
はじめまして、株式会社QQ English代表取締役社長の藤岡頼光です。私は1965年に埼玉県浦和市で生まれ、高校卒業後にアメリカに渡り、帰国後はバイク便事業を中心とした起業家人生をスタートさせました。40歳という人生の転機で英語学習に本格的に取り組み始め、フィリピン・セブ島での語学留学体験をきっかけに、2009年にオンライン英会話サービス「QQEnglish」を創業いたしました。
現在、QQEnglishは約3,000人以上のフィリピン人教師を正規雇用し、全世界80万人以上のお客様にオンライン英会話サービスを提供する企業へと成長させていただきました。日本国内だけでなく、フィリピン、中国、韓国、モンゴル、ロシア、ブラジルなど、世界各国に事業を展開し、グローバルな英語教育事業を展開しております。
1965年、高度経済成長期の真っ只中に埼玉県浦和市で生まれました。幼少期からチャレンジ精神旺盛で、高校時代には既に将来への明確なビジョンを抱いており、卒業と同時に単身でアメリカに渡ることを決意しました。
18歳でのアメリカ留学は、私にとって人生の大きな転換点となりました。異文化の中で過ごした経験は、後の国際的な視野を持つ経営者になるという願望を形成することになりました。アメリカでの生活を通じて、多様性を受け入れる柔軟性や、言語の壁を乗り越える重要性を肌で感じ取ったのです。
この体験が、後にフィリピンでの事業展開や、世界各国の皆様に英語教育を提供するという使命感につながっています。
アメリカから帰国後、私は起業家としての道を歩み始めました。1992年、26歳の時にバイク便サービス「キュウ急便」を設立いたしました。当時、急速に発達していた都市部でのスピード配送需要を見据えた、先見性のあるビジネスモデルでした。バイク便業界は開業時から競合他社がひしめく分野でしたが、おかげさまで事業を軌道に乗せることができました。
2000年には、さらなる事業拡大を図り、ヨーロッパの輸入スクーター専門店「コネクティング・ロッド」を創業いたしました。この事業は、私のバイクに対する深い愛情と専門知識、そしてヨーロッパの洗練されたスクーター文化を日本に紹介したいという想いから生まれました。イタリアやドイツなどの高品質なスクーターを日本市場に導入し、バイク愛好家の皆様から高い評価をいただきました。
バイク事業に情熱を注いでいた私にとって、この分野での成功は単なるビジネス上の成果以上に、バイクを通じて人々の生活に便利さや楽しさを提供するという意味を持っていました。
私の人生における最も重要な転機は、40歳の時に訪れました。ヨーロッパ輸入スクーター事業を通じて、イタリア人のビジネスパートナーとバイクについて熱く語り合いたいと思った時、英語でのコミュニケーションができずに深い挫折感を味わったのです。バイクに対する情熱は人一倍強く、技術的な知識も豊富だったにも関わらず、言語の壁により自分の想いを相手に伝えることができない歯がゆさは、想像を絶するものでした。
「自分の好きなバイクのことを、目の前のイタリア人と語り合えない。これほど悔しい経験はありませんでした。その時、本気で英語を身につけようと決意したのです。」
この体験は、私にとって単なる語学学習のきっかけを超えた、人生観を変える出来事となりました。40歳という年齢は、一般的に語学学習を始めるには遅いとされる時期です。しかし、私は年齢を言い訳にせず、むしろ大人だからこそできる効率的で実践的な学習方法を模索し始めました。
英語学習を決意した私は、2005年にフィリピン・セブ島への語学留学を実行しました。40歳での留学という決断は、当時としては非常に珍しく、周囲からは驚きの声が上がりました。しかし、私にとって、この留学は単なる語学習得以上の価値があったのです。
セブ島での留学生活は、私にとって目からウロコの連続でした。フィリピン人教師の英語力の高さ、ホスピタリティ溢れる人柄、そして何より手頃な費用で質の高い英語教育を受けられることに強い感銘を受けました。従来の英語教育では、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアなどの欧米圏への留学が主流でしたが、フィリピンという新しい選択肢の可能性を肌で感じ取りました。
