関係代名詞「which」と「that」の違いとは?意味や使い分けのルール

英語を学習していると、必ずと言っていいほど大きな壁として立ちはだかるのが「関係代名詞」です。
中でも「which」や「who」「whom」など、どれを使えばいいのか瞬時に判断するのは、慣れるまで少し難しく感じますよね。
そんな時にとても便利なのが、万能な関係代名詞である「that」です。「とりあえず迷ったら『that』を使っておけば間違いない!」と認識している方も多いのではないでしょうか?
しかし、実は「that」しか使えない場面や、逆に「that」を使ってはいけない場面が存在することをご存知でしょうか?
「なんとなく」で使っていると、いざという時のテストや、正確なニュアンスを伝えたいビジネスシーンなどで思わぬ間違いをしてしまうかもしれません。
この記事では、英語学習者が迷いがちな関係代名詞「which」と「that」の基本的な使い方から、絶対に知っておくべき「使い分けのルール」までを分かりやすく徹説します。
基礎編:万能な関係代名詞「that」の使い方
まずは、関係代名詞の基本である「that」の使い方からおさらいしていきましょう。
関係代名詞とは、簡単に言うと「名詞(先行詞)に、後ろから詳しい説明を付け足すための接着剤」のような役割を果たす言葉です。
「that」の最大の特徴は、説明を付け足したい名詞(先行詞)が「人・動物・物・事」のどれであっても区別なく使えるという点です。
「who(人)」と「which(物・動物)」の両方の役割を兼ね備えているため、非常に便利な関係代名詞として広く使われています。
関係代名詞には大きく分けて「主格」と「目的格」という2つの使い方があります。それぞれの構造を見ていきましょう。
主格の「that」(〜は、〜が)
主格とは、関係代名詞がその後ろに続く文章の中で「主語」として働くパターンのことです。
【基本の形:先行詞 + that + 動詞】
例文:I went to the restaurant that is famous in New York. (私はレストランに行きました。そこはニューヨークで有名です。)
この文章は、もともと以下の2つの独立した文章でした。
- I went to the restaurant.(私はレストランに行きました。)
- It is famous in New York.(それはニューヨークで有名です。)
1文目の「restaurant」と2文目の主語である「It」は同じものを指していますよね。この2文目の主語「It」を、接着剤である「that」に変えて2つの文をガッチャンコと合体させたのが上記の例文です。
目的格の「that」(〜を、〜に)
目的格とは、関係代名詞がその後ろに続く文章の中で「目的語」の役割を果たすパターンのことです。
【基本の形:先行詞 + that + 主語 + 動詞】
例文:This is the book that I bought yesterday. (この本は、私が昨日買ったものです。)
こちらも、元の2つの文章に分解してみましょう。
- This is the book.(これは本です。)
- I bought it yesterday.(私は昨日それを買いました。)
今度は2文目の目的語である「it」を「that」に変えます。関係代名詞は必ず「説明したい名詞(先行詞)」のすぐ後ろに置くルールがあるため、文の途中にある目的語を前(This is the bookのすぐ後ろ)に引っ張り出してきて合体させます。
日常会話では、この「目的格のthat」は省略されることが非常に多いです。ネイティブスピーカーは「This is the book I bought yesterday.」のように、thatを言わずにスラスラと話す傾向があることも覚えておきましょう。
基礎編:物・動物に使う関係代名詞「which」の使い方
続いて、もう一つの主役である「which」の使い方です。
「which」の特徴は、説明を付け足したい名詞(先行詞)が「人以外(物・動物・事)」の場合にのみ使えるという点です。人に使うことはできません。
使い方の構造自体は、先ほどの「that」と全く同じです。
主語をつなぐ関係代名詞の「which」(主格)
【基本の形:先行詞 + which + 動詞】
例文:I went to the restaurant which is famous in New York. (私はニューヨークで有名なレストランに行きました。)
先ほどの「that」の例文と全く同じ意味になります。名詞(restaurant)は「物・事」なので、「which」を使って説明を付け足すことができます。
目的語をつなぐ関係代名詞の「which」(目的格)
【基本の形:先行詞 + which + 主語 + 動詞】
例文:This is the book which I bought yesterday. (これは、私が昨日買った本です。)
こちらも「that」の例文と同様に、「it」を「which」に変えて合体させた形です。もちろん、この「which」も目的格なので、日常会話では省略することが可能です。
「which」と「that」の使い分け・徹底比較
基礎がわかったところで、本記事のメインテーマである「使い分け」について見ていきましょう。
実は、文章の構造や「何を説明したいか」によって、明確なルールが存在します。
① 「that」と「which」のどちらを使ってもいい場合(制限用法)
まず、これまで紹介してきた基本的な形のように「先行詞と関係代名詞の間にコンマ( , )がない」場合は、原則として「that」と「which」のどちらを使っても構いません。
