英語の不定詞とは?基本から応用・動名詞との違いまでわかりやすく解説

英語の不定詞は、英語を学ぶ上で絶対に避けては通れない、非常に重要な文法項目のひとつです。
「文法」と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、不定詞をしっかりと理解することで、簡単な日常会話から、ビジネス英語、旅行先でのコミュニケーション、さらには学術的な文章まで、幅広いシチュエーションで役立つ表現力を身につけることができます。
たとえば、普段の生活でこんなフレーズを使ったり、言いたいと思ったりしたことはありませんか?
「外国人と話せるようになるために、英会話スクールへ行く」
「次の休みには、海外旅行に行きたい」
「今日は片付けなければならない仕事がたくさんある」
実は、これらの表現を英語にするためには「不定詞」の知識が欠かせません。不定詞は単なる退屈な文法ルールではなく、あなたの「希望」や「目的」「理由」を相手に的確に伝えるための、非常に強力で便利なツールなのです。
この記事では、英語の不定詞の基本から応用、そして学習者がつまずきやすい「動名詞との違い」まで、具体例を交えながら分かりやすく徹底的に解説していきます。
不定詞をマスターし、表現の幅を広げて、さらに英語力に磨きをかけていきましょう。
英語の不定詞とは?
英語の不定詞とは、ずばり「to + 動詞の原形」の形をとる文法項目のことを指します。
たとえば、「食べる」という動詞「eat」にtoをつけて「to eat」としたり、「勉強する」という動詞「study」を使って「to study」といった形にしたりして使われます。
【なぜ「不定」詞と呼ばれるの?】
そもそも、なぜ「不定」という名前がついているのでしょうか。
通常の動詞は、主語が「I」なのか「He」なのか(人称)、単数か複数か、あるいは現在形か過去形かによって、形が「定まり」ます(例:I play / He plays / He played)。
しかし、「to + 動詞の原形」のセットは、主語が誰であろうと、文の時制がいつであろうと、常に形が変化せず「定まっていない(限定されない)」ため、「不定詞(infinitive)」と呼ばれているのです。
この「to + 動詞の原形」である不定詞には、大きく分けて次の3つの重要な用法(役割)があります。
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名詞的用法:「〜すること」という意味で使われ、文の中で名詞と同じ働きをする。
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形容詞的用法:名詞の後ろにくっついて名詞を修飾し、「〜するための」「〜すべき」という意味をもつ。
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副詞的用法:動詞や形容詞、文全体を修飾し、「〜するために」「〜して」という意味を表す。
このように不定詞は、たったひとつの形(to + 動詞の原形)でありながら、名詞、形容詞、副詞という3つの異なる品詞に変身し、私たちが伝えたい感情や意図を柔軟に表現する助けとなります。
次に、これら3つの使い方について、具体的な例文を挙げながらさらに詳しく解説していきます。
英語の不定詞の3つの使い方を徹底解説
英語の不定詞の基本となる「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」について、どのような場面でどう使うのかを見ていきましょう。
(1) 名詞的用法(「~すること」)
不定詞の名詞的用法では、動作を「〜すること」という名詞の扱いに変えることができます。
たとえば、動詞「eat(食べる)」を「to eat」という不定詞にすることで、「食べること」という名詞に変わります。
名詞になるということは、文の中で「主語」「目的語」「補語」として機能できるということです。それぞれのパターンを見てみましょう。
①「主語」としての不定詞
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To study English is interesting. (英語を勉強することは楽しいです。)
ここでは、「to study English(英語を勉強すること)」という不定詞のカタマリが、文全体の主語の役割を果たしています。
②「目的語」としての不定詞
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He hopes to travel to Japan next year. (彼は来年日本に旅行することを望んでいます。)
「目的語」とは、動詞の行為が向かう先(〜を)を示す言葉のことです。ここでは、「to travel(旅行すること)」が、動詞「hopes(望む)」の目的語として機能しています。つまり「何を望んでいるの?」に対する答えが不定詞になっています。
③「補語」としての不定詞
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His dream is to become a doctor. (彼の夢は医者になることです。)
「補語」とは、文の中で主語や目的語が「何なのか」を説明し、補足する言葉のことです。この文では、「to become a doctor(医者になること)」が補語となり、主語である「His dream(彼の夢)」=「医者になること」という関係性を成り立たせています。
(2) 形容詞的用法(「~するための」「~すべき」)
不定詞の形容詞的用法は、名詞を後ろから修飾し、「〜するための」「〜すべき」という意味を表します。
この用法を使うことで、ただの名詞に具体性や「何に使うものなのか」という目的の情報を付け加えることができます。英語では、修飾する名詞の直後に不定詞を置くのがルールです。
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I have some emails to answer. (私には返信すべきメールがいくつかあります。)
不定詞「to answer」が直前の「some emails」を修飾し、「どのようなメールか(=返信すべきメール)」を詳しく説明しています。
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I need some time to travel around the world. (私は世界中を旅行するための時間が必要です。)
「to travel around the world」が直前の「some time」を修飾し、「どのような時間か」を説明しています。
【要注意】前置詞で終わる形容詞的用法
形容詞的用法で、日本人が非常によく間違えるポイントがあります。それが「前置詞」の抜け落ちです。
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誤:I want a house to live.
