日本人の英語力は世界でどのくらい?低いと言われる理由と伸ばす方法を解説

「日本人は英語が苦手」と言われることがありますが、実際の英語力は世界と比べてどのくらいなのでしょうか。
国際比較では、日本の英語力が世界平均を下回る調査があります。しかし、「日本人は英語ができない」と一括りにするのは適切ではありません。
英語力はReading・Listening・Writing・Speakingに分けて考える必要があり、得意・不得意にも個人差があります。
この記事では、日本人の英語力を世界と比較しながら、低いと言われる理由や日本語と英語の違い、英語力を伸ばす方法を解説します。
日本人の英語力は本当に低い?
日本人の英語力については、「学校で長く勉強しているのに話せない」「海外と比べて英語力が低い」といった意見があります。
実際、国際的な英語能力調査では、日本が世界平均を下回る結果も出ています。
ただし、英語力を単純に「高い・低い」だけで判断することはできません。
英語には、
- Reading:読む
- Listening:聞く
- Writing:書く
- Speaking:話す
という4つの技能があります。
英文を読める人でも、会話では英語が出てこないことがあります。反対に、日常会話はできても複雑な英文を読むのが苦手な人もいるでしょう。
そのため、日本人の英語力を考えるときは、国際的なデータだけでなく「どの技能を測定しているのか」まで確認することが重要です。
日本の英語力は世界でどのくらい?
英語力の国際比較として知られている指標の一つが、EF English Proficiency Index(EF EPI)です。
現在公開されている日本のデータでは、スコアは446で世界96位となっており、世界平均の488を下回っています。
技能別では、
- Reading:454
- Listening:437
- Writing:394
- Speaking:393
となっています。
このデータを見る限り、日本は世界的に英語力が高いグループに位置しているとはいえません。特にSpeakingとWritingは、Readingより低い結果になっています。
ただし、ランキングを見る際には注意も必要です。
EF EPIは世界中のすべての人を無作為に選んで実施した調査ではなく、EFの英語テストを受験した成人の結果を基にしています。
そのため、「日本人全員の英語力が世界96位」という意味ではありません。
国際比較は、日本の英語力の傾向を考えるための一つの参考資料として活用しましょう。
日本人の英語力を4技能で考えてみよう
「英語ができる」という言葉には、さまざまな能力が含まれています。
例えばReadingでは、知らない単語を前後の文脈から推測したり、文章を読み返したりできます。一方、Listeningでは英語が流れていくため、その場で意味を理解しなければなりません。
Speakingではさらに、
相手の英語を聞く
↓
意味を理解する
内容
↓
何を答えるか考える
英文
↓
英語にする
発話
↓
声に出す
という処理を短時間で行います。
Writingも、自分で単語や文法を選びながら英文を組み立てる力が必要です。
このように、同じ「英語力」でも必要になる能力は異なります。
「英文は読めるのに英語を話せない」という場合も、英語力がまったくないのではなく、知識をSpeakingで使う練習が不足している可能性があります。
日本人の英語力が低いと言われる7つの理由
日本人の英語力について考えるときは、個人の能力だけでなく、英語を学ぶ環境にも目を向ける必要があります。
1. 日常生活で英語を使う必要性が少ない
日本では、日常生活の多くを日本語だけで送ることができます。
買い物、病院、役所、学校、仕事などでも、基本的には日本語でコミュニケーションできます。
英語を勉強していても、学習時間以外で英語を使う機会が少なくなりやすい環境です。
2. 英語を話す時間が不足しやすい
英単語や英文法を覚えることと、実際に会話で使うことは同じではありません。
Speakingを伸ばすには、自分で英文を作り、声に出し、相手の反応に合わせて答える経験が必要です。
英語を勉強する時間が長くても、実際に話す時間が少なければSpeakingには慣れにくいでしょう。
3. 日本語と英語の言語的な違いが大きい
日本語と英語には、語順や音、文字など多くの違いがあります。
例えば、
I study English every day.
