【最新版】CEFR完全ガイド:あなたの英語力を世界基準で測り、効率的に向上させる方法

1. あなたの英語力を「世界基準」で測るということ
「あなたの英語力、世界ではどのくらい通用するか知っていますか?」
海外留学、ビジネスでの昇進、キャリアアップ、そして就職・転職。グローバル化が加速する現代において、英語力は個人の可能性を大きく広げる重要なスキルです。しかし、「英検○級」や「TOEIC△点」といった国内の指標だけでは、本当に世界で通用する力なのか、客観的に測るのは難しいと感じたことはありませんか?
そこで今、世界中で注目されているのが、CEFR(セファール:Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠)という国際的な言語能力評価基準です。CEFRは、英語だけでなくあらゆる言語のスキルを「世界共通の物差し」で測ることを可能にします。
CEFRを理解することは、単に自分の英語レベルを知るだけではありません。
- 国際的な環境でのあなたの位置づけを明確にし
- 目標とする英語力への具体的な道筋を示し
- 効果的な学習計画を立てるための羅針盤となります
この記事では、CEFRの基本から、各レベルで求められる具体的な英語力、主要な英語試験との対応、そして何よりも「どうすればCEFRレベルを上げられるのか」という実践的な学習法まで、徹底的に解説します。
上記のように、CEFRを基準にした英語力のレベルについて詳しく知りたい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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2. CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは?基本の「キ」
CEFR(セファール)とは
引用元:International language standards | Cambridge English
CEFR(セファール)とは、「Common European Framework of Reference for Languages」の略称であり、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳されます。その名の通り、ヨーロッパ評議会が提唱し、現在では世界中で広く採用されている言語能力を評価するための国際的な基準です。
2.1. CEFRの定義と歴史:なぜ作られたのか?
CEFRが誕生したのは2001年。その背景には、多様な言語が話されるヨーロッパにおいて、各国の言語教育や評価基準のバラつきを解消し、より透明性のある共通の物差しを確立したいという強いニーズがありました。
それまで言語能力は、各教育機関や試験団体がそれぞれ独自の基準で評価していましたが、CEFRは「言葉を使って何ができるか(Can-do記述)」という視点に立ち返ることで、言語学習・指導・評価に一貫性をもたらしました。これにより、学習者は自身の言語能力を客観的に把握し、目標設定や学習計画を立てやすくなったのです。
CEFRの根底には、以下の3つの主要な柱があります。
- 学習者中心:言語学習者が「言語を使って何ができるか」に焦点を当てます
- Can-do記述:各レベルにおいて、具体的な行動を通して言語能力を記述します
- 一貫性:異なる言語、国、教育機関の間で評価の基準を一貫させます
2.2. CEFRの構造:A1からC2までの6つのレベル
CEFRは、言語能力を以下の6つのレベルに分けて評価します。
- 基礎段階の言語使用者(Basic User):A1(入門)、A2(初級)
- 自立した言語使用者(Independent User):B1(中級)、B2(準上級)
- 熟達した言語使用者(Proficient User):C1(上級)、C2(熟達)
それぞれのレベルは、単に語彙や文法の知識量を測るだけでなく、実際にその言語を使って「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能で「どのようなコミュニケーションが取れるか」を具体的なCan-do(~できる)記述で示している点が最大の特徴です。
2.3. なぜ今、CEFRは重要なのか?
CEFRがこれほどまでに注目されるのには、明確な理由があります。
国際的な評価基準としての価値
留学、海外での就職、多国籍企業でのキャリア形成において、CEFRはあなたの語学力を世界に証明する信頼性の高い指標となります。企業や大学が求める語学力の基準として、CEFRレベルが明示されるケースも増えています。
日本の英語教育改革との関連
文部科学省は、学習指導要領や大学入試改革において、CEFRを英語力の指標として活用することを推進しています。これにより、日本の英語教育全体が、より「使える英語」を重視する方向にシフトしています。
学習の目標設定と進捗管理
自分の現在のCEFRレベルを把握し、目標とするレベルを設定することで、漠然とした学習から脱却できます。どのレベルで何ができるようになるかを知ることで、自分に合った教材選びや学習計画の策定が容易になり、モチベーション維持にも繋がります。
CEFRは、単なる評価基準ではなく、あなたの英語学習の「羅針盤」であり、グローバル社会で活躍するための「共通言語」なのです。
3. 【徹底解説】CEFRの6つのレベル:あなたは今どこ?