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正:I want a house to live in. (私は住むための家が欲しい。)
なぜ「in」が必要なのでしょうか。それは、元の関係を考えると「live a house」ではなく「live in a house(家の中に住む)」だからです。
このように、修飾される名詞(a house)と不定詞の動詞(live)の間に前置詞が必要な関係の場合は、不定詞の最後に必ず前置詞を残さなければなりません。
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例:I need something to write with.(何か書くもの[ペンなど]が必要だ。) ※「write with something(何かを使って書く)」という関係性のため、withが必要です。
(3) 副詞的用法(「~するために」「~して」)
不定詞の副詞的用法は、動詞や形容詞を修飾します。
この用法では、動作の「目的」や「結果」、感情の「原因・理由」などを表し、文に豊かな背景情報を与えます。
①「目的」を表す例(~するために)
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I went to the cafe to see my friend. (私は友達に会うためにカフェに行きました。)
この例文では、「to see my friend(友達に会うために)」が動詞「went」を修飾し、なぜカフェに行ったのかという「目的」を説明しています。
②「感情の原因」を表す例(~して)
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I am sad to hear the news. (そのニュースを聞いて悲しいです。)
不定詞「to hear the news」が形容詞「sad(悲しい)」を修飾し、「なぜ悲しいのか」という感情の理由を説明しています。
他にも「glad to meet you(会えて嬉しい)」や「surprised to see it(それを見て驚いた)」など、日常英会話で頻繁に使われる定番の表現です。
③「結果」を表す例(~して、その結果…になった)
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She grew up to be a doctor. (彼女は成長して医者になった。)
この文は「医者になるために成長した」と訳すと不自然になります。ここでは「to be a doctor」が「grew up」の結果を表しており、「成長して、結果として医者になった」という意味になります。「awake to find…(目を覚ますと…だと気づく)」などもこの用法の代表例です。
④「判断の根拠」を表す例(~するなんて)
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He must be a genius to solve the puzzle. (そのパズルを解くなんて、彼は天才に違いない。)
「to solve(解くなんて)」が、「must be a genius(天才に違いない)」と判断した根拠を示しています。
会話の幅が広がる!不定詞の重要な表現
基本の3用法を理解したところで、ここからは不定詞の応用的な使い方を学びましょう。
「否定形」「疑問詞との組み合わせ」「原形不定詞」に加えて、学習者がよく混乱する「意味上の主語」や、そのまま使える便利なフレーズ「独立不定詞」といった重要な表現を具体例とともに解説します。
(1) 不定詞の否定形(not to / never to)
「~しないこと」「~しないために」と、不定詞の内容を否定したい場合は、「not」を「to」の直前に置きます。「don’t to」や「to not」にはならない点に注意しましょう。
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I decided not to take the new job offer. (私は新しい仕事のオファーを受けないことにした。)
この文では、「not to」が「take the new job offer(オファーを受けること)」を否定し、「受けないこと」を決定したという内容を明確にしています。
さらに強い否定(決して~しない)を表したい場合は、notの代わりに「never」を使います。
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例:He promised never to tell a lie.(彼は二度と嘘をつかないと約束した。)
(2) 疑問詞 + 不定詞
不定詞は疑問詞(what、how、whereなど)と組み合わせることで、「何を~すべきか」「どうやって~するか」といった具体的な行動や方法をスッキリと表現できます。
日常会話で非常に頻繁に使われる便利な形です。
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what to do(何をすべきか) I don’t know what to buy for my mother’s birthday. (母の誕生日に何を買ったらよいか分かりません。)
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how to do(どうやって~するか/~の仕方) Can you tell me how to make this cake? (このケーキを作る方法[作り方]を教えてくれますか?)