例文:I saw a dog that(which)has blue eyes. (私は青い瞳の犬を見ました。)
この文章では、「that(which)has blue eyes」という関係代名詞のブロックが、「どんな犬なのか」を特定するための必須の情報として機能しています。
「ただの犬じゃなくて、青い瞳の犬だよ!」と限定しているわけです。
このように、名詞の意味をカチッと制限する使い方(制限用法)の場合、日常会話ではどちらを使っても全く問題ありません。
② 絶対に「that」を使わなければならない3つのケース
ここからが重要です。実は、「which」や「who」が使えず、「that」しか使えない(好まれる)絶対的なルールが3つあります。
ケース1:先行詞が「人 + 物(動物)」の場合
例文:I saw a man and a dog that were walking in the park.(私は、公園で歩いている男性と犬を見ました。)
先行詞が「男性(人)」と「犬(動物)」のセットになっていますよね。もし「who」を使うと犬が仲間外れになり、「which」を使うと男性が仲間外れになってしまいます。だからこそ、人にも動物にも使える万能な「that」の出番となるわけです。
ケース2:先行詞に「最上級」や特定の強調語が付いている場合
例文:This is the most comfortable bed that I’ve ever used. (これは、私が今まで使った中で最も快適なベッドです。)
先行詞に「the most comfortable(最も快適な)」という最上級の形容詞がくっついています。他にも、「the first(最初の)」「the only(唯一の)」「the very(まさにその)」といった言葉が先行詞についている場合も「that」を使います。
「that」には元々「あれ!」と強く指し示すニュアンスがあります。「他でもない、まさに一番のコレ!」と強く限定したい最上級などの表現とは、非常に相性が良いのです。
ケース3:先行詞が「all, everything, anything, nothing」などの場合
例文:Is it everything that you have? (あなたが持っているのは、これで全てですか?)
これもケース2と似ていて、「everything(全て)」という少しぼんやりした言葉を、「that」を使って「あなたが持っている(全て)」と強力に限定してあげる必要があるためです。
③ 絶対に「which」を使わなければならないケース(非制限用法)
最後に、「that」が使えず「which」しか使えないケースです。それはズバリ、先行詞と関係代名詞の間にコンマ( , )を置く場合です。
例文1:Last night, I read The Old Man and the Sea, which was very interesting. (昨夜、『老人と海』を読みました。それはとても面白かったです。)
例文2:This smartphone, which I bought three years ago, is heavier and slower than yours. (このスマートフォンは、3年前に買ったものなんだけど、あなたのより重くて動作が遅いです。)
コンマ( , )を使った関係代名詞は「非制限用法」と呼ばれ、「ちなみに〜なんだけどね」という、ちょっとした補足情報(おまけの付け足し)を表します。
例文1の『老人と海』も、例文2の「このスマートフォン」も、すでに「何の話をしているか」が特定されていますよね。
そのため、「that」を使って強く限定する必要がなく、「which」を使ってフワッと情報を付け加えるだけで良いのです。
※注意:コンマ( , )の後ろに「that」を置くことは文法的にNGとされています。
応用編:会話(口語)と文章(文語)でのニュアンスの違い
文法的なルールを学んだところで、少し実践的な話です。
実は、ネイティブスピーカーは日常会話と書き言葉で「that」と「which」を自然に使い分けています。
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日常英会話(カジュアル):圧倒的に「that」が人気! 口語では、発音しやすくリズムが良い「that」が好まれる傾向にあります。迷ったらとりあえず「that」を使っておけば、会話のキャッチボールはスムーズに進みます。
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ビジネスや論文(フォーマル):あえて「which」を選ぶ 一方で、ビジネスメールやレポート、ニュース記事などの書き言葉では「which」がよく使われます。「that」よりも客観的で、少しフォーマルで知的な響きがあるためです。
TPOに合わせて使い分けられるようになると、あなたの英語はさらにワンランクアップしますよ!
まとめ
「that」と「which」は、多くの場合入れ替えて使うことができますが、今回ご紹介したような「明確な使い分けのルール」を知っておくことで、より正確で自然な英語を話せるようになります。
- 基本はどちらを使ってもOK!(日常会話ではthatがよく省略される)
- 「人+動物/物」「最上級」「allやeverything」の後ろは絶対に「that」!
- コンマ( , )の後の補足説明には絶対に「which」!
知識をインプットした後は、実際の会話で使ってみる「アウトプット」が何よりも大切です。
「わかったつもり」で終わらせず、ぜひオンライン英会話などで積極的に声に出して練習してみましょう!
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