ここでは、CEFRのA1からC2までの6つのレベルについて、具体的なCan-do記述(そのレベルで「何ができるか」)を通じて詳しく解説します。あなたの現在の英語力と照らし合わせ、どのレベルに位置しているかを確認してみましょう。
基礎段階の言語使用者(Basic User)

A1(入門レベル):基礎中の基礎を理解できる段階
Can-do記述
- 具体的なニーズを満たすための、よく使われる日常的表現や、ごく基本的な言い回しを理解し、用いることができる
- 自分や他人を紹介したり、住んでいるところ、知っている人、持ち物など、個人的な事柄について質問したり答えたりできる
- 相手がゆっくりと、はっきりと話してくれ、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる
英語力の目安
ごく簡単な単語やフレーズを使って、自己紹介や挨拶、基本的な質問への応答など、最低限のコミュニケーションが可能です。まだ複雑な会話や詳細な内容には対応できませんが、英語学習の第一歩を踏み出した段階です。
A2(初級レベル):簡単な日常会話がこなせる段階
Can-do記述
- ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地域の地理、雇用など、直接的関係のある領域に関する、よく使われる文や表現を理解することができる
- 簡単で日常的な課題であれば、直接的な情報交換を必要とする、単純で直接的なやり取りをすることができる
- ごく簡単な言葉で、自分自身の背景や、身近な環境、直接的な必要性のある領域の事柄を記述できる
英語力の目安
日常生活での簡単なやり取りに対応でき、身近な話題について基本的な会話が可能です。短い文章の読み書きもできますが、複雑な内容や深い議論にはまだ難しさを感じることが多いでしょう。
自立した言語使用者(Independent User)

B1(中級レベル):自分の意見を伝え、ある程度の意思疎通ができる段階
Can-do記述
- 仕事、学校、娯楽などにおいて、習慣的に出会う身近な事柄について、標準的な話し方であれば主要な点を理解できる
- その言語が話されている地域を旅行中に起こりうる、たいていの事態に対応できる
- 身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる
- 経験、出来事、夢、希望、抱負について記述したり、意見や計画の理由を簡単に説明したりできる
英語力の目安
日常的な会話や、仕事・学校に関連する基本的な状況での意思疎通が可能です。海外旅行中のトラブル対応や、自分の意見を簡潔に述べることができます。ただし、複雑な議論や予期せぬ状況にはまだ課題があります。
B2(準上級レベル):専門分野を含む幅広い議論に参加できる段階
Can-do記述
- 抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。自分の専門分野の技術的な議論も理解できる
- 流暢かつ自然にやり取りができ、母語話者と無理なく会話できる
- 幅広い話題について、明確で詳細な文章を作成できる。様々な選択肢について長所と短所を示しながら、ある問題についての自分の視点を説明できる
英語力の目安
ビジネスや学術的な環境でも効果的にコミュニケーションが取れるレベルです。複雑な文章を理解し、具体的な意見を表現し、ディスカッションや交渉にも自信を持って参加できます。海外留学や国際的なビジネス環境でも十分に通用する力を持っています。
熟達した言語使用者(Proficient User)

C1(上級レベル):流暢かつ柔軟に英語を使いこなせる段階
Can-do記述
- かなりの範囲の、より長く、複雑な文章を理解し、含意された意味を把握できる
- 言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、そして自然に自己表現ができる
- 社会生活、学術、職業生活で、柔軟かつ効果的に言葉を用いることができる
- 複雑な話題について、明確で構成のしっかりとした、詳細な文章を作成できる
英語力の目安
非常に高い英語力を持つことを示し、複雑な内容や抽象的なテーマについても自信を持って対応できます。ビジネスやアカデミックな環境で流暢かつ柔軟に英語を使用し、相手の文化や背景を理解した上でニュアンスまで汲み取ったコミュニケーションが可能です。
C2(熟達レベル):ほぼネイティブ同等の英語力で、あらゆる状況に対応できる段階