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where to do(どこへ行くべきか/どこで~すべきか) I haven’t decided where to go for my vacation. (休暇でどこへ行くべきか、まだ決めていません。)
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when to do(いつ~すべきか) Please tell me when to start the meeting. (いつ会議を始めるべきか教えてください。)
(3) 原形不定詞(toのない不定詞)
実は、不定詞には「to」を省いた動詞の原形だけで不定詞の役割を果たす「原形不定詞」という特殊な形があります。これは主に「使役動詞」や「知覚動詞」と呼ばれる特定の動詞と組み合わせて使われます。
① 使役動詞(make, have, let:人に~させる)
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I made my brother clean the room. (私は弟に部屋を掃除させた。) ※強制的に掃除させた(make)というニュアンス。「to clean」ではなく「clean」になるのがポイントです。
② 知覚動詞(see, hear, feel:人が~するのを見る/聞く/感じる)
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I saw him run across the street. (私は彼が通りを走り渡るのを見た。) ※彼が走る(run)という動作を最初から最後まで見た、という意味になります。
(4) 【要注意】不定詞の「意味上の主語」(for 人 / of 人)
不定詞を学ぶ上で非常に重要なのが「誰がその動作をするのか」という点です。
通常、文の主語と不定詞の動作主は同じですが、異なる場合には「for + 人」を使って「意味上の主語」を明記する必要があります。
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It is difficult for me to speak English fluently. (私にとって、英語を流暢に話すことは難しいです。)
この文では、難しい(difficult)のは一般的な事実ではなく、「私にとって(for me)」だと限定しています。「speak」するのは「me(私)」だという関係性を明確にするための「for + 人」です。
ただし、「kind(親切な)」「stupid(愚かな)」など、人の性格や性質を表す形容詞が来る場合のみ、「for」ではなく「of」を使います。
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It is kind of you to help me. (私を手伝ってくれるなんて、あなたは親切ですね。)
(5) 文全体を修飾する「独立不定詞」
不定詞の中には、文全体を修飾する決まり文句として使われるものがあります。
これらは「独立不定詞」と呼ばれ、会話や文章のつなぎ言葉としてそのまま暗記して使える便利なフレーズです。
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To tell the truth, I don’t like him.(実を言うと、彼が好きではありません。)
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To begin with, it is too expensive.(まず第一に、それは高すぎます。)
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To make matters worse, it started raining.(さらに悪いことに、雨が降り出しました。)
不定詞(to do)と動名詞(-ing)の違い
英語学習者が不定詞で最も悩むポイントのひとつが、「不定詞(to do)」と「動名詞(動詞の-ing形)」の使い分けです。
どちらも「~すること」と訳せますが、実は明確なニュアンスの違いがあります。
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不定詞(to do)のニュアンス:「未来志向」「まだ起きていないこと」「これからすること」
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動名詞(-ing)のニュアンス:「過去志向」「すでに起きていること」「反復的・現実的なこと」
この事実に基づいた文法ルールを知っておくと、動詞によってどちらを使うべきかがスッキリと理解できます。
(1) 不定詞だけを目的語にとる動詞(未来志向)
これから先のことを表す動詞は、未来志向の「不定詞」と相性が良いです。
【代表的な動詞】
want(~したい)
hope(~を望む)
decide(~を決める)
plan(~を計画する)
promise(~を約束する)など。
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I decided to study abroad. (私は留学することに決めた。)
※「留学する」のは決めた時点から見て「これから先(未来)」のことなので、不定詞をとります。
(2) 動名詞だけを目的語にとる動詞(反復・過去志向)
すでにしていることや、現実的な行為を表す動詞は「動名詞」と相性が良いです。
【代表的な動詞】
enjoy(~を楽しむ)
finish(~を終える)
give up(~を諦める)
avoid(~を避ける)など。
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I finished reading the book. (私はその本を読み終えた。)
※「終える」ためには「すでに読んでいる最中」である必要があるため、動名詞をとります。
(3) どちらをとるかで意味が全く変わる動詞
「remember(覚えている)」や「forget(忘れる)」などは、不定詞と動名詞のどちらを続けるかで意味が大きく変わってしまいます。
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remember to do(忘れずに~する/これから~するのを覚えている) Please remember to lock the door.(忘れずにドアの鍵をかけてね。)
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remember doing(~したことを覚えている/過去の記憶) I remember locking the door.(ドアの鍵をかけたことを覚えている。)
このように、「to(未来に向かう矢印)」と「-ing(すでに行われている現実)」のイメージを持つことで、丸暗記に頼らずに英語の感覚を掴むことができます。
まとめ
今回は、英語の「不定詞(to + 動詞の原形)」について、基本の3つの使い方から応用表現、そして動名詞との違いまで詳しく解説しました。
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名詞的用法:「~すること」(主語・目的語・補語になる)
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形容詞的用法:「~するための、~すべき」(名詞を後ろから説明する。前置詞の抜けに注意!)
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副詞的用法:「~するために、~して」(目的や感情の原因などを表す)
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応用表現:否定形(not to)、疑問詞+to do、原形不定詞、意味上の主語(for / of)、独立不定詞
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動名詞との違い:不定詞は「未来志向」、動名詞は「過去・現実志向」
不定詞は、一見すると覚えることが多いように感じますが、実際には「自分の気持ちや目的を、より具体的に相手に伝えるための便利なパーツ」に過ぎません。
この記事で紹介した例文を何度も口に出して練習し、実際の会話やライティングで積極的に使ってみてください。
不定詞をマスターすれば、あなたの英語力は間違いなくワンランク上のレベルへと引き上げられるはずです!

















