the idea with some of my colleagues.
(私はそのアイデアを何人かの同僚と共有しました。)
3. associate (仕事仲間)
「associate」は、共通の利益や目的のために働く仲間のことを意味する英語表現です。
「同僚」だけでなく「ビジネスパートナー」など、一緒に協力して働く人のことを広く表します。
Friends and associates describe me as a sincere and reliable person.
(友人や同僚は、私を誠実で信頼できる人間だと評しています。)
まとめ
英語圏の多くの企業では、上司であってもファーストネームで呼び合うのが一般的です。
しかし、「上司・部下・同僚」のことを誰かに話したり紹介したりするような場合は、上下関係を強調しすぎないように言い方を工夫する必要があります。
この記事で解説した英語表現を活用して、ビジネスシーンに応じた言い回しを使い分けましょう。