Can-do記述
- 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解できる
- 様々な話し言葉や書き言葉による情報から、論拠や説明を再構成し、まとめることができる
- 自然に、きわめて流暢に、正確に自己表現ができる。より複雑な状況でも、意味の微妙な違いを区別できる
英語力の目安
CEFRの中で最も高いレベルで、ほぼネイティブスピーカーと同等の英語力を持つとされます。あらゆる状況で自然かつ正確に英語を使いこなし、複雑な内容や抽象的な議論にも難なく対応可能です。専門的な議論や高度な文章の読み書きも自由に行え、文化的なニュアンスまで正確に理解・表現できます。
あなたは今、どのCan-do記述に一番近いと感じましたか?現在のレベルを把握することは、次の目標設定への第一歩です。
4. 【決定版】主要英語検定試験とCEFRレベルの完全対応表
「自分のTOEICスコアはCEFRだとどのくらい?」「英検1級って、CEFRのどのレベル?」多くの英語学習者が抱えるこれらの疑問を解消するため、主要な英語検定試験のスコアや級がCEFRレベルとどのように対応しているかを一覧でご紹介します。
【重要】対応表の見方と注意点
- 下記の対応は、各試験団体やCEFRを策定した機関が公表している目安です。試験によっては、測定するスキルや出題形式が異なるため、あくまで「参考値」としてご活用ください
- CEFRレベルは総合的な4技能(聞く・話す・読む・書く)を評価するのに対し、一部の試験は特定の技能に特化している場合があります
主要英語試験スコアとCEFRレベル対応表
| CEFR レベル |
英検 | TOEIC L&R / S&W | TOEFL iBT | IELTS | VERSANT | GTEC CBT |
| C2 | 測定範囲外 (英検1級を遥かに超える) |
測定範囲外 (L&R 990点以上) |
測定範囲外 (iBT 120点以上) |
8.5-9.0 | 85-90 | 1500点以上 |
| C1 | 1級 | L&R 945点~ S&W 360点~ |
iBT 95-120 | 7.0-8.0 | 76-84 | 1350-1499点 |
| B2 | 準1級 | L&R 785-940点 S&W 310-355点 |
iBT 72-94 | 5.5-6.5 | 59-75 | 1150-1349点 |
| B1 | 2級 | L&R 550-780点 S&W 240-305点 |
iBT 42-71 | 4.0-5.0 | 43-58 | 850-1149点 |
| A2 | 準2級 | L&R 225-545点 S&W 140-235点 |
測定範囲外 | 3.0-3.5 | 30-42 | 500-849点 |
| A1 | 3級-5級 | L&R 120-220点 S&W 60-135点 |
測定範囲外 | 1.0-2.5 | 10-29 | 0-499点 |
補足説明
- TOEIC L&R Test:主にリスニングとリーディングの受容能力を測ります。C1、C2レベルになると、テストのスコアレンジを超えてしまうため、「測定範囲外」となることがあります
- TOEIC S&W Test:スピーキングとライティングの発信能力を測ります。L&Rと合わせて4技能を評価するのに有効です
- TOEFL iBT:大学の授業についていけるかなど、アカデミックな環境での英語力を測る試験です。A1、A2レベルの基礎段階では、iBTの出題形式が難しいため、「測定範囲外」となることがあります
- VERSANT:スピーキング能力に特化した試験で、AIが採点するため短時間で結果が出ます。B2レベルをさらに細分化した「B2+」など、より詳細な評価がされる場合もあります
- GTEC:ベネッセが開発した4技能測定型の英語試験で、日本国内での普及が進んでいます
活用法
いかがだったでしょうか??この対応表を活用することで、あなたが目指すCEFRレベルに対して、どの試験でどれくらいのスコアや級が必要なのか、具体的な目標設定ができます。また、ビジネスパーソンであれば、英語力と年収は密接に結びついているという話を聞いたことがある方もいるでしょう。
本ブログのこちらの記事では、TOEICスコアと年収の相関関係について紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:TOEICスコアと年収に相関関係はある?スコア別の給料や高得点を取る方法を解説!