留学期間中、私は担当の先生との間に深い信頼関係を築きました。帰国後も学習を継続したいという強い想いから、担当の先生にパソコンを贈り、オンラインレッスンを開始しました。これが、後のQQEnglish創業の直接的なきっかけとなったのです。この個人的な体験が、世界中の英語学習者の皆様に同様の機会を提供するビジネスモデルへと発展していくことになります。
2009年、私は自身のフィリピン留学体験とオンラインレッスンの成功体験を基に、オンライン英会話サービス「QQEnglish」を創業いたしました。創業時の理念は明確でした。「質の高いフィリピン人教師による英語教育を、世界中の学習者の皆様に手軽に提供する」ことです。
創業当初は、多くの困難に直面しました。オンライン英会話という新しいサービス形態への理解不足、フィリピンでの事業運営の複雑さ、技術的な課題など、解決すべき問題は山積していました。しかし、私には自身の体験に基づく確信がありました。フィリピンでの英語教育は必ず多くの方に受け入れられるという信念です。
QQEnglishの特徴的な取り組みの一つは、教師の正規雇用制度です。多くのオンライン英会話サービスが非正規の講師を活用する中、私たちは教師を正規社員として雇用し、継続的な研修と待遇改善に取り組みました。この方針により、教師の質の向上とサービスの安定性を実現し、業界内で差別化を図ることに成功いたしました。
2010年には、オンライン英会話事業に加えて現地での語学留学事業も開始いたしました。これにより、QQEnglishはオンラインとオフラインの両方で英語教育サービスを提供する総合的な教育企業へと発展しました。セブ島の語学学校は、年間6,000人の方にお越しいただくフィリピン最大級の規模へと成長し、多くの日本人学習者の皆様にとって重要な学習拠点となりました。
国際展開においては、日本市場で培ったノウハウを基に、アジア各国への進出を段階的に進めてまいりました。中国、韓国、モンゴル、ロシアなど、英語学習需要の高い国々でサービスを開始し、各国の教育文化や学習者のニーズに合わせたカスタマイズを行いました。
現在、QQEnglishは約3,000人のフィリピン人教師を正規雇用し、全世界80万人以上のお客様にサービスを提供しております。
ロンドンで密かに有名な英会話学校があります。その学校が開発したのがオーディオリンガルを基にしたカラン・メソッドです。
カラン・メソッドは50年以上の歴史がある特訓型、英語学習法です。「4倍のスピードで伸びる」がキャッチフレーズですが、ようは「たくさん聞いて、たくさん話す」メソッドなのです。
決まったセンテンスを先生のガイドでひたすら繰り返す特訓メソッドで一対一のオンライン英会話やフィリピン留学にとても相性がいいです。学習が終わると心地よい疲労感があるので、まるでスポーツのようです。私がやっていた方法を効率よくして、文法もネイティブの話し方まで学べる素晴らしい学習方法だったのです。
ケンブリッジ検定に合格するのに通常350時間かかるのが、わずか80時間で合格できるといわれており、しかもその合格率が95%。現在ヨーロッパを中心に世界30か国、およそ400校の語学学校で採用されている日本でも知る人ぞ知るというメソッドです。
この素晴らしいカラン・メソッドを採用しようと思いました。しかし何のコネクションもありません。セブからいくらアプローチしていても上手く行きませんでした。
バイク便の事業を始める時を思い出しました。直接乗り込んで自分の言葉で話し人間関係を作ったのです。今度も例え無駄足になろうとも行くしかありません。教科書開発が遅れていた焦りもあって思い切ってロンドンへ乗り込みました。
その後、話が進んでカラン本校のトレーナーをセブに送り込んでいただけることになりました。
「カラン・メソッドは正しくやらないと効果がでない。見よう見まねではなく正確に覚えなさい。私達が協力するから。」
私達はオンライン英会話とフィリピン留学で初めて正式なトレーニングを受けた認定書をいただくことができたのです。
