「0.98%から創る未来「日本人」を発信する」

境 伴晃(個人事業主)

境 伴晃

中国は3.6%、韓国は13.9%。そして、日本では0.98%。詳細は後述しますが、私が仕掛けたいことは「相対的に低い日本のこの数字の上昇を加速させること」です。

私は7月に、新卒で入社し3年3ヶ月勤めた人事コンサルティングの会社を退職しました。「和僑輩出」事業で社会に新しい仕組みを創っていくためです。「和僑」とは、世界で活躍する中国人を表す「華僑」から派生した言葉で、世界中で活躍する日本人を意味します。

私の世代はバブル崩壊後の失われた20年といわれる時代に生まれ育ちました。壊れ始めた終身雇用や年功序列、失脚する大手企業、叩かれるIT起業家などのニュースが目立ち、社会に対してポジティブな印象を持ちづらい環境で育った私達は、一般的に安定志向、夢を持たない、不安を避ける世代だと言われています。実際、採用の現場で安定志向を持った人が大半だと感じました。 以前、留学生を対象にした海外開催の就職フェアに参加された採用担当者様から聞いた話にショックを受けました。海外の学生は複数言語を話せることに加え、研究やインターンシップなど貪欲な学生生活を過ごしているため、日本人留学生が見劣りしてしまうことが多々あったというのです。
この6月には労働人口減少対策として通称「移民法」が可決されました。今後海外から多くの人材が流入し、企業はより安い賃金で働く人材を積極的に採用し始めます。今後20年以内に全労働人口の3分の1がロボットに代わられる可能性があるというニュースもありました。

時代の流れによって、今までどおり仕事をして安心して暮らしていける日々が、ある日突然終わってしまう可能性が日々高まってきています。

そもそも日本が世界第二位の経済大国となる躍進を支えたのは何だったのでしょうか。 約140年前の明治維新を成し遂げたのは誰でしょうか。
有名な実業家となった渋沢栄一のように、当時の農村の青年ですら国の行く末を憂い当事者として本気で行動していました。 戦後の焼野原の日本を建て直したのは誰でしょうか。敗戦の傷が癒えないままにも関わらず、勤勉で誇り高く秩序立ち、努力を惜しまない先代の日本人たちの功績です。

全ての原動力は「人」でした。

ですから、世界を相手に活躍できる人材を増やすこと、世界に出るというイメージが湧くような仕組みを創ることが、今求められている価値あることだと考え、動き始めました。

第一歩として、「和僑」として活躍している方の話を聞くべく、この10月から経済成長率7.2%のフィリピン、アジアの経済中心地の香港で起業家または事業責任者の方々にインタビューをしてきました。

セブで会った方が話してくれました。創業時、お客様がほとんどいなかったころにフィリピンで大物ビジネスパーソンが契約してくださったそうです。そのフィリピン人の言葉を教えてもらって胸が熱くなりました。
「僕たちは日本のビジネスパーソンによくしてもらったから今、成功しているんだ。彼らには本当に感謝しているから、今度は僕たちが還元する番だ。君を応援するよ」。
日本人であることを誇らしいと思いました。と同時に、恩恵にあやかっているばかりではなく下の世代にも引き継げるように頑張らないといけないと感じました。

中には、22歳や24歳の新卒1年目ながら現地責任者としてアジア開発銀行や政府と交渉しながら仕事をしている方にも出会いました。彼らのように、若くして異文化の中で共創していく経験が、人としての幅を広げ和僑になるための道の一つだと確信しました。

中国では、世界最大規模でニューヨーク証券取引所に上場を果たしたアリババ創業者、ジャック・マーのような、海外で起業し成功してから自国に還元する人を敬意を表して「ウミガメ」と呼ぶそうです。彼のようにロールモデルとなりうる、世界に誇る日本人「和僑」の生き様を提示し、世界で活躍し日本に還元できる人材を一人でも多く輩出できる仕組みを創りたい。これが、私が世界を目指す理由です。

冒頭の数字は、海外に移住者・労働者の割合です。隣国に比べて日本は0.98%と非常に低い数字ですが、市場が成熟し海外に出る必要性が高まってきた今、この割合は増えていきます。それを更に加速させていきたいのです。

現在NPO法人設立に向けて準備をしていますが、資金面から、活動できるのはあと3ヶ月が限度です。今回の奨学金を得て、応援し協力してくださるたくさんの方の期待に応えていきたいと考えています。

これからの日本は誰が担うのでしょうか。 今これを読んでくださっているあなたであり、あなたの子供たちです。他の誰でもなく、私たちが日本です。だから、自分たちで何とかしなければなりません。日本を支える新しい仕組み創りにご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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