5. 【レベル別学習戦略】CEFRレベルを効率的に上げる勉強法
「自分のCEFRレベルは分かったけど、どうすれば次のレベルに上がれるの?」漠然とした学習では、なかなか成果が出ないものです。CEFRを道標に、あなたの英語学習を効率的に加速させましょう。
5-1. A1-A2:基礎を固め、英語の「土台」を作る
このレベルの課題
- 基本的な語彙や文法の知識が不足している
- 簡単な会話でも言葉に詰まったり、聞き取れないことがある
- 正確な英語表現が難しい
Can-do目標の例
自己紹介、簡単な質問応答、日常の基本的なニーズの表現、短いメッセージの読み書き。
具体的な学習法
1. 基本単語・文法の徹底(中学レベルの復習)
- 単語:日常生活でよく使う1000~2000語を目標に、発音と一緒に覚える。単語帳やフラッシュカードを活用
- 文法:英語の5文型、時制、動詞の変化など、中学レベルの基礎文法を完璧にする。簡単な問題集を繰り返し解く
2. 簡単なリスニングと発音練習
- リスニング:子供向けのアニメ、ゆっくり話されるニュース、初心者向けポッドキャストなど、短い素材から始める。スクリプトを見ながら、繰り返し聞く
- 発音:発音記号を学び、オンライン辞書などでネイティブの発音を確認しながら、単語や短いフレーズを真似て音読する
3. 「型」を使ったスピーキング練習
- オンライン英会話活用:自己紹介や道案内など、決まったフレーズを使ったロールプレイングを繰り返す。「Can-do」に直結する練習が効果的
- カランメソッドの活用:短い質問に素早く答えるトレーニングを繰り返すカランメソッドは、A1-A2レベルで「発話の瞬発力」を鍛えるのに最適
4. 日記など簡単なライティングでアウトプット
毎日数行でも良いので、その日にあったことや感じたことを簡単な英語で書いてみる。文法やスペルミスを恐れず、まずは書き続けることが大切です。
5-2. B1-B2:自立した英語力を磨き、「実践力」を高める
このレベルの課題
- 語彙や表現の幅が限られ、同じ言い回しを繰り返してしまう
- 抽象的な話題や専門的な議論になると言葉に詰まる
- 流暢さや自然な表現力がまだ不十分
Can-do目標の例
意見交換、議論への参加、ビジネスシーンでの対応、複雑な文章の要点理解。
具体的な学習法
1. 多読・多聴でインプット量増加
- 読書:興味のある洋書(レベル別リーダーから始める)、ニュース記事、ブログなどを読む。知らない単語は文脈から推測する練習も取り入れる
- リスニング:映画、海外ドラマ(字幕なし・英語字幕)、TED Talks、興味のある分野のポッドキャストなど、より実践的な素材に挑戦
2. 論理的な思考力と表現力の強化
- シャドーイング・リピーティング:複雑な文章や会話を正確に真似ることで、リスニングとスピーキング両方の精度と流暢さを向上させる
- プレゼンテーション練習:特定のテーマについて英語でプレゼン資料を作成し、実際に話す練習をする。構成力と表現力が鍛えられます
- 意見表明・議論の練習:ディスカッションクラスや、特定のテーマに沿ったレッスンを活用し、自分の意見を論理的に述べる練習を重ねる
3. ビジネス英語へのシフト
- ビジネスニュースを読んだり、ビジネス系のポッドキャストを聞いたりして、ビジネスシーン特有の語彙や表現を学ぶ
- Eメール作成、会議の進行など、実践的なビジネスコミュニケーションをロールプレイングで練習する
4. 文法知識の深化
より複雑な構文、仮定法、関係代名詞の非制限用法など、B1-B2レベルで必要な文法事項を習得し、正確なアウトプットにつなげる。
5-3. C1-C2:熟達への道、英語を「道具」として使いこなす
このレベルの課題
- 英語力の維持。使わないと流暢さや自然な表現が失われる
- 専門的な語彙、微妙なニュアンスの理解・表現が難しい
- より高度なテーマでの議論、学術的な文章作成に課題
Can-do目標の例
専門分野での深い議論、高度な文章作成、文化的なニュアンスを理解したコミュニケーション。
具体的な学習法
1. 専門分野の英語文献読破とアウトプット
- 自分の専門分野や興味のある学術分野の論文、書籍、専門誌などを積極的に読む
- 読んだ内容を要約したり、それに対する自分の意見を英語でまとめる(ライティング)