「縁」に出会えたのは英語を話す事ができたからだと思います。ビジネスでは完璧な英語を話さなくてはならないと思っている方が多いですが決してそんなことはありません。細かい契約の内容を詰めるのには必要でしょうが先ず人間関係を構築できなくてはビジネスが始まらないのです。
通訳を連れていたのでは親しくなることはできません。たとえ下手でも、自分の言葉で話せば新しい道が開けます。
私の教育理念は、自身の40歳からの英語学習体験に深く根ざしています。「大人だからこそできる効率的な英語学習」という考え方は、従来の「若いうちでなければ語学習得は困難」という固定観念に挑戦するものです。私は、大人の学習者が持つ明確な目的意識や人生経験を活かした学習方法の重要性をお伝えしています。
「英語学習に年齢の壁はありません。大切なのは、なぜ英語を学ぶのかという明確な目的と、継続する意志です。大人には大人の学習方法があるのです。」
QQEnglishの教育方針で特に重視しているのは、「実践的なコミュニケーション能力の向上」です。文法や語彙の暗記に偏りがちな従来の英語教育に対して、実際に英語を使って意思疎通を図る能力の育成を最優先に置いています。この方針は、私がイタリア人とのバイク談義で感じた「伝えたいことが伝えられない」という挫折体験から生まれています。
経営哲学においては、「教師第一主義」を貫いています。優秀な教師なくして質の高い教育は提供できないという信念から、教師の正規雇用、継続的な研修、働きやすい環境作りに積極的に投資しています。この方針により、QQEnglishの教師定着率は業界平均を大きく上回り、サービス品質の向上と安定性を実現しています。
現在、私はQQEnglishの経営に加えて、セブ日本人会の会長としても活動しております。この役職を通じて、フィリピンと日本の文化交流促進や、現地在住日本人コミュニティの発展に貢献しています。また、フィリピンの教育発展への支援活動にも積極的に取り組んでおり、現地社会への恩返しという意識を持って活動しています。
将来の展望としては、AI技術を活用した次世代の英語教育サービスの開発に注力しています。人間の教師が持つ温かさやコミュニケーション能力と、AIが提供する個別最適化された学習体験を組み合わせることで、より効果的な英語教育の実現を目指しています。しかし、技術の進歩にかかわらず、「人と人とのつながりを大切にする」という基本理念は変わることはありません。
グローバル展開においては、アフリカや中東など、まだ進出していない地域への展開を検討しています。世界中のより多くの皆様に質の高い英語教育を提供することで、国際的なコミュニケーション促進に貢献したいという想いが、私の活動の原動力となっています。
私は、自身の英語学習体験と教育事業での知見を基に、著書『40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい』(祥伝社)を出版いたしました。この著書は、大人の英語学習者の皆様に向けた実践的なアドバイスが満載されており、多くの読者の方から共感と支持をいただいております。
書籍では、TOEICの点数向上に偏重した学習方法ではなく、実際のコミュニケーション能力向上を重視した学習アプローチをご提案しています。40歳から英語学習を始めた私自身の体験談を交えながら、年齢に関係なく英語力を向上させる具体的な方法論を詳しく解説しています。
また、私は定期的にCEOブログを更新しており、経営者としての視点や教育に対する想い、フィリピンでの生活や文化についての洞察を発信しています。このブログは、英語学習者の皆様だけでなく、起業を志す方々や国際ビジネスに関心をお持ちの読者の方からも高い関心をお寄せいただいています。
私は、一人の英語学習者としての挫折体験から出発し、世界最大級のオンライン英会話サービスを築き上げてまいりました。この歩みは、年齢や環境に関係なく新しいことに挑戦する勇気の大切さ、そして人と人とのつながりを重視する経営哲学の重要性を物語っていると考えています。今後も、世界中の英語学習者の皆様の夢の実現をサポートし続けてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
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