「勇気を持って」

ookinasekai(アルバイト)

ookinasekai

 僕には「世界で学びたい」といういくつかの夢がある。しかし周りの誰にも、友達や家族にもあまり話したことがない。周りの人は僕のことを「引っ込み思案だね」「おとなしいね」などと言うことが多い。でも実際はここ日本にいることを窮屈に感じ、世界に飛び出したいという、大胆な夢がある。
 一度僕には海外に行った経験がある。でもそれは失敗に終わった。長期留学の予定で意気込んだものの、僅か2週間で帰国してしまったのである。要因の一つは所謂「ホームシック」が大きかったかもしれないが、後で振り返って考えてみると、その当時の「英語力」、そして何よりも「勇気」が足りなかったのである。
 海外で生活する以上、事前にある程度の「英語力」は無くてはならないものである。でもそれよりも必要なのは、日本とは全く異なる外国の習慣に馴れるための「柔軟性」、積極的な「コミュニケーション能力」、失敗を恐れず、一歩踏み出してみる「勇気」が必要なのである。
 「勇気」という言葉が何回も出ているが、これは僕の敬愛する心理学者、アルフレッド・アドラーの基本理念であり、僕が大切にしている人生のテーマである。無念で帰国した後、僕は日本の大学で心理学を専攻することになる。そこで出会った心理学者の一人がアドラーである。アドラーの心理学は「勇気づけの心理学」と呼ばれており、勇気を持てば、人は「今」からでも変わることができるというものである。考え方、行動力、そしてそれらを突き動かす勇気がいかに人生を切り開くのに重要であるかを考えさせられる。
 本題であるが、僕が世界で学びたいことには具体的に3つある。1つ目は、海外で映画製作を学びたいということである。僕は映画が大好きで、特に外国映画を数え切れないほど観ている。映画は、製作者のイマジネーションが映像によって表現される、最高のエンターテインメントであり、アートでもある。先に触れた留学の体験談も、実は映画製作を学ぶために行ったことである。しかしながら映画製作を学ぶ前に帰国してしまい、何も学ぶことができなかったことを今でも後悔することがある。
 2つ目は、海外でバイオリン製作を学びたいということである。僕は幼少の時からバイオリンを弾いてきたが、あるときからバイオリン製作についても興味を持つようになった。弦楽器製作は現在様々な国で行われている。中でもイタリアは、かの有名な「ストラディヴァリ」を生んだ国である。そこには現在でも弦楽器製作が盛んに行われ、製作専門の学校まであるのだ。世界に唯一しかない自分で製作したバイオリンを奏で、音楽の楽しさ、喜びを伝えられたらと思っている。
 最後は、世界中を旅して、新たなビジネスチャンスを探したいというものである。もちろん世界の様々な国の文化に触れ、視野を広げたいということもあるが、日本から一時的に離れ、外側から日本を見ることによって、新たな視点で物事を考えられるようになりたいということがある。「アメリカンドリーム」という言葉はよく聞くが、「ジャパニーズドリーム」という言葉はあまり聞かれないように、日本には、年齢や学歴に縛られ、いつからでも新しいことに挑戦していけるような機会が少ないように感じられる。世界を周って色々なものを見て、感じて、ヒントになるようなものを発見し、最終的には何らかの形で人の役に立つようなことができればと思っている。
 以上のことが、僕が世界で学びたいことの理由だが、これからの人生でいくつできるかはわからない。もしかすると一つもできないかもしれないが、その「いつか」に向けて今現在できることは日々欠かさず行っている。それはやはり「英語」である。独学で勉強し、現在は英検準1級レベルである。世界では、どこに行ってもまず英語が通じるし、語学力は最大の強みである。英語で人生が変わる体験はまだ経験していないが、地道に勉強し、きっと役に立つと信じて、僕は英語の勉強を続けている。今の自分には勇気がある。その勇気を持って、世界に飛び出していきたい。

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