(私は毎日英語を勉強します。)
では、英語は主語のあとに動詞が続きます。
日本語とは基本的な語順が異なるため、日本語の文をそのまま英語へ置き換えようとすると時間がかかることがあります。
4. 英語特有の発音・音声変化に慣れていない
英語には、日本語にはない音が数多くあります。
さらに実際の会話では、単語を一語ずつ区切って発音するとは限りません。
音がつながったり、弱くなったりするため、単語を文字では知っているのに会話では聞き取れないことがあります。
5. 知識を実際の会話で使う練習が不足している
例えば「experience」という単語の意味を知っていても、会話中に必要なタイミングですぐ使えるとは限りません。
知識として覚えることと、瞬時に取り出して使うことには違いがあります。
Speakingでは「知っている英語」を「使える英語」に変える練習が必要です。
6. 間違いを気にして発言を控えやすい
「文法を間違えたらどうしよう」「発音がおかしいと思われないかな」と考えすぎると、英語を話す回数そのものが減ってしまいます。
Speakingの練習では、間違えたあとに修正することも学習の一部です。
最初から完璧な英文を作ることだけを目標にしないようにしましょう。
7. 「正しい英語」を作ってから話そうとする
頭の中で完璧な英文を完成させてから話そうとすると、会話のテンポについていけなくなることがあります。
例えば、
I went to Kyoto last weekend.
(先週末、京都へ行きました。)
のような短い英文でも、十分に会話は始められます。
まず伝え、そのあと必要な情報を追加する考え方が大切です。
日本語と英語は何が違う?
日本人が英語を難しいと感じる背景には、日本語と英語の違いがあります。
代表的なのは語順です。
日本語では「私は・英語を・勉強します」という順番ですが、英語では「I・study・English」のように、主語のあとに動詞が来ます。
また、英語には日本語にはない音があり、アクセントやリズムの仕組みも異なります。
文字についても、日本語はひらがな・カタカナ・漢字を使うのに対し、英語ではアルファベットを使用します。
つまり、日本人だから英語を習得できないのではありません。
母語である日本語と英語の仕組みが大きく異なるため、新しく身につけなければならない要素が多いと考えると分かりやすいでしょう。
海外の人はなぜ英語を話せるように見える?
海外へ行くと、「日本人以外はみんな英語を話している」と感じることがあるかもしれません。しかし、外国人だから英語が得意とは限りません。
世界には英語を母語としない人も多く、英語が苦手な人もいます。
違いの一つとして考えられるのが、英語を使う環境です。
国や地域によっては、
- 学校
- 仕事
- 観光
- インターネット
- 映画・音楽
- 海外との交流
などを通じて、英語に触れる機会が多くあります。
英語を「勉強する科目」としてだけでなく、「ほかの国の人と話すための共通言語」として使う機会が多ければ、実践経験も増えやすくなります。
非英語圏でも英語力が高い国があるのはなぜ?
英語力を比較するときに注意したいのが、「日本人と英語母語話者」だけを比べないことです。
英語を母語としない国でも、高い英語力を示す国や地域があります。
背景には、教育だけでなく、
- 英語を使う必要性
- 他国との交流
- 多言語環境
- 英語コンテンツへの接触
- 仕事で英語を使う機会
など複数の要因があります。
つまり、「学校で何年間英語を勉強したか」だけでは英語力を説明できません。学校外を含めて、どのくらい英語に触れ、実際に使っているかも重要です。
「英語が読めるのに話せない」のはなぜ?
英文は理解できるのに、英会話になると急に難しく感じる人もいます。
理由の一つは、使える時間の違いです。
Readingなら、
英文
↓
読む
分からない
↓
読み直す
単語
↓
意味を考える
ということができます。
しかしSpeakingでは、相手との会話が続いているため、長時間考えることはできません。
つまり「知識がない」のではなく、「知識を瞬時に取り出せない」ケースがあります。
この場合は新しい知識を増やすだけでなく、すでに知っている単語や文法を使って英文を作る練習が必要です。
日本人は英語のReadingが得意なの?
「日本人はReadingが得意」と一括りにすることはできません。
ただし、現在公開されているEF EPIの日本の技能別データでは、Readingは454、Speakingは393となっています。
少なくともこの調査では、SpeakingよりReadingのスコアが高い結果です。
しかし、これは日本人全員がReadingを得意としていることを意味するわけではありません。
自分の英語力を考える場合は、国全体の傾向よりも「自分が英文をどのくらい読めるか」を確認することが重要です。
日本人は英語のSpeakingが苦手なの?
