【専門家コラム】英語教育とプログラミング教育、どっちを子供に習わせるべき!?< 前半>

英語教育とプログラミング教育、どっちを子供に習わせるべき!?< 前半>

 

■はじめに

 

2020年4月から小学校で学ぶものが新たに二つ増えました。

一つ目は英語、そして二つ目はプログラミングです。

これまでは学習対象ではなかったものが一気に二つも増えたことにより、どのように対応すればよいのか悩んでいる保護者も多くいらっしゃることと思います。

 

今回は、2020年から必修化された英語教育とプログラミング教育の内容に触れながら、

どのように対応していくのがよいのか考えてみたいと思います。

英語やプログラミングを習わせる必要があるのか、習わせるとしたらどちらを習わせるのがよいのか悩んでいる保護者の皆さんの参考になれば幸いです。

 

■新学習指導要領で注目される「英語教育」「プログラミング教育」の内容とは

 

英語教育とプログラミング教育それぞれについて内容を見ていきたいと思います。

まず、英語について。

英語の学習は小学校3年生からスタートします。旧学習指導要領の下では小学5年生と6年生を対象としていた「外国語活動」が、中学年にスライドし、高学年では新たに「外国語」という教科が設けられます。

新しい学習指導要領の下では、小学3年生と4年生には「外国語活動」の時間ができ、小学5年生と6年生が「外国語」という教科できます。

次にプログラミング教育について。

こちらは、英語と違い、「何年生から」という学年は定められていません。学習内容についても詳細に定められているというわけではありません。

また、今回導入されたプログラミング教育は、プログラマーになるための教育を行うことを目的としているのではないというのが大きなポイントです。

プログラミングを学ぶと聞くと、最終的にはコードを自由自在に書けるようになることを目指しているのかなと思ってしまいますが、文部科学省はこれを否定しています。

文部科学省が作成した『小学校プログラミング教育の手引き(第三版)』の中では、「児童がプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりすることをねらいとするものではありません」と書かれていて、プログラミング言語を習得させるのが趣旨ではないことを明確にしています。

文部科学省は『小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)』の中で、プログラミング思考を以下のように定義しています。

 

「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」

 

つまり今回導入されるプログラミング教育は、論理的思考を養うための教育であることが読み取れます。自分の思考を整理し、順序立てて使うことで問題を解決する、そういった能力を育むことを目指しているのです。

 

少し紛らわしいのですが、英語の方は、中学年と高学年で教科なのかそれ以外かを切り分けています。前者については「外国語学習」という位置付けであり、後者については、成績がつく教科として扱うというわけです。一方、プログラミング教育については、教科とはならず、これには学年で差を設けていないため、中学年と高学年で結論は変わりません。プログラミング教育は教科という位置づけではないため、他の科目のように指定の教科書を用いて学習し、試験の出来に基づいて成績がつけられることはないのです。

 

■学校とは別に習わせた方が良いのか

今回新の必修化を受けて、保護者として気になるのは、学校の授業に任せておけば足りるのかという点だと思います。

結論としては、どちらも学校という場で触れるだけではなく、日常的にこれらに触れる機会がある方がある方が能力として身に付くと思います。

習うかどうかは、もちろん子どもの意思を尊重することが大切ですが、どうしても嫌というのでなければ、何らかの形で英語やプログラミングに接する機会、本格的に習わなくても、少しでも触れる機会でがあると良いと思います。興味を持てるようにすること。新しいものですので、慣れない授業にも戸惑わないで済むように、わからないままや苦手意識にならないように環境整備が大切です。

子どもの場合特に、ほんの少しでもやったことがあり、それが楽しい記憶として残っていると学びのスピードが加速します。その意味でも、たとえスクールに通わせなくてもオンラインのコースや市販の教材を活用していくことは有用です。

 

■英語とプログラミング、どちらを習わせるべきなのか

この点については、さまざまな意見があるでしょう。そもそも英語とプログラミングはまったくの別物ですから比較すること自体適切ではないのかもしれません。また、子どもの特性などを無視して、一律にこちらを習わせるべきだと決めつけるのは好ましくありません。

ただ、やはり今回の新学習指導要領の内容、将来性などを総合的に考慮すると英語に軍配があがるのではないでしょうか。

その理由としては次のようなものが、挙げられます。

 

理由1:英語は「教科」となる

小学3年生と4年生では「外国語活動」という位置付けですが、5年生からは教科となり成績がつくようになります。当然、学習内容もより本格的な学習となっていきます。

そして教科としての英語学習は中学そして高校と続いていきます。当然受験期となれば英語は受験科目にもなります。これがプログラミング学習と英語学習の大きな違いです。このことから、やはり小学生の段階から習うものとして、英語の方がプログラミングよりも現時点ではメリットが大きいように思われます。

 

理由2:英語は普遍的なものである

プログラミングの場合、技術的な色彩が強いものですから、時と共にどんどん学ぶべき内容が変わっていく可能性が高いですよね。

今回の学習指導要領で重要視されるのは、あくまでも「プログラミング的思考」ですから、この点についてはそれほど心配する必要はないのかもしれません。しかし、それでもやはりプログラミングの分野が変化の激しいものであることは事実でしょう。

一方、英語に関しては今学んだ内容が10年後に全く不要な知識・スキルとなってしまうかといえばそんなことはありません。もちろん、時代の変化と共に、使われるフレーズが変わっていったり、文法が簡略化されていったりということは起こります。ただそれによって一度身につけた英語力が無駄になってしまうというようなことは起こりえません。語学力というのは時代に左右されないスキルの代表格であるといえます。このことも、プログラミングと英語、どちらか一方を習うのであれば英語の方をおすすめする理由です。

後半に続く→https://www.qqeng.com/qqkids/chiebukuro/english-and-programming2

 

さびねこ

【自己紹介】

英検1級取得後、英語講師を経て、フリーランスで翻訳・ライティング業務を行う。

【英語力・指導経験】

都内の大学(法学部法律学科)大学在学中に英検1級に独学で合格。

その後、英会話スクールにて、幼児クラスから、小学生向けクラス、そして、高校生・社会人クラスと一通り担当。

独学で英語をマスターし他経験、指導経験から、学習者としての視点と指導者としての視点双方から発信しています。

【資格およびスキル等】

・英検1級・法律英語

・スペイン語、イタリア語、インドネシア語会話(まだ初級~中級レベル)