- その分野の専門家との英語での議論に積極的に参加する
2. アカデミック/ビジネス英語の洗練
- アカデミックライティングやビジネスレポートの作成を練習し、構成力、論理展開、適切な表現を習得する
- プレゼンテーション、交渉、会議でのファシリテーションなど、高度なコミュニケーションスキルを磨く
3. 文化理解とニュアンスの習得
- ネイティブスピーカーとの深い交流を通じて、言葉の裏にある文化的な背景や、微妙なニュアンスを理解する
- 映画や文学作品を原語で鑑賞し、表現の豊かさや文化的な文脈を深く掘り下げる
4. 継続的なインプットとアウトプット
- 英語を使う機会を「作る」意識を持つ。ニュース、ドキュメンタリー、ポッドキャストなど、多様なメディアから常に最新の情報をインプットし、意見交換やディスカッションでアウトプットする習慣を維持する
- 通訳・翻訳の練習を通じて、異なる言語間の思考の変換能力を鍛える
6. CEFRの実用的活用場面
CEFR(セファール)は言語能力を評価する国際基準として、様々な場面で活用されています。主に教育機関や企業において、英語を含む多言語の学習者のスキルを客観的に評価するために用いられています。

6.1. 語学プログラム選択時の英語レベル判定
CEFRは、留学や英会話サービスを利用する際の学習者英語レベル判定基準として広く活用されています。
海外の語学プログラムでは、入学時にCEFRレベルに基づいたテストが実施され、その結果によって適切なクラスに配置されることが一般的です。
また、下記のように大学の外国語授業のシラバスに、受講者の語学力の目安レベルがCEFRで記されていることも多いです。


オンライン英会話や語学スクールでも、CEFRを基にしたレベル診断を実施するケースが多く、学習者は自分の現在の英語力を正確に把握した上で、目標に向けた最適なコースを選択できます。
6.2. 海外赴任や留学における語学力証明
海外赴任や留学をする際、CEFRは語学力を証明するための基準として設けられることも少なくありません。
赴任先の国での業務遂行や、留学先での授業受講に必要な英語力を証明するため、一定のCEFRレベル以上の語学力が求められるケースがあります。
基本的にはTOEICやTOEFLなどの試験スコア提出が求められることが多いですが、「C1レベルの英語力を有するもの」というような基準が設けられる場合もあります。
6.3. 企業の採用基準における語学力評価
企業の採用基準において、CEFRは徐々に語学力評価の指標として活用されるようになっています。
まだ「CEFR B2以上」といった具体的なレベルが採用条件として明記されることは少ないですが、「TOEICスコア○○点以上相当」「TOEFLスコア○○点以上相当」「英検○級以上相当」といった条件は、CEFRに換算することで、自分が受けたことのない試験でも基準に達しているかどうかを確認できます
また、採用要件に「ビジネスレベルの英語力」や「日常会話レベルの英語力」といった表現がある場合、CEFRのB2レベルが目安となることが多いです。
自分のCEFRレベルを把握しておくことで、企業の期待する語学力に自分がどの程度達しているかを確認し、適切なアピールができるようになります。
試験や資格試験のスコア換算への利用
CEFRは、試験や資格試験のスコアを他の試験と比較したり、どのレベルを受験すればよいかを判断する際に非常に役立ちます。
特に、英検のように級を選んで受ける必要がある試験では、自分の現在の語学力をCEFR基準に基づいて把握することで、適切な級を選択しやすくなります。
例えば、英検を受ける際に、TOEICやTOEFLなど他の試験結果を持っている場合、それらをCEFRに換算して、自分がどの級を受験すべきかをあらかじめ予測することが可能です。
また、初めて受験する試験でも、CEFRの基準を参考にすれば、目指すべきスコアやレベルを把握しやすく、効率的に対策を進められるでしょう。
本ブログの以下の記事では、VERSANTスコアをCEFR指標に当てはめて、英語力のレベルについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:VERSANTスコア目安はどのくらい?スコア別の対策方法まで徹底解説!
