「私が世界を目指すわけ」

じょん(会社員)

じょん

""私は現在、日本のある研究所でヒトの遺伝子研究に携わっています。今はがん治療に有益な発見をしたりして一応社会に貢献できるような仕事をしていますが、この仕事に就いたのはそういう立派なことがやりたいからではなく、単に私が死ぬほど遺伝学が好きだからです。
もともと私は大学で動物遺伝学を勉強していて、研究にコンピュータプログラミングのスキルが必要だったので卒業後にIT企業に就職しました。ある程度プログラムが作れるようになるとまた遺伝学が勉強したくなり、母校の大学院に進み修士過程を修了後、今の会社に勤めています。基本的に大学入学後の私の行動は常に遺伝学の研究をしたいという欲求に基づいており、現在私はアメリカの大学で動物遺伝学を学ぶために英語を勉強しています。
遺伝学というと白衣を着て日夜実験室でビーカーやフラスコ、顕微鏡と格闘しているイメージを持たれることが多いのですが、私の研究分野はコンピュータで遺伝子データを解析することであり、IT企業に入ったのも自分がやりたい解析を思ったようにやってくれるプログラムを自分で作れるようになるためでした。しかし、世間一般のイメージが白衣と実験であるように、遺伝学の分野でも私のようなことをやっている人間は少数派です。海外ではコンピュータで解析を行う研究者は多いのですが、日本では生物学を勉強する人間で統計学やコンピュータに強い人が少ないせいか、あまり人気のある分野とは言えず、これまでに自分の研究分野について熱く語り合える同世代の人間はほとんどいませんでした。そんな時、私は職場で1人の外国人研究者に会いました。
彼は元々主に実験を行う研究者だったのですが、統計学やコンピュータを独学で学び今は専らコンピュータで遺伝子データを解析するようになっていました。最初は私がほとんど英語を話せないこともあり、文化や慣習の違いからコミュニケーションがうまく取れなくて悩んだこともありましたが、仕事について話をしていくうちに次第に彼と打ち解けるようになりました。人種も文化も性別も異なるのに、共通の好きなもの(遺伝学)があるというだけでこれほど理解し合えるという状況に私は少なからず感動を覚えました。そしてもっと自分の英語を磨いて相手の考えを深く理解したいし、自分の言いたいことをきちんと伝えられるようになりたいと思いました。 国内ではマイナーな分野でも、日本の外にはユニークでクールなアイデアを持った同じような遺伝学好きがたくさんいることを知りました。でも、今の私の英語力では彼らの考えを100%理解できていないし、質問だって思うようにできません。そこで私はアメリカの大学に言って無理矢理にでも英語が分かるようになってこようと考えました。自分が目指している大学はこれまで自分が学んできたことよりも複雑で困難な内容を扱っています。それを中途半端な英語能力で理解しようとするのは無謀だとも思います。でもやってみなければ本当に不可能かどうかは分からないし、とにかく私は自分の好きな遺伝学にそこまで賭けてみたいのです。
最近、私は英語を勉強するにつれて相手の英語が聴き取れるようになり、急に世界が開けたような感覚になることがあります。私の英語力はまだまだ飛ぶ練習を始めた雛鳥のようなもので、昨日は聴き取れていた英語が次の日にはさっぱり分からなくなっていたりすることもありますが、英語が理解できるようなってあの急に周りが明るくなるような感覚を思い出すと、そういう日が来るのがとても楽しみです。

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