Speakingを難しいと感じる日本人はいますが、「日本人だから話せない」と考える必要はありません。
Speakingでは、
聞く
↓
理解する
考える
↓
内容を決める
英文
↓
組み立てる
発音
↓
声に出す
という処理を短時間で行います。
英単語や英文法の知識があっても、この一連の流れに慣れていなければスムーズには話せません。
Speakingを伸ばしたい場合は、実際に話す練習を増やすことが重要です。
英語力は「知っている量」だけでは決まらない
英語学習では、知識と運用を分けて考えてみましょう。
例えば、
英単語を知っている
≠
会話で瞬時に使える
英文法を知っている
≠
すぐ英文を作れる
英文を読める
≠
同じ文章を音声で理解できる
という違いがあります。
もちろん、単語や文法の基礎知識は必要です。
しかし、英語を実際に使えるようになるには、その知識をReading・Listening・Writing・Speakingで使う練習も必要になります。
日本人の英語力を伸ばす方法7選
ここからは、自分の英語力を伸ばすために取り組みたい方法を紹介します。
1. 自分の弱い技能を確認する
最初に「英語が苦手」とまとめず、何が苦手なのか確認します。
Reading・Listening・Writing・Speakingに分けるだけでも、必要な勉強が見えやすくなります。
さらに「Listeningの中でも速い会話が苦手」など、具体的にすると効果的です。
2. 基礎語彙・文法を固める
英語を使うためには、基本的な英単語と英文法が必要です。
難しい表現を大量に覚える前に、日常的によく使う単語や基本文法を理解し、自分でも使える状態を目指しましょう。
3. 英語を毎日聞く
Listeningを伸ばすには、英語の音へ慣れる時間を増やします。
教材だけでなく、自分のレベルに合った動画やPodcastなどを使う方法もあります。
最初は短時間でも構いません。
継続して英語の音に触れることが大切です。
4. 音読して英語の音に慣れる
音読では、英文を見ながら実際に声へ出します。
黙読だけでは意識しにくい発音やリズム、英文のまとまりを確認できます。
音声付き教材なら、音源を聞いてから同じ文章を読むとよいでしょう。
5. 短い英文を自分で作る
SpeakingやWritingを伸ばしたい場合は、自分で英文を作る練習が必要です。
例えば、
I worked from home today.
(今日は在宅勤務でした。)
I was very busy.
(とても忙しかったです。)
のように、身近な出来事を短い英文にしてみましょう。
6. 実際に英語を話す時間を作る
Speakingを伸ばしたいなら、実際に声へ出して会話する時間を作ります。
知っている英語をその場で思い出し、相手へ伝える経験が重要だからです。
オンライン英会話などを利用すれば、日本にいながら英語を話す機会を作れます。
7. 間違いを修正しながら使い続ける
間違えないようになるまで話さないのではなく、実際に使いながら修正します。
例えば会話で文法を間違えたら、
間違える
↓
指摘してもらう
確認
↓
正しい表現を知る
もう一度
↓
実際に使う
という流れで覚えましょう。
間違いを学習材料に変えることがポイントです。
日本人が特にSpeakingを伸ばすには?
Speakingを伸ばすには、インプットした英語を自分で取り出す練習が必要です。
例えば、
知識
↓
英単語・英文法を覚える
思考
↓
何を伝えるか決める
英文
↓
知っている英語で作る
発話
↓
声に出す
会話
↓
相手の反応に答える
という流れを繰り返します。
特に大切なのは、「簡単な英語をすぐ使う」ことです。
難しい単語を思い出すまで黙るより、知っている表現を使って短く伝える練習を増やしましょう。
英語を話す機会を増やすには?
日本で生活していると、自然に英語を話す機会が増えるとは限りません。
そのため、自分から英語を使う環境を作ります。
例えば、
- オンライン英会話を受ける
- 英語で独り言を話す
- 英語日記を書いて音読する
- 国際交流イベントへ参加する
- 英語の動画やSNSを見る
- 英語で自分の意見を話す
などがあります。
毎日海外の人と長時間話す必要はありません。
英語を「勉強する時間」だけでなく「使う時間」を少しずつ増やすことが重要です。
海外へ行けば英語力は上がる?