ビジネスにおけるCEFRレベルの基準

ビジネスシーンで英語を使用する場合、求められるCEFRレベルは職種や役職に応じて異なりますが、一般的にB2レベル以上が必要とされています。
B2レベルに達していれば、日常的なビジネスコミュニケーションや会議、メールでのやり取りなど、業務に必要な基本的英語力を十分に発揮できると考えられます。
一方、管理職や専門的な役割を担う場合には、さらに高度な英語力が求められるため、一つ上のC1レベルを目指しましょう。
C1レベルの英語力があれば、複雑な問題についても流暢に議論でき、専門的資料の読解や高度なプレゼンテーションも行えるため、グローバルなビジネス環境でリーダーシップを発揮できます。
日本語と同じレベルのアウトプットを目指す場合は、C1レベルが一つの基準となります。
また、海外出張や旅行で基本的な英語を使うだけであれば、B1レベルがあれば十分対応できることが多いです。
まとめると、
- B1:海外出張や旅行において、基本的な英語でのコミュニケーションが可能
- B2:日常的なビジネスコミュニケーションやディスカッションができる
- C1:英語でリーダーシップを発揮できるほど高度な英語力
というイメージです。
CEFR各レベルの学習課題と解決策

CEFRの各レベルには、それぞれの英語力に応じた特有の課題が存在します。
例えば、初心者レベルでは基本的なコミュニケーションの困難さがあり、中級者レベルでは流暢さや表現力に苦労することが多いです。
さらに上級レベルになると、細かいニュアンスの理解や専門的な語彙の習得が課題となります。
以下では、CEFRの各レベルごとに学習者が直面しやすい課題を取り上げ、それに対処するための具体的方法を解説します。
自分のレベルに応じた学習方法を理解し、効率的に学習を進めていきましょう。
上級言語使用者:英語力の維持

一度、CEFRの「上級言語使用者」、つまりC1やC2レベルに到達したからといって、英語学習を停止してよいわけではありません。
英語を使う機会が減少すると、流暢さや自然な表現が失われることがあるため、このレベルでも意識的なトレーニングが不可欠です。
また、上級レベルの学習者は、日常生活や仕事での基本的なやり取りに問題はありませんが、高度な語彙や細かいニュアンスの表現力を維持するためには、定期的な学習と実践が必要です。
C2(最上級レベル)
C2(最上級レベル)は、ほぼネイティブスピーカーと同等の英語力を持つ段階ですが、それでも定期的に英語を使用しなければ、流暢さや自然な表現力が維持できなくなることがあります。
このレベルの学習者は、仕事や日常で英語を使う機会が減ると、微妙なニュアンスや高度な語彙を使いこなす能力が徐々に衰える可能性があります。
英語力の維持には、定期的な英語の使用が必要不可欠です。
仕事や日常生活で英語を話す機会を増やすだけでなく、専門的な分野の英語文献を読む、映画やポッドキャストで最新の英語表現に触れるなどの方法が効果的です。
また、定期的に英語を使ったアウトプットを意識することで、C2レベルの英語力を維持し、さらなる発展も目指すことができます。
C1(上級レベル)
C1(上級レベル)は、日常生活や仕事において英語を使う上でほとんど問題がない段階ですが、専門的なテーマや詳細な議論になると、表現の精度や深みが不足することがあります。
対処法としては、特定の分野に関する語彙や表現を意識的に強化することが重要です。
例えば、専門書や学術論文を読むことで、高度な内容にも対応できる表現力を養うことができます。
また、英語でのディスカッションの機会を積極的に設け、実践を通じて自分のスキルを磨くことも効果的です。
C1レベルの英語力をさらに向上させるためには、実務や専門的な場面での経験を積み重ねていくことが求められます。
自立言語使用者:より幅広い範囲での英語コミュニケーション

