「子ども と 世界 と 私(ママ)」

ともこ(母、外国語講師)

ともこ

 ダイナミックな小論文テーマを拝見し、私が世界を目指す理由はと考えた時「子供たちの未来の国際理解社会を豊かにするため」であるとはっきり断言することができます。英語の必要性とそのブームもあり、私を含め英語に興味のある親・特に母親は大勢日本におります。もし、貴校の奨学金をいただけましたら、貴校の英語学習システムについて体験・実感し安定した英語力を養うのは当然ですが、その力を子どもと分け合うことができる可能性を実感したいと思っております。母親業は多忙で語学を学ぶ機会を持つのは大変な苦労です。しかし、もし子どもを安心・安全に預けることができ、一緒に文化や語学を習得することができれば親にとっては最高の海外語学留学であると思うのです。英語を子どもと共に学び、親が子どもに教え、自然な形で言語習得がなされていことは言葉を社会で運用するという点で非常に重要であり、日本においても、国際的な社会を作り上げていく要素の一つであると信じています。 貴校のように、子どもの教育にも力を注いでおられる学校にぜひ留学したいと思っております。
 私が、なぜ子どもと学ぶための英語学習の発展、身近なフィリピンでの生活に興味がありこの奨学金に応募させていただくかは私の過去と現在にあります。まず、教職という仕事のなかで国際化する日本の教育現場を知ったこと、そして外国由来のマイノリティー家族・生徒について日本の教育現場のあり方に限界を感じることとなりました。もともと、国際支援教育機関などに興味がありましたが、国際化し移民受け入れの歴史が古いアメリカへの大学院留学を決心しました。結果として、多様な人種文化を持ち合わせる国として進化するには、人が訓練を受け勉強し認め合う機会のある環境・社会を率先して設ける必要があるということを実感したのです。現在は、社会の一員として、外国人支援・語学教育などを子供を育てることを中心として生活しています。 長野県は外国籍の居住率が高く、諏訪市は人口5万人程度、外国人は5千人くらい、そのナショナリティーの背景・来日理由も千差万別ですが、アジア・ブラジル系の移民は特に多い地域です。アジア由来の住民の方々とは英語で交流しますが、日本語教育に携わっているため彼らの生活・教育・就職活動の相談を受けたりしております。ただ、単身で来日していることが多いため抱えている問題も難しいことがあります。解決に導くためには身の回りにいる生活者・各機関のサポートが必要不可欠です。しかし、問題点は、身近なアジアの国々ではありますが、その国・文化・生活についてはあまりよく知らないのが現状です。つまり、来日する背景をしらないため、サポートする必要性を実感できないのです。幸運にも、 フィリピンンの方と交流するようになり、フィリピン・日本間の1940年代の歴史についてまで(キリノ大統領など)じっくりと考えるきっかけをもらい、以来、フィリピンの方々には敬意と尊敬をもって接することができています。本当に必要なサポートができるためには、相手のことを知ること、その国・文化・言葉が違うということを認めてることを学ばなくてはなりません。同じ環境ではない人々に対し、異なった、特別な方法でサポートを教育現場や各機関・コミュニティーで実践していくのは、特有な文化を持ち合わせる日本では努力と勉強が必要です。今まで、西洋に目が向いていた私は、アジアで英語・文化を学ぶという画期的なアイデアと可能性と必要性を、アジアからの移民とのかかわりを通じて、改めて実感することとなっています。フィリピンで学ぶことで、自分を養うことができ・学んだことを子どもと分け合い、そして今後のローカルな国際交流と理解を深めるために本当に必要なことであると確信しています。
 私がもし、奨学金を通して、貴校でフィリピンで学ばせて頂ける機会をいただけるなら、子どもたちにも学べる環境を用意し、一緒に渡比したいと望んでいます。そして、先にも述べさせていただきましたように、子どもと共にアジアに学ぶきっかけを探しに行きたいと思います。子どもたちがフィリピンに降り立ち、観光地だけでなくその他の地域にもふれ、見聞きすることで実感体験し、身近にいる移民の知人への関心が深まることを期待しています。そして、英語を話す・話せることの「喜び」をいろいろな面でこれから知っていってほしいと思うのです。私の希望は、貴校の「世界を目指す」とはもしかしたら少し違うかもしれません。しかし、私は自分の与えられた、母としての立場でローカルから世界へ目の向く、社会の在り方を大切にする未来の市民を草の根ではありますが、育てる活動してまいりたいと思います。将来、子どもたちにもフィリピンで安心して学べる環境を提供していただける日がきますようご検討していただければと願っております。

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