英語の「節」とは? 句・文との違いや3種類の節の使い方も詳しく解説
英語学習をしていて、こんな疑問や経験はありませんか?
- 長い英文になると、どこで意味を区切ればいいのかわからない
- 「句」と「節」の違いを説明できない
- 名詞節・形容詞節・副詞節の使い分けがはっきりしない
これらの原因のひとつは「節」の理解不足によるものです。
節とは主語と動詞を含む語のまとまりで、英文の骨組みを作る重要な要素です。
しかし、節と句、節と文の違いがあいまいなままだと、英文の構造を正確に読み解けず、読解・英作文・会話のすべてに影響します。
この記事では、英語の節とは何かを基礎から丁寧に解説し、句や文との違い、さらに名詞節・形容詞節・副詞節の特徴と使い方まで、例文つきでわかりやすく紹介します。
節の仕組みを理解すれば、英文を「意味のかたまり」でとらえられるようになり、長文読解も英作文もスムーズになります。
この記事を通して節を理解し、自信を持って英文を読みこなせる力を身につけましょう。
英語の「節」とは?
「節(clause)」とは、「主語(S)と動詞(V)」を含む語のまとまりです。
節は、単体で意味が通じることもあれば、文の一部として使われることもあります。
(私は彼女が親切だと思っています。)
ここでは 「that she is kind」 が名詞節として、「I think」の目的語になっています。
英語の節と句の違いは?
「句(phrase)」は、2語以上で構成される語のまとまりですが、主語や動詞を含まないのが最大の特徴です。
句は文の中で名詞・形容詞・副詞のような役割を果たします。
節と句の違い
- 節:主語+動詞を含む
- 句:主語や動詞を含まない
句の例
- a glass of water(一杯の水) → 名詞句
- very interesting(とても面白い) → 形容詞句
- in the morning(朝に) → 副詞句
英語の節と文の違い
「文(sentence)」とは「主語+動詞」を基本とし、それ単体で意味が完結して伝わる表現のことです。
She likes coffee.
(彼女はコーヒーが好きです。)
「主語(She)」と「動詞(likes)」があり、これだけで意味が通じる完結した1文です。
一方、節は「主語+動詞」ですが、意味が完結しない場合があります。
例文:
節:when I arrived
(私が到着したとき)
文:I arrived.
(私は到着しました。)
「節」は、「主語(I)」と「動詞(arrived)」を含んでいますが、「いつ何が起きたのか」が不明確で、この部分だけでは意味が完結していません。
一方で「文」は同じ動詞を使っていますが、「私は到着した」と主語と動詞だけで完全な意味が通じるようになっています。
つまり、節は「文の構成要素」となるために不完全な形になるときもあり、文とは異なる性質を持っているという点が大きな違いです。
英語の節の種類|名詞節・形容詞節・副詞節の意味と使い方
節には、名詞節・形容詞節・副詞節の3種類の働きがあります。
ここではそれぞれ解説していきます。
名詞節とは|名詞の働きをする節
名詞節は、主語・目的語・補語の位置に入り、名詞と同じように扱われます。
主な接続詞
that, what, whether, why, how, if など
What he said surprised everyone.
(彼が言ったことは、みんなを驚かせました。)
名詞節 「What he said」が主語として働いています。
I don’t know why she left.
(なぜ彼女が去ったのか私は知りません。)
名詞節「why she left」が目的語の位置にあります。
形容詞節とは|名詞を修飾する節
形容詞節は、直前の名詞を説明・修飾する役割を持ちます。
関係詞で始まることが多く「関係詞節」とも呼ばれます。
主な接続詞
who, that, which, where など
The book that you lent me was great.
(あなたが貸してくれた本は素晴らしかったです。)
「that you lent me」が「the book」を修飾しています。
She met a man who speaks five languages.
(彼女は5か国語を話す男性に会いました。)
「who speaks five languages」が「a man」を修飾しています。
副詞節とは|時・理由・条件などを説明する節
副詞節は、文全体や動詞・形容詞を修飾する節で「いつ・なぜ・どのように・条件」などの情報を加えます。
主な接続詞
when, because, although, if, while, since など
I’ll call you when I arrive.
