「理想論ではあるけれど」

岸 清香(研究員)

岸 清香

私は、ただなんとなく生きてきた人生でした。今では考えられないことかもしれませんが、言われたことをやっていけば、その努力が結ばれるとずっと思っていたからです。

大学三年生の時、教師になろうと思っていました。でも、なぜか踏み込めませんでした。周りが就職活動をしていく中、その流れに乗ることができなかったのです。

失意の中で、大学院生になりました。研究自体は好きでしたから、就職できなかったけど頑張ろうと思って、先生方の言う通りに道を進んできました。

いつのまにか、修士を過ぎ、博士を過ぎ、研究員と呼ばれる存在になっていました。海外に行くことにもなりました。

正直、望んでいない海外行きでした。実際に英語もしゃべれず辛いと感じることばかりです。私は何をしているんだろう?何度悩んだか分かりません。

周囲には高い志を持った留学生ばかりです。アルバイトなんて一切しません。学業に真剣に取り組んでいる人ばかりです。さまざまな国籍の人たちに囲まれているのだと、思わずにはいられません。

また、大学で教鞭をとる人々もグローバル化でいろんな国から学問を教えに来ています。英語ができれば、日本にいる時には得られなかったものを得られる、そんな空気にあふれています。

再び悩みました。

世界や日本の現状を、そして自分の世界の狭さを。
そして、このままではいけないと思ったのです。

このまま行けば、自分の小さな世界ですべてが終わっていく。
でも、本当にそれでいいのか?と。

自分は英語ができないことは、海外生活においてピンチです。
しかし、ここでピンチをチャンスに変えずしてどうするのか、と。

今、英語が出来るというのは、本当に手段にすぎません。
でも、この手段をモノにするのは本当に大変です。

それでも、この現実には立ち向かわなけばいけないと思います。
英語ができないなんてただの言い訳です。

近い将来、きっと日本でも、もっと英語での講義が増えることでしょう。
教える生徒も日本人とは限りません。
そんな中で、英語ができないということで、生徒を差別したくはありません。

教え子が、世界のどこでも、自分の好きな場所で学べるように。

私の元に来ても、辛い思いをしなくてすむように。

だから、英語をしゃべろうと思いました、勉強しようと思いました。
今はまだ、出来ることは少ないけれど。

世界を目指そうなんて思っていません。
すでに現実に世界はそばにあります。

周りが外国人ばかりの今の現実を、より自然に、居心地良くすることが今の目標です。
そして、これからの世代には、現実に世界はそばにあることを意識してほしいです。当たり前のものとして、有意義な人生を享受してほしい、それが私の希望であり夢なのです。

QQ English facebook 詳細・応募フォームはこちら