海外へ行けば英語を使う機会は増えやすくなります。
しかし、海外へ行くだけで自動的に英語力が上がるわけではありません。
日本語だけで生活できる環境を選べば、英語を話す時間が少なくなることもあります。
反対に、日本にいてもオンライン英会話や英語コンテンツなどを活用すれば、英語に触れる時間を増やせます。
場所だけではなく、「どのくらい英語を使うか」が重要です。
英語力を海外の人と比べすぎなくていい理由
国際ランキングは、日本全体の傾向を知るためには参考になります。
しかし、自分の英語力を判断する基準とは別です。
日本の順位
↓
国全体を見る指標
自分の英語力
↓
個人の能力
だからです。
例えば海外旅行で英語を使いたい人と、海外企業との商談で英語を使いたい人では、必要な英語力が違います。
「海外の人より話せるか」ではなく、「自分が英語で何をしたいか」を基準に考えましょう。
自分の英語力を判断する3つの基準
自分の英語力を確認するときは、次の3つの基準で考えると分かりやすくなります。
1. 何ができるか
例えば、
- 英文記事を読める
- 海外旅行で質問できる
- 英語メールを書ける
- 日常会話ができる
などです。
できることを具体的に確認します。
2. どの場面で使えるか
同じSpeakingでも、自己紹介とビジネス会議では必要な英語が異なります。
「日常会話なら話せるけれど、仕事の説明は難しい」のように場面ごとに考えましょう。
3. 何がまだできないか
できないことも具体的にします。
「英語ができない」ではなく、
「速い会話を聞き取れない」
「長く自分の意見を話せない」
などと整理します。
課題が具体的になれば、次に取り組む学習も選びやすくなります。
日本人の英語力についてよくある質問
日本人の英語力は本当に低いですか?
国際的な英語能力調査では、日本が世界平均を下回る結果があります。
ただし、調査対象や測定方法によって結果は異なるため、「日本人全員の英語力が低い」と一括りにはできません。
日本の英語力は世界で何位ですか?
現在公開されているEF EPIでは、日本はスコア446で世界96位となっています。
ただし、この順位はEFの英語テスト受験者を基にした指標であり、日本人全員を対象にした順位ではありません。
日本人はなぜ英語が苦手なのですか?
日常生活で英語を使う機会が少ないことや、日本語と英語の言語的な違い、実際に英語を話す経験の不足など複数の要因が考えられます。
一つの原因だけで説明することはできません。
日本人はなぜ英語を話せないと言われるのですか?
英単語や英文法を知っていても、会話で瞬時に使うには別の練習が必要だからです。
Speakingでは、相手の英語を理解し、自分の回答を考え、英文を作って発話する処理を短時間で行います。
日本人はReadingが得意ですか?
日本人全体がReadingを得意としているとは断定できません。
ただし、現在のEF EPIの日本の技能別データでは、ReadingはSpeakingより高いスコアとなっています。
日本人はSpeakingが苦手ですか?
Speakingに苦手意識を持つ人はいますが、日本人だから話せないわけではありません。
実際に英文を作り、声に出し、相手とやり取りする経験を増やすことが重要です。
日本人は英語の読み書きはできるのですか?
個人差があります。
学校で英語を学んだ経験があっても、Reading・Writingの能力は学習量や使用経験によって異なります。
海外の人はなぜ英語を話せるのですか?
海外の人すべてが英語を話せるわけではありません。
国や地域によって、学校・仕事・観光・他国との交流などで英語を使う必要性や頻度が異なります。
非英語圏でも英語力が高い国があるのはなぜですか?
教育環境だけでなく、英語を使う必要性や他国との交流、多言語環境、英語コンテンツへの接触量など複数の要因が関係します。
日本の英語教育に問題があるのですか?
日本の英語力を学校教育だけで説明することはできません。
学校外で英語を使う機会や学習方法、個人の学習量なども英語力に影響します。
日本にいても英語を話せるようになりますか?
可能です。
オンライン英会話や英語音声、独り言などを活用すれば、日本にいながらListeningやSpeakingを練習する環境を作れます。
海外へ行けば英語力は伸びますか?
海外では英語を使う機会が増える可能性がありますが、滞在するだけで必ず伸びるわけではありません。
実際に英語を使い、学習を続けることが重要です。
日本人が英語力を上げるには何をすればいいですか?
まずReading・Listening・Writing・Speakingのうち、どこに課題があるか確認しましょう。
そのうえで基礎知識を身につけ、弱い技能を実際に使う時間を増やすことが大切です。
まとめ
日本人の英語力については、「日本人は英語ができない」と単純に考えないことが重要です。
国際比較
↓
日本が世界平均を下回る調査がある
ただし
↓
調査対象・方法に注意する
英語力
↓
4技能に分ける
課題
↓
人によって異なる
日本の環境
↓
英語を使う機会が少なくなりやすい
個人
↓
必要な技能を練習する
という流れで考えましょう。
国際ランキングは、日本の英語力の傾向を知る参考になります。
しかし、ランキングだけでは「自分が何を勉強すればいいのか」は分かりません。
Reading・Listening・Writing・Speakingの中から自分の課題を見つけ、必要な英語を実際に使う練習につなげることが大切です。















