「契約を結ぶ」は英語でどう表現する?過失や違約金、約因などとセットで覚えて実践的なスキルを身につけよう!
英語で「契約を結ぶ」と言いたいとき、どのように表現しますか?
新しい住まいを借りるときやジムに入会するときなど、私たちは契約を結ぶことでモノやサービスを受け取っています。
特に、人生を変えてしまうような選択・決断には「契約」が必要な場面がほとんどです!
そのため、英語圏で生活する方にとって「契約にまつわる表現」を理解しておくことは非常に大切だと言えるでしょう。
本記事では「契約を結ぶ」に関連する英語表現を、例文とあわせて幅広くご紹介していきます。
実用的な英語スキルを身につけたい方も、これから英語を習得していきたい方も、ぜひ一読していただけると幸いです。
法的な拘束力のある「contract」
「契約」と聞いてよく口にする、一般的な英単語は「contract」です!
「協定」や「約定(やくじょう)」と訳されることもあり、個人や企業間で行われる取り決めのことを指します。
多くの場合、文書を通じた公式の契約締結を意味するものだと思っていただいて良いでしょう。
「contract」は「一緒に」を表す「con」と「引っ張る、引き寄せる」を意味する「tract」が合体して生まれた単語です。
お互いを引き寄せて強い結びつきを形成する⇒契約というイメージがあります。
最近は文書だけでなく、電子契約も主流になってきました。
覚えておきたいフレーズ
- a contract of employment(雇用契約)
- an insurance contract(保険契約)
- make a contract with A(Aと契約を結ぶ)※enter in〜も可
- be under contract with A(Aと契約を結んでいる状態)
また、名詞ではなく動詞としても使うことができます。
その場合「契約する・約定する・請け負う・引き受ける」と訳されることが多いです。
- contract the company to build a house(家の建設の契約をする)
例文:
We entered into a contract with a local company.
(私たちは地元企業と契約を結びました。)
This contract was approved with an electronic signature.
(この契約は電子署名によって承認されました。)
法的拘束力がない場合もある「agreement」
「agreement」は「同意」や「承諾」「合意」と訳されることがあります。
元々「同意する」を意味する「agree」と、名詞化を表す接尾語である「ment」が組み合わさってできた単語です。
「contract」と異なる点は、法的な契約だけではなく、個人間の取り決めや、非公式な約束事も含むところです。
覚えておきたいフレーズ
- a labor agreement(労働協約)
- a reciprocal agreement(相互協定)
- an international agreement(国際的な合意)
- a verbal agreement(口約束)
- make an agreement with A (Aと契約を結ぶ)※enter in〜も可
上記のように、「contract」と「agreement」は法的拘束力のある公式の契約を指しますが、「agreement」は法的でない非公式の口約束も含まれることを覚えておきましょう!
They made an agreement to split the costs.
(彼らは費用を折半する合意をしました。)
契約書は英語で「contract」もしくは「agreement」
「contract」と「agreement」は「契約」そのものを表しますが、「契約書」という意味でも使うことができます。
ただし、どちらを指しているのか分かりにくい場合は「a written contract(契約書、成文契約)」と言うと良いでしょう。
覚えておきたいフレーズ
- a written contract(契約書、成文契約)
- a contract bond(契約違反による損害補償を保証するための契約書)
- a referral agreement(紹介契約書)
- draw up a contract(契約書を作成する)
例文:
It’s better to have a written contract instead of a verbal agreement.
(口約束ではなく、書類による契約書を作った方がいいでしょう。)
You need to sign the contract before you start working.
(あなたは働き始める前に契約書に署名する必要があります。)
The agreement states that I must work for at least five months.
(その契約書には私が少なくとも5ヶ月働かなければならないと明記されています。)
過失は英語で「negligence」
英語で書かれた契約書には「negligence(過失)」という単語がよく登場します。
本単語は、当事者が一定の事実を認識できる状態にあったにもかかわらず、不注意で認識しなかった場合に使われる表現です。
覚えておきたいフレーズ
- a gross negligence(重過失)
- a slight negligence(軽過失)
- a professional negligence(業務上の過失)
無効は英語で「invalid」
法令用語の一つである「無効」は、「invalid」と表記されることがあります。
法的な契約が行われていても、当人の意思能力がない場合や、契約内容が公序良俗に反している場合は「無効」となります。
つまり、当事者に対して法的な効力を生じなくなってしまうのです。
ちなみに「無効」は「ineffective」や「unavailable」と表されることもあります。
This contract is invalid.
(この契約書は無効です。)
違約金・損害賠償は英語で「penalty」「damages」
どちらも見覚えのある英単語だと思います。
債務を履行できなかった場合に支払わなければならない違約金 「penalty」と、特定の行為によって他者に損害を与えてしまったときの損害賠償「damage」です。
また、重大な契約違反を「material breach」と呼びます。
The Seller shall pay to the Buyer for every week of delay a penalty amounting to 10% of the total value.
(売主は、遅延の1週間ごとに、総額の10%に相当する罰金を買主に支払うものとします。)
甲乙は英語でケースバイケース
日本語で書かれた契約書では、よく当事者が「甲」「乙」「丙」と略して表記されています。
しかし、英語にはこういった慣習はなく、以下のような具体的な意味を担った用語で書かれていることが多いです。
誰にあたるのかしっかり明記されているほうが分かりやすいですよね!
当事者 複数人の当事者 |
party parties |
契約者 |
user |
買主 |
Buyer |
売主 |
Seller |
委託者 |
entrustor(trustor) |
受託者 |
entrustee(trustee) |
約因とは英語で「consideration」
日本の契約書では、申し込みに対して「承諾」を行うことで契約が成立しますが、英米ではさらに「consideration(約因)」が求められます。
例えば、買主と売主の間で、どちらか一方に不利な条件が課されている場合は「約因」できないため、契約は成立しません。
こちらは第三者が認めるというよりは、当事者同士が「約因」できるのか決めることになります。
Therefore, in consideration of the premises, the parties agree as follows:
(それゆえ、前述の内容を役員として、当事者たちは次の通り合意します。)
おわりに
個人間の簡単な口約束ではなく、法的拘束力のある契約を結ぶときは、本記事で紹介したような専門用語を理解しておかなければなりません。
さらに、日本と英米とでは法体系が異なるため、それぞれの文化に応じて仕組みを理解する必要があります。
契約を結ぶときはいつもより慎重に、そして丁寧に行動すると良いでしょう!