「私が世界をめざすわけ」

森上公紀(大学生)

森上公紀

私は、人と人とをつなぎ、誰もが豊かになるイノベーションを起こしたい。
いま生活する和敬塾は5つの寮から構成され、50大学に在籍する男子学生が集るほか、米国や韓国からの留学生を含めて300人が在寮している。私が住む寮は、まだできて6年目の寮で和敬塾名物の体育祭に私が2年生のとき初めて参加した。寮の威信をかけて全力で戦う騎馬戦は体育祭の目玉であり、和敬塾の伝統行事の1つである。その激しさから毎年けが人がたえず、実は、当時、私の寮の中には、自分たちの寮が新たに体育祭に参加することを反対する人も多かった。そこで当時体育部長だった私は、体育祭をめぐって二分していた寮生を和解させるため、持ち前のオープンマインドと積極性で寮生全員の部屋を訪ね歩き、お互いに歩み寄り寮を盛り上げようと呼びかけた。その結果、体育祭参加を決めるとともに寮に一体感が生まれた。そこで信頼を得た私はこの夏に乾寮を代表する大将を担った。またこうした経験がアジア12か国の学生が集まる「アジアンサマースクール」でも生きた。当初ぎこちなかった学生たちを、各国の伝統ゲームを介して打ち解けさせることに成功し、国と国を超えた交流の輪を作りだすことができたのだ。そして、嬉しいことに私は、日本人で初めて「ミスターサマースクール」に選ばれた。
 私は二つのコミュニティでリーダーシップを発揮し、社会資本的なものを形成できたと考えている。
つまり、私は出身も出自も異なるメンバーで構成されたコミュニティを深い信頼関係で結びつけることができた。そこには確かに規律や一体感、周りの人間を気遣う配慮の心、向上心が芽生え、メンバーは自分たちのコミュニティに誇りや愛着心を抱いていた。この環境はまさに社会資本であり、私が描く理想の埼玉像だ。
私は埼玉親善大使に任命された。親善に加えて帰国後、埼玉県に貢献できるような経験と力を得てくるつもりだ。埼玉県では年々外国人労働者が増えている。そして2020年の東京オリンピックに向けて外国人労働者がますます増加することが予想される。
 一方、留学先のシアトルでは、多くの移民を受け入れつつ、社会資本を充実させ、イノベーションを盛んに起こして町全体が豊かになる仕組みができた。
 そこでイノベーションを学ぶとともに、世界の縮図といわれるアメリカでさまざまなバックグラウンドをもつ学生とディスカッションをしたり、インターンシップで組織作りに努めたりすることで多様性の理解を深め、日本で増え続ける外国人をインクルーズした社会資本を構築するためのヒントを得る。
 そのためには英語が必要だ。英語を使って初めて、さまざまなバックグラウンドを持った学生とディスカッションをしたり、イノベーションのノウハウを学んだり出来る。
また英語には日本語で表現できない言葉がある。それらは日本にはあまり馴染みのない概念、例えば宗教や人種を扱うことが多い。そしてそのような概念こそ学んで、日本のますますの国際化に役立てたい。
 私が世界を目指すわけ。それは英語をつかって、アメリカで学び、人と人とをつなぎ誰もが豊かになるイノベーションや社会資本を埼玉県にもたらすこと。そして叶うことなら日本中にイノベーションが広げる一助となりたい。

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