CEFRの「自立言語使用者」(B1およびB2レベル)は、日常的な英語コミュニケーションに問題がなく、仕事や旅行でも自信を持って対応できる段階です。
しかし、より幅広い場面での英語コミュニケーションとなると、時に言葉に詰まったり、適切な表現が見つからなかったりすることがあります。
この段階の学習者は、流暢さをさらに高め、様々な状況で自然に英語を使えるようにするための学習が必要です。
B2(中上級レベル)
B2(中上級レベル)では、日常的な会話や職場でのコミュニケーションにおいて自信を持って対応できるようになります。
このレベルでは、複雑な話題についても意見を述べたり、議論に参加することが可能です。
しかし、長時間の会話やディスカッションが続くと、語彙や表現の幅に限界を感じ、同じ言い回しを繰り返すことが多くなる場合があります。
また、より高度な表現や抽象的なテーマに対応する際に、言葉に詰まったり、適切なフレーズが瞬時に思い浮かばないこともあります。
この課題に対処するためには、語彙を増やし、より多くの表現を学ぶことが大切です。
具体的には、新聞や雑誌、ポッドキャストなどを通じて、幅広いトピックに触れることが効果的です。
また、専門的な語彙を強化するために、特定のテーマについてディスカッションやプレゼンテーションを行う機会を増やすことで、スムーズなコミュニケーション力をさらに向上させることができます。
B1(中級レベル)
B1(中級レベル)では、日常的な会話や一般的な状況でのコミュニケーションに問題なく対応できる力を持っています。
例えば、旅行先や職場での基本的なやり取り、友人とのカジュアルな会話では自信を持って話せることが多いです。
しかし、抽象的な話題や自分の経験の範囲外にある不慣れな状況に直面すると、言葉に詰まったり、表現に苦労することがあります。
このような場面では、普段なかなか使用しない語彙や文法的な構造に対する理解がまだ十分でないため、複雑な考えを伝えるのが難しく感じられることが多いです。
この課題を克服するには、まず幅広いトピックに触れることで語彙を増やし、様々な状況に対応できる表現力を鍛えましょう。
新聞やニュース記事、映画などの素材を活用し、身近でないテーマについても理解を深めることが有効です。
また、抽象的な話題について議論する練習をすることで、思考力と表現力を同時に向上させることができます。
基礎言語使用者:正確な英語コミュニケーション

CEFRの「基礎言語使用者」(A1およびA2レベル)は、簡単なフレーズや短い文を使って、基本的なコミュニケーションを取ることができる段階です。
しかし、まだ限られた語彙や文法の知識しかないため、正確な表現や複雑な意思疎通には苦労することがあります。
この段階では、英語を使う際に「正確さ」を意識することが特に重要であり、適切な語彙や文法を身につけていくことで、着実にコミュニケーション能力を高めることが求められます。
A2(準中級レベル)
A2(準中級レベル)では、基本的な日常会話や簡単なやり取りには対応できるものの、複数の意味を持つ語彙や文法の細かいニュアンスに対応するのはまだ困難なことがあります。
そのため、長い文章を話したり、説明が必要な場面でうまく言葉が出てこないことがあるでしょう。
この課題を克服するには、より多くの表現や文法のパターンに触れることが大切です。
簡単な文章や対話を繰り返し練習しながら、少しずつ複雑な構文や表現を身につけることで、対応できる状況の幅が広がります。
また、リスニングやスピーキングの練習を強化し、聞き取りや発音の正確さを向上させることで、複雑な状況でもミスを減らしていくことが可能です。
A1(初級レベル)
A1(初級レベル)は、英語の学習を始めたばかりの段階で、限られた範囲の単語やフレーズでのみコミュニケーションが可能です。
自己紹介や簡単な質問への応答など、決まったフレーズを使った会話にはある程度対応できますが、予想外の質問や、抽象的な話題に対してはすぐに言葉に詰まってしまうことが多いです。