(到着したら電話します。)
「when I arrive」は時を表す副詞節です。
Although it was raining, we went out.
(雨が降っていましたが、私たちは外出しました。)
「Although it was raining」は譲歩(逆接)を表しています。
英語の節を理解する5つのメリット|読解・英作文・会話力アップ
名詞節・形容詞節・副詞節の違いを見分けられるようになると、英語の文構造がクリアに見えるようになります。
まるで英文に「設計図」が現れたかのように、「読む・書く・話す」の力が底上げされます。
ここでは、その具体的なメリットを5つご紹介します。
1. 読解力アップ:英文の構造が「意味のかたまり」で読めるようになる
節の働きがわかれば、文をどこで区切ってどう理解するかが見えてきます。
特に、長い英文や複雑な文構造に強くなります。
I believe that what she said was true.
(私は、彼女が言ったことは本当だったと信じています。)
「that what she said was true」は名詞節。
主語や目的語のかたまりとして扱えます。
2. 英作文力アップ:正確で自然な英文が書けるようになる
節を使いこなせると、自然な表現で、自分の考えや情報を「〜ということ」「〜な人」「〜だから」などと詳しく伝えることができます。
I don’t know why he left.
(なぜ彼が去ったのか分かりません。)
「why he left」が副詞節として理由を表し、文章全体に具体性を加えています。
3. 接続詞の使い分けがスムーズになり、文法ミスを減らせる
「that」「who」「because」などの接続詞には、それぞれつなげられる節の種類が決まっています。
つまり、選ぶ接続詞によって、その節が文の中で担う役割(名詞節・形容詞節・副詞節)が自然と決まるのです。
接続詞の使い方を正しく理解すれば、文の構造がより自然になり、文法ミスも大幅に減らせます。
that:名詞節を導く
I think that he is right.
(彼が正しいと思います。)
who / which:形容詞節(関係詞)を導く
The person who helped me was kind.
(私を助けてくれた人は親切でした。)
because / if / when:副詞節を導く
Because he was tired, he went home.
(彼は疲れていたので、家に帰りました。)
4. TOEIC・英検®・大学入試の読解問題で強くなる
試験では複文(複数の節を含む文)が頻出です。
節の構造が見抜けると、正確かつスピーディーに内容を把握できます。
The company believes that the new system will improve efficiency.
(その会社は、新しいシステムが効率を改善すると考えています。)
「that〜」の名詞節が動詞「believes」の目的語になっています。
5. 会話やリスニングで、自然な表現が理解・使用できるようになる
日常会話では、「なぜ?」「いつ?」「誰が?」といった情報を伝えるのに節がよく使われます。
節を使えば、短文だけでなく、自然な複文で会話の幅が広がります。
例文:
I heard that she got married.
(彼女が結婚したって聞きました。)
I’ll come if I finish work early.
(早く仕事が終わったら行きます。)
まとめ|「節」を理解すると英文がクリアに見える
英語の節は、文を組み立てる最も重要な要素です。
「主語+動詞」を含むこのまとまりは、名詞のように働いたり、名詞を修飾したり、文全体の意味を補足したりと、多彩な役割を持ちます。
今回ご紹介したように、節と句、節と文の違いを押さえ、名詞節・形容詞節・副詞節の特徴を理解すれば、英文は単なる単語の羅列ではなく「意味のかたまり」として見えるようになります。
それによって、長文読解のスピードも上がり、自然で正確、かつ複雑な英文を書けるようになります。
接続詞の使い方や節の役割を意識しながら英文を読む・書く練習を続ければ、試験対策だけでなく、日常会話やビジネス英語でも表現の幅がぐんと広がります。
まずは、身近な英文から「これはどんな節か?」を観察する習慣をつけてみましょう。節の視点を持つことが、英語力全体を底上げする近道です。