この段階での課題を克服するためには、まずは基本的な語彙やフレーズの習得を継続し、徐々に表現の幅を広げていきましょう。
また、リスニング力も強化することで、相手が話している内容を正確に理解できるようになり、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。
簡単な文章を読み書きする練習や、日常のやり取りに繰り返し挑戦することで、A1レベルから着実にステップアップしていくことができます。
短期間でのCEFRレベル向上におすすめの学習法
短期間で効率的にCEFRレベルを上げたい方には、英語コーチングの活用が非常におすすめです。
自己流の学習では、特にスピーキングの部分で行き詰まることが多く、効率が悪くなりやすいです。
関連記事:英語学習コンサルタントとは?期待できる効果やおすすめできる人を解説!
例えば、独学では発音のミスに気づきにくかったり、スムーズな会話のためのコツが分からなかったり、自分に最適な学習の進め方について迷うことも少なくありません。
そんな時に、専門のコーチからのサポートを受けることで、CEFRレベルを短期間で確実に上げることが可能です。

英語コーチングでは、英語学習の知識と経験が豊富なコーチが、あなたの目標に応じた最適な学習プランを提案します。
何から始めればいいかわからない方や、学習が進む中で自分の弱点に気づけない方でも、コーチが適切なアプローチで指導し、効果的に学習を進められるようサポートします。
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100日間短期集中型でプロの指導のもと、実践的なオンライン英会話を通じて自信を持って英語を話せるようになります。
英語の総合力をまんべんなく強化できるので、独学を続けているのに成果をあまり英語力の向上を感じられていない方にもおすすめです。
また、留学や海外駐在を控えており、「早急に英語力を磨かなくてはならない」、「3ヶ月以内にCEFRをあともう1段階あげなくてはならない」といった方にもうってつけです。
プロのコーチからフィードバックを受けながら学習することで、自分の弱点を正確に把握し、着実に克服する道筋が見えてきます。
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まとめ

本記事では、CEFR(セファール)の各レベルと、主要な英語検定やTOEICスコアとの対応について詳しく解説しました。
CEFRは、世界中で広く使われている語学力の指標で、自分の英語力を客観的に評価するために役立ちます。
この記事を通じて、各レベルごとの英語力の概要や、試験スコアの目安を把握することで、自分に合った目標設定ができるようになります。
そして、英語力を総合的に伸ばすためには、自分の現在のレベルに応じた適切な学習方法とプランが欠かせません。
特に、短期間でCEFRレベルを効率的に上げたい方は、効率的に学習を進めていく必要があります。
QQEnglishの英語コーチングサービス「Boost Coaching」は、日本人ビジネスパーソンに向けたプログラムで、100日という短期間で成果が出るように設計されています。
- 発話瞬発力を徹底的に鍛えるカランメソッド
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- 完全オンラインで完結できる学習
によって、効果的に英語学習を進められることが特徴です。
英語力の基礎力向上はもちろんのこと、効果的な学習方法も身につけられるので、受講後に1人で英語学習を続ける際の効率を上げることができます。
また、専属コーチに現在の英語学習に関する悩みを伝えることで、課題克服に向けて適切なアドバイスやフィードバックを受けることも可能です。




















